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多様化するニーズへの対応
優れた技術や生産性の向上によってフルチョイスシステムやワイドセレクションを導入、車種も大きな広がりをみせた。こうしたワイドバリエーションは、みずからの目的や個性に合わせたクルマ選びを可能にした。また、大衆車から上級車にステップアップしていく人々にとって、そのギャップを埋め、かつスムーズに移行されるミドルクラスの乗用車が必要になってきたのだ。
バリエーションの充実
高性能軽自動車の登場
スペシャルティカーの登場
日本の高級車市場を開拓したクラウンは、本格的な高速交通時代に備え、1962年に高速性能、居住性等を兼ね備えた2代目ヘモデルチェンジした。デザインもTの字を象徴したラジエーターグリルやボンネット、トランクを完全にフラットにするなど近代的となった。また、その後MS40系シリーズでは様々な装置を追加してワイドセレクションを実現、幅広い市場の要望に対応した。
プリンス自動車工業(現 日産自動車)は、2代目グロリアに、国産の市販車としては初のオーバーヘッド・カムシャフト(OHC)を採用した6気筒エンジンを搭載して、1963年に追加発売した。155km/hの最高速度と、スムーズさ、静粛性により高級・高性能イメージをうえつけ、このクラスでの6気筒OHCモデルの先鞭をつけた。
すでにファミリーセダンとして成功を収めていたコロナも、さらに市場の拡大をはかるために、1965年4月にスポーティな1600Sを発売。6月にはわが国で初めてハードトップを製品化した。センターピラーのない開放的なスタイルは文句なく新鮮で、当時もっとも好まれたモデルでもあった。コロナはスポーティなパーソナルカーを求めるニーズにいち早くこたえた草分け的存在だったのである。
コロナとクラウンの間の位置づけで1968年9月、新型車コロナマークUを追加。ネーミングは上級車志向のコロナオーナーを意識してジャガーMk−Uなどのように英国車のモデルチェンジやグレード変更によく使われる方法をとった。はじめから2ドアハードトップや1.9リッター版を備え、基本11車種、52タイプのワイドバリエーションとしたこともあって、12月には月間登録2万台のベストセラーカーの座を手にしたのである。
クラウンエイトからさらに一歩進めて、世界の豪華車に匹敵するプレステージサルーンを目標にしたセンチュリーは、まったく新しい設計から1967年に誕生した。豊田佐吉の生誕100年や明治100年にちなんだネーミングや日本的なスタイリングからは想像できないほどのパフォーマンスを発揮。3.0リッターの高出力V型8気筒エンジンは1.7tを超えるボディを時速170kmまで引っぱり、豪華さのなかに高性能を隠し持っていたのである。
多様化するニーズは高級車ばかりではない。個人需要の傾向の強い大衆車にも積極的に新しいモデルが投入された。力ローラも豊富なバリエーションのなかに1968年3月、ファストバックスタイルの2ドアクーペ、スプリンターを加えることになる。スポーティなスタイルとわずか1.1リッターながら最高速度160km/h(SL)の高性能は58.7万円の低価格で供給され、スポーツ志向の人々を充分に満足させるものとして、さらに購買層を拡大したのである。
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