TOYOTA
CSRの取り組み


Sustainability Report 2010
2009年度のサマリー 環境側面
環境理念  |  エネルギー/温暖化  |  資源循環  |  環境負荷物質  |  大気環境  |  環境経営

環境理念
第5次「トヨタ環境取組プラン」
これからのトヨタの環境活動の方向性とあるべき姿「地球環境と調和したモノづくり、クルマづくりと商品およびサービスの提供を通じ、社会、地球の持続可能な発展に貢献」を具現化するため、2011〜2015年度に実施すべき活動を第5次「トヨタ環境取組プラン」として取りまとめました。
新プラン策定に当たり、企業活動における環境問題リスクとビジネス機会(環境対応車の普及促進等)という2つの観点から活動を整理。2020〜2030年に向けて企業に求められる環境活動の方向性を、「低炭素社会の構築」「循環型社会の構築」「環境保全と自然共生社会の構築」の3大重要テーマに分類し、トヨタの企業活動である開発・設計、調達、生産・物流、販売、リサイクルの各分野で取り組み項目・具体的な実施事項・目標を策定し、環境経営を推進します。
第5次「トヨタ環境取り組みプラン」

「第5次トヨタ環境取組プラン」ニュースリリース
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エネルギー/温暖化
最重要課題の認識のもとに、社会と協調し、 CO2排出量を低減する活動を製品・生産・物流分野で推進
中長期の視野に立ち、着実なエネルギー/温暖化対策を推進
2009年12月、コペンハーゲンで開催されたCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)では、長期的目標として、IPCC報告書等に基づき産業革命以前からの気温上昇を2℃以内に抑えるため、地球全体での温室効果ガスの大幅削減の必要性が確認されました。また、中期的には先進国・途上国が削減目標・行動を国連へ提出し、それぞれの国がそれぞれの立場で排出削減を進めることを表明しています。トヨタも中長期的に、的確かつ着実なエネルギー/温暖化対策を推進していきます。
トヨタ・ハイブリッド車(HV)の国内外における販売累計台数が250万台(2010年4月現在)となりました。トヨタは現在、「プリウス」をはじめ乗用車で12車種(2010年4月末現在)のHVを販売しています。HV*1のCO2排出量*2は、車両サイズおよび動力性能が同等クラスのガソリンエンジン車と比較して、累計約1,400万tのCO2排出抑制効果があったと試算しています。この効果は、初代「プリウス」の発売からHV世界販売へと、12年間かけてつくりだしたものです。2009年度は各国の低燃費車優遇制度も功を奏し、プリウスを中心とするHVおよびHVを含む低燃費車の増加により、日米欧における平均燃費は大きく向上しました。今後ともトヨタは従来型ガソリンエンジン車の一層の燃費向上、HVおよびプラグインHVのさらなる開発と普及を進めていきます。また、国内外のグループ会社でモノづくりのみならず物流や販売に至るまで、すべての事業領域において、CO2排出量削減に取り組んでいきます。

*1.
コースターハイブリッドEV、ダイナHV/トヨエースHV、クイックデリバリー200を除く
*2.
市場走行台数×走行距離×燃費(各国実走行燃費)×CO2換算係数
■ハイブリッド車250万台によるCO2累計削減効果(トヨタ試算)
ハイブリッド車250万台によるCO2累計削減効果(トヨタ試算)

■トヨタの日本米国欧州における平均燃費の推移
トヨタの日米欧における平均燃費の推移

■トヨタの日本における平均燃費の推移
トヨタの日本における平均燃費の推移
エネルギー多様化とライフサイクルCO2削減への取り組み
化石燃料は限りある資源であり、エネルギーの多様化は不可欠です。EVは、原子力や水力等の再生可能エネルギー等と併せた利用でCO2削減に効果があるなど、今後のクルマの開発には、各地域のエネルギー多様化の事情を踏まえたクルマが必要になります。トヨタは地域別エネルギー事情を踏まえた、エネルギー製造段階も含めたライフサイクルでのCO2削減を目指し、次世代自動車の開発に取り組んでいきます。インフラ整備が鍵となるエネルギー多様化への流れの中で、従来型エンジン車の改良とHVの拡大は、実状に即した当面の主流であると考えます。従来型エンジン車の改良では、2008年度に高効率新型ガソリンエンジンの全クラスへの導入を完了するなど、平均燃費を着実に改善。今後も車両の小型化・軽量化、エンジン・トランスミッションの効率向上に着実に取り組み、さらなる燃費向上を図ります。化石燃料はもちろん、水素、バイオ燃料、電気まで応用可能なトヨタHVシステムは、エネルギー多様化を前提にした技術であり、将来のサステイナブル・モビリティのコア技術です。HVによるCO2削減への寄与をさらに高めていくために、昨年発売の3代目「プリウス」は2代目に倍する世界80以上の国への導入を予定しています。
■グローバルCO2原単位低減率
グローバルCO2原単位低減率
生産性向上と省エネ改善によるCO2低減活動を推進
生産分野では、生産技術の革新等、画期的な生産性向上への取り組みおよび、エネルギーのムダを徹底的に省く日常改善に全員参加で取り組み、原単位を改善してきました。しかし近年、大幅な減産、売上高減の影響を受け、売上高当たりの原単位が悪化傾向となっています。この傾向に歯止めをかけるため、トヨタグループが一丸となって低負荷設備の集約化、省エネ改善、非稼動時の設備停止(電源OFF)等の活動に取り組んでいます。
■TMC物流CO2排出量低減率(国内)
TMC物流CO2排出量低減率(国内)
物流の合理化、燃費向上などによるCO2低減活動を推進
物流分野では、様々な改善によるCO2低減活動を推進しています。具体的には「総輸送距離の低減」「モーダルシフト」「燃費向上」の3つの改善の切り口で取り組みを推進し、CO2排出量低減を進めています。さらに海外については、2007年度より各国・各地域でCO2排出量の把握を開始し、2008年度より目標を設定して低減活動に取り組んでいます。
資源循環
中長期的資源需要の拡大を前提として地球資源の循環型有効活用を徹底
梱包・包装資材低減活動、総使用量目標達成
梱包・包装資材の使用量低減には、バンパー包装のスリム化等包装仕様の簡素化、および出荷容器のリターナブル化の拡大等の改善に取り組みました。
こうした取り組みと物流量減により、総使用量は5.69万tとなり、2009年度の目標を達成しました。なお、2008年度より各国・各地域で使用量把握を始め、欧米以外はほぼ実施済みです。2010年度は全地域での把握を目指します。
■TMC梱包・包装資材使用量の推移(国内)
TMC梱包・包装資材使用量の推移(国内)
■梱包・包装資材使用量低減の取り組み結果
改善
テーマ
商品 主な活動内容 低減量
(千t/年)
スリム化等 補給部品 バンパー包装仕様のスリム化
(段ボール→バブルシート)等
▲3.5
荷姿変更(パレタイズ→バラ化、緩衝材の材質変更等) ▲1.4
その他日常改善 ▲0.2
生産部品 梱包仕様のスリム化(段ボール組仕切→包装紙等) ▲0.2
リターナブル化 補給部品 リターナブル容器の適用拡大
(品目拡大、仕向国(タイ)拡大等)
▲0.4
生産部品 リターナブル容器の適用拡大 (新規BOXサイズの追加等) ▲0.3
合計 ▲6.0
■トヨタのリサイクル実効率およびASR再資源化率の推移
トヨタのリサイクル実効率およびASR再資源化率の推移
国内の自動車リサイクル法への対応を確実に実施
解体・リサイクル業者との連携のもと、自動車リサイクル法(2005年1月施行)への着実な対応を推進。自動車メーカーに定められた使用済自動車から発生するフロン類、エアバッグ類、ASR*1の引き取りを行い、的確にリサイクルを実行しています。
ASRの再資源化率では、2015年度法定基準(70%)に対して、すでに2007年度に76%を達成。2009年度の再資源化率は81%になりました。また、車両換算したリサイクル実効率*2は97%、トヨタリサイクルビジョン(リサイクル実効率95%)を達成しています。
*1. ASR(Automobile Shredder Residue):
使用済自動車の破砕処理後に出る廃棄物
*2. リサイクル実効率:
解体・シュレッダー工程までで再資源化される比率約83%(2003/5合同審議会資料より引用)に、残りのASR比率17%×ASRリサイクル率81%を合算して算出。
環境負荷物質
素材・部品の調達から製造まで、化学物質の使用を把握・リスクの評価をし、環境負荷のより少ない物質の使用へ
環境負荷4物質の全廃
環境負荷4物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム)については、「トヨタグローバル基準」に基づき全廃に向け取り組みを進めた結果、国内の全生産事業体で2006年8月に4物質の使用を全廃しています。
海外の主要工場においても2007年末時点で概ね全廃しています。

新型・フルモデルチェンジ全車種で、 車室内VOC低減を実施
トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなど、車の内装部品などから揮発するVOC(揮発性有機化合物)*1は、健康に影響を与える可能性があると言われています。こうした車室内のVOCを低減するため、内装部品の素材、加工法、接着剤の見直しを続けています。2009年度に発売した新型・フルモデルチェンジ8車種すべてにおいて、自工会自主目標をクリアしました。

■TMC PRTR対象物質排出量の推移
TMC PRTR対象物質排出量の推移
PRTR対象物質の排出量低減(前年度比19%減)
PRTR*2対象物質の主なものはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン4物質で全体の92%を占めています。この4物質を低減するため、主な排出源の塗装工程においてPRTR対象物質の排出量低減活動を行っています。
2009年度は対策として、洗浄シンナーの使用量削減・回収率の向上、水性用洗浄シンナーの純水化を進めました。こうした活動により年間の排出量は0.9千t(前年度比19%減)となり、目標を達成しました。
コラム 日米欧の自動車、自動車部品、化学メーカーで共同制定した管理化学物質リストGADSL
グローバルな化学物質規制に対応するため、日米欧の自動車・自動車部品、化学メーカーの代表で構成するGASG (Global Automotive Stakeholders Group)が制定した、業界共通の管理化学物質のリストがGADSL*3です。このリストは各国の規制対象物質をベースに、2005年に作成され、化学物質規制の動向に合わせて更新されています(2010年2月第6版 110物質群、2,732化合物)。自動車メーカー各社は、このGADSLを利用してサプライヤーに申告物質を指定、社内規格の整合化を進めています。今後、製品含有化学物質の収集システムであるIMDS*4とともに、REACH*5への対応にも活用していくことを議論しています。
*1. VOC(Volatile Organic Compounds) : 揮発性有機化合物
*2. PRTR (Pollutant Release and Transfer Register) : 環境汚染物質排出・移動登録
*3. GADSL (Global Automotive Declarable Substance List)
http://www.gadsl.org
*4. IMDS(International Material Data System)  
*5. REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals): 化学物質の登録、評価、認可および制限に関する規則
大気環境
製品とモノづくりの両面からさらなる排出ガス浄化とVOC低減
■低排出ガス車生産台数比率の推移
低排出ガス車生産台数比率の推移
超-低排出ガスレベル(U-LEV)以上100%達成
2009年度の国土交通省「低排出ガス車認定制度」の平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)適合車の生産台数比率は93.3%、超-低排出ガスレベル(U-LEV)以上の生産台数比率は2008年度より100%を達成しています。
2009年度のガソリン乗用車では、新型・フルモデルチェンジ8車種中7車種を含む18型式が新たにSU-LEVに、フルモデルチェンジ1車種を含む3型式が平成17年基準排出ガス50%低減レベル(U-LEV)に適合しました。
■平成17年基準低排出ガス車生産台数比率(2009年度)
( )内は型式数
区分 低減レベル 生産台数比率
新☆☆☆
U-LEV
平成17年基準排出ガス
50%低減レベル
6.7%(35)
☆☆☆☆
SU-LEV
平成17年基準排出ガス
75%低減レベル
93.3%(126)
■2009年度低排出ガス車認定制度適合車
車種名 型式数(SU-LEV) 型式数(U-LEV)
RX450h 3 0
ウイッシュ 6 0
プリウス 1 0
HS250h 1 0
ランドクルーザープラド 0 3
マークX 3 0
SAI 1 0
パッソ 3 0
18 3
■TMCボディ塗装のVOC排出量(全ライン平均)推移
TMCボディ塗装のVOC排出量(全ライン平均)推移
VOC排出量を平均23g/m2まで低減
VOC*は、光化学スモッグを発生させる光化学オキシダント原因物質の一つです。トヨタでは、塗装工程で排出されるVOCを低減するため、洗浄シンナー使用量低減・回収率向上、水性塗料用洗浄シンナーの純水化などの取り組みを進めています。こうした低減活動の結果、2009年度の全ボディ塗装ラインVOC排出量は面積当たり平均23g/m2(前年度比4.7%減)となり、目標を達成しました。

*VOC(Volatile Organic Compounds): 揮発性有機化合物


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