TOYOTA
CSRの取り組み


Sustainability Report 2010
2009年度のサマリー 環境側面
環境理念  |  エネルギー/温暖化  |  資源循環  |  環境負荷物質  |  大気環境  |  環境経営

環境経営
2010年の第4次「トヨタ環境取組プラン」最終年に向け環境経営強化と定着を図る
2010年度は、第4次「トヨタ環境取組プラン」の最終年であり、これに向け2009年度は連結環境マネジメントのさらなる強化、定着を図りました。連結環境マネジメントは目標をほぼ達成。また、トヨタ「生物多様性ガイドライン」を基本に取り組みを推進、継続しました。環境教育は体系化を図り、事務系従業員を中心に環境配慮事項を取り込んだ新プログラムを開始。バイオ緑化事業は開始10年目の節目を迎え、諸事業を継続。Eco-VASによるLCAにより、新型車・フルモデルチェンジ車全車を評価、環境負荷の低減を確認しています。
■トヨタ「生物多様性ガイドライン」
トヨタ「生物多様性ガイドライン」
トヨタ生物多様性ガイドラインを基本に取り組みを推進
生物多様性は、気候変動とともに最も重要な地球規模の環境課題と言われ、世界規模で取り組みが進められています。国連は2010年を「国際生物多様性年」と定め、10月には愛知県名古屋市でCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)を開催。トヨタは、2008年3月に公表した「トヨタ生物多様性ガイドライン」に沿って、生物多様性に低負荷な技術の開発や、資源循環の推進を通じて生物資源の枯渇防止や自然環境の悪化抑制に貢献する等、様々な取り組みを展開しています。これらの趣旨は、2009年3月に策定された、「日本経団連生物多様性宣言・行動指針」とも合致しており、同宣言の趣旨に賛同し実践する企業の集まりである「日本経団連生物多様性宣言推進パートナーズ(2009年12月)」にも設立と同時に参加しました。また、ガイドラインの主旨を踏まえ、新しい中期計画である第5次「トヨタ環境取組プラン(2011〜2015年)」の中に、“生物多様性の取り組み”と“自然共生社会構築に資する社会貢献活動の推進”の2項目を新たに織り込みました。
■トヨタの主要な生物多様性の主な取り組み事例
区分 取組項目 具体的な実施事項等
自動車・
住宅事業等
温暖化対策 ●グローバルな燃費向上
●生産・物流活動におけるCO2低減
大気環境問題への対応 ●排出ガス低減
●VOC排出量の低減
資源循環の推進 ●リサイクル設計の推進
●リサイクル材の使用拡大
工場の森づくり ●その地域本来の植生種による植樹
森林再生 ●間伐による下層植生の回復(三重県)
自然と共存し地域と調和した新研究開発施設の検討 ●希少動植物の生息・生育環境の保全
●谷津田周辺の環境改善
●里山林の維持管理
社会課題
への貢献
人材育成&希少種保護 ●白川郷自然學校やトヨタの森での自然環境教育
グローバル植林 ●自生種を用いた植林(中国・フィリピン)
トヨタ環境活動助成プログラム ●テーマを生物多様性と地球温暖化に絞り支援

新研究開発施設の検討についてはホームページを参照ください
新研究開発施設のあらまし


コラム トヨタ環境活動助成プログラム「生物多様性」に配慮したこれまでの助成対象実績
トヨタは社会貢献活動の一環として、2000年度より民間非営利団体などの環境活動を支援するため助成プログラムを実施しています。中でもこれまで「生物多様性」を助成対象テーマとしたプロジェクトを数多く支援してきました。下記の地図はプロジェクトを大きく2つのカテゴリーに分け、地域ごとの取り組み数を掲載。代表事例としてラオスの取り組みを紹介します。
■活動地域の内訳(累計)
活動対象地域 累計
アジア・太平洋 58
北米・中南米 17
アフリカ 17
欧州 7
日本 75
その他 1
合計 175
■トヨタ環境活動助成プログラム助成プロジェクト助成対象内訳(累計)
トヨタ環境活動助成プログラム助成プロジェクト助成対象内訳(累計)
2009年度のトヨタ環境活動助成プログラムの概要については本誌p.77を参照ください(PDFファイル)


村の問題を話し合う様子
村の問題を話し合う様子
「ラオス中部における生活改善プロジェクト」による地域の自然資源保護活動(2009-2011)
ラオスは最貧国脱却を目指して急激な経済発展を図り、ダム、植林、鉱物開発が進んでいます。また人口増加や周辺国の需要もあり、自然資源の乱獲と枯渇化が深刻な問題となっています。NPO法人日本国際ボランティアセンターが実施するこのプロジェクトでは、森林の保全や稲作技術改善等の農業活動を通して、地元住民の持続可能な生活向上、地域の自然資源を守る人材育成に取り組んでいます。


工場の森づくりに重点を置いてサステイナブル・プラント活動継続
トヨタでは、モノづくりにサステイナブル(持続可能)の概念を取り入れるため2007年よりプリウスを生産する堤工場をモデル工場として「サステイナブル・プラント活動」に取り組んでいます。そのコンセプトは「自然を活用し、自然と調和する工場づくり」で、「エネルギー低減」「エネルギー転換」「地域交流・生態系保護」という3つの基本的な取り組みを柱に、全従業員のエコマインドを結集し、積極的に活動を進めています。2009年度は、この3本柱の活動のうち、特に工場の森づくり活動に力を入れ、国内では元町工場、衣浦工場、田原工場、海外ではインドTKM・TKAPにおいて地域本来の植生種による植樹会を実施。これまで同活動におけるトヨタの植樹は約23万本(2010年3月時点)に上ります。また植樹会のほか、将来の森づくりにつなげるため、各地において苗木づくり、堆肥づくりなども実施。2009年10月には堤工場が「第29回緑の都市賞」国土交通大臣賞を受賞しました。こうした活動をエコマインドの向上のほか生態系の保護などの理由から、今後とも力を入れて進めていきます。
■サステイナブル・プラント コンセプト
サステイナブル・プラント コンセプト
■植樹会実施概要
  TKM TKAP 元町工場 衣浦工場 田原工場
実施日 2009年6月 2009年6月 2009年5月 2010年3月 2010年3月
植樹本数 32,500本 7,500本 6,000本 1,400本 2,100本
参加人数 5,800人 600人 1,500人 400人 190人

[森作りの事例:国内]田原工場
2010年3月の植樹会の様
2010年3月の植樹会の様子
「時代が変わっても本質を追究し続ける」「レクサス生産工場にふさわしい環境を、森づくりを通して創造する」を基本理念に、田原工場ではこれまで5回の植樹会を開催しています。
2009年3月の第1回植樹会は従業員と地域の方約750人が参加し、2,500本を植樹。2009年11、12月に3回実施した植樹会は、「工場内の小さな森づくり」を目指し、製造部ごとに180本ずつを植樹。2010年3月の第5回は厳しい経営環境の中、自分たちによる植樹会を実施。植樹会の準備・運営はもちろん、土壌改良からマウンド整備、資材(ワラ)の提供に至るすべてを従業員自らの手でとり行いました。植樹種については地域本来の23種類を選定し、2,100本の苗木を植樹しました。また2009年より田原市の「渥美半島菜の花浪漫街道アクションプラン」に賛同し、工場外周の一部で菜の花を栽培、地域との交流を深めています。今後は従業員自らの手で苗木づくりにもチャレンジし、森に囲まれた工場を目指します。

[森作りの事例:海外] インド-TKM (Toyota Kirloskar Motor Private Limited)
苗木を植える従業員とその家族
苗木を植える従業員とその家族
アジアでは熱帯林の急速な減少が懸念されており、洪水・治水対策、砂漠化・地球温暖化防止の観点からも植林活動が有効です。TKMは、約170万m2の敷地に沿って、4万m2を3段階に分けて植樹を行う計画を立案。2009年6月に第1回植樹会をカルナタカ州ダディの工場で開催しました。植樹会には、カルナタカ州関係者、地元の学生、サプライヤー、ディーラー、横浜国立大学宮脇名誉教授、TKM中川社長ならびに従業員とその家族、総勢6,000人以上がボランティアで参加し、3万2,500本の苗木を植樹。植樹種については周辺地域のフィールド調査に基づき、「マンゴー」や「ニーム」など51種類を選定しました。第2回は、2009年8、12月に実施し、3万500本を植樹。2010年も引き続き、8月と12月に実施する予定です。20〜25年後、多様な生物が息づく自然環境を育むことを目標に、地域本来の植生種による多層構造を持つ森づくりを推進します。


■雪冷房の仕組み雪冷房の仕組み
北海道の地域特性を活かした自然エネルギーの有効利用
トヨタ自動車北海道では、オートマチックトランスミッション等を生産する工場に雪氷ハイブリッド冷房システムを導入し、夏場の省エネ冷房を実践しています(2009年度実績工場内休憩室)。
このシステムは、洞爺湖サミットでも採用された竪穴空気−雪熱交換式を採用し、外気を雪山頂部から、雪山内部に取込み熱交換させ冷気をつくり、送風ファンで工場内へ送風冷房することで、既存の冷房設備の負荷を減らす効果を上げています。
2009年度は約10tのCO2を低減しました。同じ冷気を空調機でつくる場合100万円近い費用がかかります。また、毎年、冬に発生する駐車場の除雪・排雪作業が、エネルギーを集める有益な作業にもなります。さらに、断熱材にも工夫を凝らし、間伐材や樹皮などを細かく破砕した、自然素材のチップ材を150mm程度、雪の表面に被覆することで、冬に降った雪を効率的に夏まで残しています。
担当の環境技術課は「北国では古くから雪の中で野菜を保存する“氷室”という知恵があります。自然に存在する熱を有効に使う方が、自然エネルギーで電気をつくってクーラーを動かすより効率がよいので、この“氷室”の知恵を何とか工場にも取り入れたい」と考え雪冷房システムを導入しました。
また、雪が降らないなどの気候リスクを回避するため、人工降雪技術の簡易化を産学で共同研究しています。これは、北国の寒さを利用するもので、冬に水を噴霧させるだけで、人工降雪を作り出すものです。北海道特有の自然エネルギー利用を今後も積極的に展開していきます。


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