代表取締役社長 張 富士夫   専務取締役 白水宏典
 

 自動車は、人類に移動の自由を与えたことで、20世紀の文明が創りあげた大きな財産と言えるでしょう。 しかし、他方で、化石燃料という有限の資源を使用し、二酸化炭素の排出などによって環境に影響を与えていることも事実です。
私たち自動車メーカーに課せられた社会的使命は、こうしたことを十分認識したうえで、前者の利点を伸ばし、後者の負担をできるだけ小さくすることにあります。
 環境への影響の少ない自動車づくりは、トヨタにとって「選択肢のひとつ」ではなく、“環境への対応なくして自動車の未来はない”と言えるほどの大きな企業課題です。
また、一方で、環境影響を低減する技術の開発は、世界標準の技術(デファクト・スタンダード)獲得の可能性にもつながります。
それは、広く社会に使ってもらえる技術を供給できることであり、自動車づくりを通して世界に大きく貢献を果たせることになります。
 環境への取り組みは、トヨタがさらに成長するチャンスであり、チャレンジととらえています。
お客様には、私たちが思っている以上に、環境や安全の技術を歓迎していただいております。ハイブリッドカー「プリウス」を世に送り出した時の反響は、まさにその好例と言えましょう。
 自動車の歴史を振り返ってみますと、欧米に対して日本はスタートラインが大きく違っていました。
創業者の豊田喜一郎が渡米し、自動車に夢を託した1929年頃、アメリカではすでに年間500万台もの自動車が販売されていました。
また、その後は「日本は100年の自動車技術開発の中で、何ひとつ貢献していない」と言われたこともあり、悔しいと同時に残念な思いもしました。  しかし、環境技術におけるスタートラインは同じです。
「日本の自動車技術はこれほどまでに貢献したんだ」と言えるように頑張りたいというのが、私たちの偽りのない気持ちです。
そのために、トヨタは環境問題を経営の根幹に据えてチャレンジします。

   

21世紀に向けて確実な改善

   

  今回発行する「環境報告書2000」はトヨタとしての第3号の報告書であり、'99年度の活動を主な対象としています。
 「地球環境憲章」の改定と連結対象会社との共有化、第3次「環境取組プラン」の策定、「環境マネジメント」の海外展開、全社的な「環境教育」の充実、低排出ガスレベル(J―TLEV)と2010年新燃費基準対応を両立した「クラウン」の発売、「埋立廃棄物ゼロ」へのチャレンジ拡大、販売店の「環境ガイドライン」発行と取り組み、などが主な成果です。
 本報告書によって、トヨタが来るべき21世紀に向けて、環境マネジメントを着実に向上発展させていることをご理解いただければ幸いです。
   なお、今回より「水の使用量」「工場・事業所別PRTRデータ」「生産工程で使用するエネルギー別構成比」「環境コストに対する効果」等、情報開示の範囲を広げると同時に、主要環境データの要約を掲載するなど報告書としての改善にも努めました。
 情報開示の充実と環境パフォーマンス向上を目指して、今後とも一層の努力を続けてまいります。皆様の率直なご意見をお待ちしております。

   

2000年8月

トヨタ自動車株式会社
トヨタ環境委員会委員長/代表取締役社長

環境部門統括/専務取締役



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