代表取締役社長 張 富士夫   代表取締役副社長 白水 宏典
 

 21世紀最初の環境報告書発行にあたり、一言述べさせていただきます。20世紀を振り返ると、1903年ライト兄弟による飛行機の発明に始まり、「物質文明の時代」あるいは「科学技術発達の時代」でした。そして、その中で進歩し同時に時代を大きく支えてきたものの一つが自動車であり、その意味で20世紀は「自動車の世紀」であったとも言われています。反面、20世紀は温暖化、資源枯渇など地球及び地域環境問題が提起され、自動車が地球及び地域環境に負荷を与える要因の一つとなっていることは、否めない事実です。我々はこのことをしっかり認識し、来世紀にそのつけを残してはなりません。
 自動車の100年余りの歴史の中で、あまたの会社が誕生し、競争に破れ消えていきました。例えば米国では、黎明期に存在した約500社もの自動車メーカーのうち、現在では実質3社、または2社が残るのみです。これは「変化に適応できないものは淘汰される」ということを歴史で証明したことに他なりません。
 環境分野でも今年に入り、米国カリフォルニア州で、ゼロエミッション車を2003年以降、一定以上販売しなければ、多大な罰金が科せられる、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制の実施が決定、欧州では燃費の向上によるCO2削減が求められると同時にリサイクルに関するEU指令が発行され、日本でも都市部のディーゼル車の排出ガスが議論されると同時に、リサイクル関連の諸法規が成立しようとしています。まさに環境問題に対応できるか否かが21世紀の企業の存続を左右します。しかし、環境問題は視点を変えれば、社内を変革する良いきっかけともなります。環境問題は社内の組織を横断する課題が多く、グローバルな潮流を汲み取りつつ、それに対応することが必要だからです。
 21世紀においても自動車が多くのお客様に愛され、社会で受け入れられるため、環境を経営の最重要課題と位置付け、ハイブリッド車を始め、創造的技術で製品の環境性能を向上すると同時に、環境マネジメントのレベルを高めつつ、生産時の環境負荷低減、リサイクルへの対応等自動車のライフサイクル全般を通じて、更に積極的な環境取り組みを推進してまいります。

   

「環境報告書2001」について

 今回発行する「環境報告書2001」はトヨタとしての第4号の報告書であり、2000年度の活動を主な対象としています。
 連結環境マネジメントの展開、第2次環境取組プラン結果、環境教育の体系化、「プリウス」マイナーチェンジ、「エスティマハイブリッド」の開発、燃料電池車の開発、埋立廃棄物ゼロ活動の3年前倒し達成、自動車リサイクル研究所の設立等が主な成果です。
 本報告書によって、トヨタが環境問題に対して行ってきたコミットメントを着実に実行し、また自己変革していることをご理解いただければ幸いです。
 なお、今回の報告書で土壌・地下水の状況も報告し、また、過去の報告書のアンケート結果も記載する等、コミュニケーションの双方向化にも努めました。「情報開示に後退は許されない」との信念のもと、今後ともきめ細かな、かつ真摯な報告書を目指します。皆様の率直なご意見をお待ちしております。

2001年7月

トヨタ自動車株式会社
トヨタ環境委員会委員長/代表取締役社長

環境部門統括/代表取締役副社長



TOYOTA MOTOR CORP. ALL Rights Reserved