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スペシャルストーリー
2001年10月、役員見学会で奥田会長が研究成果を視察
 アグリバイオ・緑化事業はトヨタの中にあって異色の存在だ。機械工業製品の粋である自動車製造と、バイオテクノロジーを駆使したアグリバイオ事業は、一見すると無関係に見える。
 しかし、見方を変えると異質な二つは、見事に結びつく。トヨタが2002年4月に公表した中長期経営方針「2010年グローバルビジョン」の中でトヨタは、「再生社会、循環型社会の到来」を見据えている。このキーワードから見ると、トヨタがアグリバイオ事業に進出したことは必然的でさえあるといえる。そして、このキーワードこそがすべての出発点であり、目指すべき最終ゴールでもあるのだ。
トヨタとアグリバイオの出会い
 1996年夏、新規事業立ち上げを担当していたトヨタベンチャーファンド築島幸三郎事務局長(現バイオ・緑化事業部長)に、奥田碩社長(現会長)からひとつのミッションが与えられた。「水問題、食糧問題を解決する事業の検討をせよ」、というのがそれだった。
 なぜ「水と食糧」なのか。「会長は常日頃から国際的な識者と交流があり、地球規模の将来的な課題について問題意識をもっておられたからではないか」と築島は言う。奥田会長自身、とある識者との対談の中で「日本は諸外国をリードしていく技術を常に持つことが必要です。特にバイオや環境技術、ナノテクノロジーなど、絶えず新しい技術を創造していけば、日本はこれからも充分生きていける」と発言している。「水、食糧」という言葉の裏に、循環型社会の到来と、その中におけるトヨタの役割というビジョンが明確に描かれていたことは想像に難くない。
■バイオテクノロジーにおけるトヨタの取り組み分野
 
サツマイモが地球を救う!?
 さっそく事業化の可能性を探る調査が開始された。そこで出会ったのが、千葉大学園芸学部の古在豊樹教授が発表した「サツマイモは21世紀の地球を救う」という論文だった。要旨は、(1)サツマイモのでんぷんから生分解性プラスチックの生産が普及する、(2)サツマイモからアルコールを通じて生産される水素は、燃料電池、電気自動車のエネルギー源となる、(3)トウモロコシの代替として、サツマイモの家畜飼料化が進む、等々。「これは仕掛け次第で面白いビジネスになる」。さっそくサツマイモの飼料化を含むビジネスビジョンが策定され、奥田会長のもとに運ばれた。ビジョンを見た会長の返事はただ一言「ありがとう」。この一言から、トヨタのバイオ・緑化事業が実現に向けて動き出した。
 そして1998年1月、事業開発部に「バイオ・緑化事業室」が設置される。立ち上げ当初、人員はわずか7名という小さなスタートだった。
  ■世界の穀物バランス

出典:World agriculture:towards 2015/2030-Summary Report(FAO,2002)
 
後発としての独自性をさがして
 ゼロからの出発になるまったく新しい分野での新規事業がどうしてスタートできたのか。これには、新規事業に対するマインドが強い、というトヨタの風土が大きく関係している。奥田会長も「成功の囚人になってはいけない。大きな成功を収めた人ほど自分のやり方にこだわる。しかしそのうち周囲の状況が変わるとまったく通用しなくなってしまう」と発言している。
 しかし、後発メーカーならではの課題も多かった。まず、対象分野の絞り込みがある。他社の後追いにならず、なおかつ将来大きなマーケットになる可能性を秘めた分野の絞り込みがどうしても必要だった。国内外のマーケット、特許などを調査し、バイオテクノロジーを生かした分野のうち、特にアグリバイオに重点を置くことにした。
 
外部からの人材登用も積極的に
 人材の確保も急務だった。自動車のように基本的な技術を確立している分野とは違い、バイオ関係の研究は日進月歩で進んでいる。事業として早期に収益を上げるためにオリジナリティに富んだ技術の開発は必要不可欠だ。そのため新卒者はもとより、関連他社にも協力を頼み優秀な人材を集めた。
 バイオの分野には、将来何の役に立つか分からなくても、研究者が自己満足に浸れる分野がいくらでもある。しかし、限られた人員でそんな分野の研究をしている暇はなかった。その代わり、業績の上げられる分野の研究者を積極的に採用した。必要と思われる特許は他社からも取得した。例えば(株)島津製作所から生分解性プラスチック開発のための人員を招き入れ、特許を取得している。そして事業室発足後わずか1年半に満たない1999年5月に「トヨタバイオ・緑化研究所」が完成。7人だった人員は30名強になっていた。
 
トヨタバイオ・緑化研究所
 
アグリバイオを根幹に事業展開
インドネシアでのサツマイモ収穫
 事業展開はハイピッチだった。まず1998年8月、豪州植林会社、オーストラリアン・アフォレステーション(株)を設立。日本製紙、三井物産と共同でユーカリの植林を始める。1999年10月には、花卉生産会社、(株)トヨタフローリテックを青森に設立。バイオ技術・事業基盤の強化を図る。2001年4月、(株)トヨタ・バイオ・インドネシアを設立。サツマイモを使って、飼料加工の事業に取り組む。同年12月、屋上緑化に取り組むトヨタルーフガーデン(株)を設立。2002年6月には、中国四川省で泥炭を採掘する四川豊田泥炭開発有限公司を設立。保水性に富む泥炭を屋上緑化に活用することを目的にする。
 このようにバイオ・緑化事業室設立以降1998年から2002年の間、ほぼ毎年1社ずつの関連会社を設立し事業規模を拡大した。それも単に会社を設立しただけでなく、どの会社も近年中に黒字化が確実と、事業基盤も安定してきた。取得・出願中の特許は352件。技術的な基盤も整いつつある。そしてこの5年間でバイオ・緑化事業部の人員は70人に、関連会社も合わせると約300人が関わるまでになった。
 
サツマイモは強力な秘密兵器
サツマイモ苗の栽培
 このように多方面に展開を始めたバイオ・緑化事業だが、その中に将来一大事業に発展する可能性を秘めた分野がある。それが、生分解性プラスチックの開発である。サツマイモ事業で展開する飼料開発とともに推し進めている分野である。この生分解性プラスチックの開発こそ、築島に言わせれば「松井並みのホームランバッターになる可能性を秘めた秘密兵器」なのだ。そしてこの事業は食料問題解決と並び、循環型社会到来のための必須事業でもある。
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