●環境マネジメント ●開発・設計 ●調達・生産
●物流 ●リサイクル ●海外での取り組み
●高度道路交通システム
  (ITS)
●自動車以外の事業 ●コミュニケーション・
 社会貢献活動

全社環境マネジメントの展開

●'98年度から、以下の全社環境方針を策定し、取り組みを推進しました。
(1)環境取り組みプランの着実な推進と2000年以降の戦略立案と展開
(2)全社的な環境マネジメントの充実
(3)環境取り組みを踏まえた対外諸活動の推進です。
 とくに全社環境マネジメントでは、
1.トップマネジメントによる環境目標値の進捗フォロー強化
2.環境コストの集計と効果的な運用
3.環境報告書の作成・発行などで、全社的仕組みづくりを行いました。
 さらに、トップマネジメントで管理すべき事項を明確化し、燃費・工場のCO2排出量・廃棄物発生量・リサイクルなどの課題は、達成状況をフォローし、目標のほとんどを達成しました。
●'98年度の環境マネジメント監査では、開発・設計、生産部門とも、内部監査・外部審査においてそれぞれ軽微な指摘があったものの、重大な事項はありませんでした。
●環境関連事故では、本社の技術開発地区で、警備用ブザーの故障による騒音の苦情が1件発生し、再発防止策を講じました。また、「ハリアー」の一部に排出ガス発散防止装置の不具合があり、リコールのうえ、年度中に99.1%の部品を修理・交換しました。

環境コスト、ISO、LCAなど

●環境コストの総額は、970億円(売上高の約1%)で、前年度比75億円増となりました。このうち維持コストは89億円で、前年度比24億円減。環境投資は881億円となり、環境対応型製品の研究開発費などの増加により前年度比99億円増となりました。
 現在、環境コストの効果把握や効果額算定に取り組み、明確になり次第、順次開示する予定です。また、'98年度から重要な環境プロジェクト案件に機動的に対応する「環境プロジェクト予算管理制度」を導入しました。
●トヨタでは、ISO14001外部認証取得を積極的に推進し、'98年度に国内11工場・事業所、海外12事業体(15工場)が予定より早く取得しました。この結果、国内の全工場・事業所と海外の主要生産事業体の認証取得を完了しました。
●LCA(ライフサイクル・アセスメント)の取り組みでは、インベントリー分析手法の構築を完了しました。
●「地球環境月間」行事として、環境冊子「トヨタ環境ポケットブック」「環境カレンダー」を全従業員に配布し、これを資料とする職場ミーティングを開催するなど、啓発活動に力を注ぎました。

次世代へ向けた製品開発 全体のレベルアップ

●製品環境マネジメントシステムを新型車・フルモデルチェンジ車に全面展開し、各目標をほぼ達成しました。
1.燃費の向上:ガソリンエンジン車では、新型の軽量・低燃費エンジンを「ヴィッツ」「ビスタ」に採用しました。また、VVT−iや直噴ガソリンエンジンD−4も積極的に採用拡大しました。さらに、新型のオートマチックトランスミッションや4WD機構の開発により、低燃費を推進しました。

   「ヴィッツ」搭載の新型エンジン1SZ-FE

2.排出ガスの低減:新型ガソリンエンジンやNOx吸蔵還元型触媒の改良で「ヴィッツ」など6車種が、次期2000年排出ガス規制をクリアしました。ディーゼルエンジン車でも、電子制御式燃料噴射システムやディーゼル用酸化触媒の採用などで、13車種24型式が最新の排出ガス規制(平成9・10年)をクリアしました。また「7都県市低公害車指定制度」に、計24型式が認定されています。
3.車外騒音の低減:エンジンアンダーカバーやフードサイレンサーの性能向上などで、'98年度は18車種が新規制値をクリアしました。
4.エアコンの省冷媒化:新製品の全6車種で、冷媒量を平均で約20%削減しました。
5.環境負荷物質の低減:「新型車の鉛使用量を2000年までに'96年比の1/2以下に低減」という自主目標を新型車・フルモデルチェンジ車全6車種で達成しました。また、開発・設計段階での化学物質の管理対象を21から約320物質へ拡大しました。
6.リサイクル性の向上:新型車・フルモデルチェンジ車で、TSOPや使用済み自動車の再生材料などを積極的に採用しました。

クリーンエネルギー車の開発と普及

●ハイブリッド車「プリウス」は、'98年度末までに2万2,000台が販売され、クリーンエネルギー車がトヨタの年間販売数に占める割合が初めて1%を超えました。また、EVコミューター「e-com」による地域交通システムを開発し、'98年度中に準備を終え、'99年5月から豊田市内で実験を開始しました。さらに、クリーンエネルギー車の社内導入率15%を目標に積極的な導入を図り、'99年5月までに達成しました。
●燃料電池電気自動車(FCEV)については、研究開発を着実に進展させるとともに、早期実用化に向けて、'99年6月にFC技術企画部を新設し、組織体制を大幅に強化しました。
●このほか、電気自動車用充電システムの標準化や車における環境先進技術の共同開発で米国ゼネラルモーターズ社と、また、エクソン・コーポレーション社と次世代燃料に関して技術提携を発表するなど、他社・他産業との連携を深めています。

よりグローバルに環境保全活動を展開

調達

●仕入先と連携して、総合的な環境保全活動を図るため、'99年3月「環境に関する調達ガイドライン」を全関係仕入先約450社に提示し、 1. 2003年までにISO14001外部認証取得に向けた自主的な取り組み 2. 環境負荷物質の管理とトヨタへのデータ提示の理解と協力を求めました。
●部品メーカー79社とともに組織する「仕入先環境連絡会」では、エネルギー使用量の低減と生産性向上に取り組み、参加企業全体のエネルギー使用量を前年度比4%低減しました。

「環境に関する調達ガイドライン」

生産

エネルギー生産性向上を軸とした地球温暖化防止活動

●「2000年度末までにCO2総排出量と原単位を'90年レベルに安定化」という目標に向け、ラインの集約・統廃合、少エネ・省エネを図った新ライン導入など、生産工程でのCO2排出量2万7,000tの低減対策を実施しました。
●自動車生産工程における
  エネルギー使用量推移(33ページ)

 

●'98年5月、関連企業25社による「オールトヨタ地球温暖化防止会議」を発足し、COP3のCO2排出量低減目標に対して、オールトヨタによる取り組み体制を整備しました。

廃棄物ゼロへの挑戦

●「5R活動」や発生源対策を強化し、'90年比で、廃棄物67%、台あたり廃材21%を低減しました。また、将来的な廃棄物ゼロをめざして新たに「埋立廃棄物ゼロ」の目標を掲げ、堤工場をモデルに廃棄物の再資源化・再利用化の調査と改善を進め、98%減の技術的目処づけを達成しました。

「事例展示会」でドラム缶の廃材からつくった
「ロータリーセパレーター 」を説明する従業員

未然防止の徹底

●トヨタでは「環境保全事前検討制度」により原材料・副資材の環境影響を事前評価し、'98年度は357件を検討しました。PRTRについては、法規制に先立ち、次回の環境報告書から工場・事業所別にデータを開示します。
●'98年度は鋳造工程のホルムアルデヒドの発生源対策として、低ホルムアルデヒドレジンを開発し、総排出量を'96年度比の15%減、13.1tまで低減しました。また、VOC低減では、塗装効率の向上を図りましたが、新ライン立ち上げによる一時的な増加が影響し、排出量は前年度を若干下まわる64g/m2となりました。

省エネルギーと省資源をさらに促進

●部品積載率の向上や輸送の集約、モーダルシフトや他社との混載による完成車輸送の効率化などで、CO2排出量は7万2,600t(前年度比9.8%減)となりました。また、資材のリターナブル化、廃パレットの舗装材へのリサイクル推進などで、梱包・包装資材4,600t/年を低減しました。

●梱包・包装資材の低減推移(47ページ)
 (対象:木材、紙類、樹脂)

'96年度
'97年度
'98年度
低減
目標
1,900t
1,900t
1,900t
実績
4,300t
低減
4,200t
低減
4,600t
低減

資源再利用化の可能性を徹底的に追求

●リサイクルしやすいクルマの開発推進のため「リサイクル性事前評価システム」を'98年3月から本格運用し、「プログレ」など4車種に全面適用しました。また、TSOPを'98年度発売の全車種のバンパーに採用し、一部で適用部位を拡大しました。さらに、再生防音材RSPPを「アルテッツァ」「ヴィッツ」に採用しました。
●「新型車の鉛使用量を'96年比の1/2以下に低減」する自主目標を掲げ、新型車の全6車種で目標を達成しました。

各段階でリサイクルを促進

●生産段階では、ウレタン樹脂バンパーをバッテリートレーなどに37tリサイクルしました。また、廃ゴムを新材にリサイクルする新技術を'98年度から本格活用し、200tを再生しました。
●流通段階では、電池メーカーと共同で、「プリウス」のニッケル水素バッテリーのリサイクルシステムを構築しました。また、2000年から「プリウス」の販売を予定している北米では、販売に先がけて、リサイクルシステムの構築を進めました。このほか、エアコン冷媒CFC12の回収・破壊システムを'98年10月までに全国展開し、廃バンパーは38万4,000本を回収・リサイクルしました。
●廃棄段階では、'98年8月、シュレッダーダストの残留物であるASRを量産処理して再資源化するリサイクルプラントを稼働させました。回収した発泡ウレタン・繊維類は自動車用防音材としてこれまで7車種に採用してきました。銅62tはエンジン部品に、ガラス24tはタイル原料に再利用し、樹脂類は代替燃料として活用しています。このプラント稼働により、通産省が提唱する「2015年にシュレッダーダストの埋立容積を'96年レベルの1/5に低減」という目標を達成しています。

●RSPP使用量推移(57ページ)
 

各地域に密着した支援活動を展開

●'98年度は、欧州・北米地域での対応を盛り込んだ海外向け「トヨタ環境取り組みプラン」を策定し、アジア・オセアニアおよびその他の地域では各国の事情に合わせた支援活動を展開しました。
●製品分野では、各国の新規制の制定などにも協力し、次期規制対応車を先行投入しました。具体的には、'99年1月から「レクサスIS200(日本名:アルテッツァ)」をアジアへ、春からは「ヤリス(日本名:ヴィッツ)」を欧州へ投入しました。
●生産分野では、海外生産事業体での環境マネジメントシステムの構築を進め、北米で5社、アジアで5社、南米で2社の計12事業体(15工場)がISO14001外部認証を取得しました。
●リサイクル分野では、使用済み自動車のリサイクル率向上と適性処理の推進のため、ドイツ、スウェーデンの回収体制整備に加え、その他の国においては英国使用済み自動車リサイクル協議会への参画など、関連業界やフォルクスワーゲン社と連携し、使用済み自動車の回収ネットワーク構築を推進しています。また、世界のトヨタディーラーを対象にエアコンの「冷媒回収再生機の配備促進キャンペーン」なども展開しました。

交通流改善やCO2低減を推進

●カーナビと多様な通信システムを利用した車両運行管理システムTIME・t(タクシー用)を5月に、TIME・d(デリバリー用)を6月に商品化しました。10月にはETC(ノンストップ自動料金収受システム)の公道実験を香港で実施しました。また、'99年3月には、IMTS(高度中距離・中量輸送システム)の実験線を東富士研究所に完成させました。

 東富士研究所のIMTS実験線

それぞれの分野で環境取り組みを展開

●トヨタは、L&F商品、住宅、マリン、アグリバイオ・環境緑化、情報通信などでも事業活動を行い、全売上げの約6%を占めています。トヨタの関わり方も、生産のみ、販売のみ、他社への資本参加などさまざまですが、その中でも環境に関わりの深い取り組みをご紹介しています。

環境取り組みへの理解や交流を深めるために

●「トヨタ会館」「アムラックス東京」「MEGA WEB(メガウェブ)」など、トヨタの展示施設の環境コーナーを充実するとともに、昨年に続き「トヨタ環境フォーラム」を開催しました。また、環境関連の先端技術開発を継続的に助成し、「トヨタの森」でNPOと連携した里山管理リーダー養成・体験型イベントを開催しました。
●「プリウス」の開発やISO14000シリーズへの積極的な取り組みなど、'98年度までの活動が評価され、日本企業として初めて国連環境計画(UNEP)の「グローバル500賞」(1999年)を受賞しました。

「グローバル500賞」授与式における
クラウス・テプファーUNEP事務局長と
豊田 章一郎 会長(現:名誉会長)

※自動車用語・欧文略語の解説については
各章および巻末をご参照ください。



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