森からのお手紙
2005年3月10日更新

2005年 3月10日号 氷河期の生き残り ~ シデコブシ ~
シデコブシ

「トヨタの森」の整備を開始したとき、谷あいにある湧水湿地(ゆうすいしっち)※に約200個体におよぶ「シデコブシ」の群落が発見されました。
伊勢湾(いせわん)をとりかこむ愛知県/三重県/岐阜県の3県の湧水湿地にしか自生しない、たいへん貴重な植物なので、「トヨタの森」では“周伊勢湾種(しゅういせわんしゅ)”とよんでいます。
シデコブシ以外にも、周伊勢湾種の動植物が確認されています。
シデコブシは氷河期の生き残りと言われています。
つまり、約1万3千年以上もむかしから現代まで、シデコブシという種はほとんど変わらずに生きのびているのです。
その他にも、同じく氷河期の生き残りと言われる「ショウジョウバカマ」や「カタクリ」なども、「トヨタの森」で花を咲かせます。

※ 湧水湿地とは、湧き水(わきみず)の湿地のことです。


シデコブシの生命力

シデコブシは湿地に分布しますが、日当たりのいい場所を好みます。そこで、乾燥(かんそう)させすぎないように気をつけながら、森を明るくするように管理してきました。
しかし、湿地の地盤(じばん)がゆるいので、もたれる木がなくなったシデコブシが、盛んに葉をつけた自分の重みでたおれてしまうことがありました。
大事なシデコブシがたおれてしまって残念でしたが、数ヶ月経って見てみると、倒れた木から空に向かって新しい枝がのびています! 枯(か)れずに、新しい木として育っていくのでしょう。
絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)というと大変弱々しく思いますが、生息環境さえ整えば、シデコブシの生命力は本当はとても強いのだと感じました。

シデコブシについては、マンスリーレポート2004年3月号でも紹介しています。

たおれたシデコブシから、新しい枝がのびている様子
たおれたシデコブシから、新しい枝がのびている様子
種からそだったシデコブシ
種からそだったシデコブシ


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シデコブシの開花

たおれたシデコブシに固いつぼみがついていたので、枝を切ってびんに入れて室内に置いておきました。
シデコブシが咲くのは3月末ですが、あたたかい室内にいれたため、2月中旬に花が咲き始めました。
少し早めに、春を楽しむことができました。

室内で咲き始めたシデコブシ
室内で咲き始めたシデコブシ

室内で咲き始めたシデコブシ
室内で咲き始めたシデコブシ
室内で咲き始めたシデコブシ(写真4点)


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写真撮影協力:(里山学習館)原田敬子、大原満枝、小野竜彦、原田秋男


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