森からのお手紙
2005年12月19日更新

2005年 12月号 旅する種
旅する種

“ドングリころころどんぶりこ~♪”
と歌われるように、ドングリはころころと転がって旅をします。

ドングリだけではありません。
風に乗って空を飛んだり、動物にくっついたり、あるいは動物のおなかの中に入ったり、川の水に流されたり、種は色々な方法で旅をします。
新しい場所で、芽を出すことを夢見て。


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空を飛ぶ種

ふわふわふわ・・・白い綿毛(わたげ)が、風に乗って、空を飛びます。
これは、ガマの種。茶色い棒のようだった穂がほぐれて、ふわふわの綿毛が出てきたのです。
タンポポの綿毛もふわふわふわ。
ススキの綿毛もふわふわふわ。

くるくるくる・・・プロペラが回って、空を飛ぶ種もいます。
たとえば、もみじの種。竹とんぼのように、くるくるきれいに回ります。

パッチン・・・はじけ飛ぶ種もあります。
ゲンノショウコやスミレの種。どこまで飛んでいけたでしょうか。
ガマの穂
ガマの穂
  ゲンノショウコ
はじけた後の
ゲンノショウコ(中央)


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ひっつきむし

草むらを歩いた後のズボンに、種がたくさんくっついてきます。
イヌの体にも、種がくっついてきます。
これはアレチヌスビトハギです。

その他にも、チクチクの曲がったとげの先でくっつくオナモミや、まるで釣り針の先のようなアメリカセンダングサ、ベタベタの油でくっつくチヂミザサなどがあります。
それぞれの種がいろいろな形や方法で、動物や人間にくっついているのは、ほんとうにおもしろいですね!

ズボンについたアレチヌスビトハギシ
ズボンについた
アレチヌスビトハギ
イヌのしっぽについたアレチヌスビトハギ
イヌのしっぽについた
アレチヌスビトハギ

チヂミザサ
チヂミザサ
アメリカセンダングサ
アメリカセンダングサ


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食べられて

食べられることによって、鳥や動物のおなかの中に入って旅する種もあります。
例えば、カキ。実を食べられても、種は体の中では消化されずに、フンとして出されます。
よく見ると鳥のフンの中にも、小さな種がたくさん入っています。

鳥に食べられた種は、よく芽が出るといいます。
果肉には発芽をおさえる物質が含まれているため、鳥に食べられることで、発芽できるようになる仕組みなのです。
不思議ですね。種のどこにこんな考える力があるのでしょうか?

動物のフンの中にあったカキの種
動物のフンの中にあったカキの種


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国内へ、海外へ

人間の活動範囲の広がりとともに、海外の種が人間の靴底などにくっついて運ばれてきたり、飼料や牧草用として輸入された種がこぼれたり、ということが増えています。
このような移入種は、生態系をかく乱させてしまうため、やっかい者扱いされ問題となっています。
旅をした種には罪はないのに・・・。

しかし、そのくらい、種は旅するパワーを持っているのですね。
小さい粒の中には、不思議がいっぱいつまっているようです。



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写真撮影協力:(里山学習館)原田敬子、大原満枝、小野竜彦、原田秋男


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