森からのお手紙
2006年7月20日更新

2006年 7月号 土用の虫干し
土用の虫干し

「土用の丑の日はうなぎを食べる日」は誰でも知っているようですが、「土用の虫干し」は聞いたことがないとおっしゃる若い方も・・・
梅雨時の湿気や熱がこもる今の時期、夏の土用(7月20日すぎ)になると、衣類、本、漆器、掛け軸など普段使わないものに風を通すために表に出してきます。虫食いやカビを防ぐ為に昔から行われている習わしです。生活様式の変化とともにこんな面倒なことをする人は少なくなりました。
いまどきは、ナフタリンやショウノウ、「たんすに○○!」などの虫除け剤を使うことがほとんどですが、トヨタの森の中にこのショウノウの木があります。名前は「クスノキ」、みなさんにはおなじみの「となりのトトロ」に登場した木です。
クスノキを下から見上げる
    クスノキを下から見上げる


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クスノキの不思議

このクスノキ、日本一大きくなる木とも言われ、あちこちにクスの大木が残っています。「楠」と書きますが、「樟」とも書き「樟脳」が取れる木でもあります。葉っぱをちぎって匂いを嗅ぐと独特な香りです。
この香りの元、精油に樟脳(カンファーまたはカンフル)が入っているために防虫、殺ダニ効果があります。清涼作用を利用してトヨタの森では、トトロのお家はこんな匂いかな?・・とか、バス酔いした子どもや、頭が痛いときなどに「森のおまじない」としてクスの葉を使っています。
このように防虫、殺ダニ効果のあるクスノキですが、その葉っぱに虫がすんでいることを知って いますか?葉の裏側の葉脈の分岐点に小さいふくらみ「ダニ部屋」があり、その中にダニが数匹で暮しています。普通の虫眼鏡でダニ部屋は観察できますが、ダニそのものは10倍以上でないと無理のようです。なぜダニがすんでいるのか?寄生か、それとも共生かはいろいろな説がありよく分かってはいませんが、クスノキがもしなくなれば、このダニも地球で生きていけなくなるでしょう。
虫除け成分にも負けずたくましく生きているダニに驚かされます。

クスの葉
葉のおもて 葉の裏


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シミの不思議

古い書類や本など整理しているときに素早く動く虫がいてびっくりします。これは昆虫のなかまの「シミ」です。漢字で「紙魚」や「衣魚」とあてています。はねは退化したのではなく元々ないそうです。指で触ると銀色の体に変わるものもいます。本に穴を開けている虫は他にいて、シミは糊などをかじっているだけともいわれています。森の中の石の上や落ち葉の下などでも見かけることがありますが、自然界ではいったいなにを食べて生きているのだろうか?・・・ 4億年近くも姿を変えず生きつづけているそうで、一度じっくり観察したい生き物です。

岩の上でひなたぼっこをするシミ
  岩の上でひなたぼっこをするシミ  


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編集・写真撮影:トヨタの森スタッフ


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