森からのお手紙
2006年9月21日更新

2006年 9月号 秋のお彼岸
人里近くに咲く花・ヒガンバナ

秋を代表するヒガンバナは、名前のとおり秋の彼岸のころ、人里近くの土手や田んぼの脇に赤い花を一面に咲かせます。球根には毒が含まれており、あぜに穴を掘るモグラやネズミを退治するために植えられていたそうですが、戦後の食糧難の頃は、その毒を抜いて食したと歴史の教科書などに書かれています。

呼び名は100以上
実は、ヒガンバナは中国からの渡来種。地域によって色々な名前が付けられており、100を超すとも言われています。代表的なものでは、マンジュシャゲ、シビトバナ、カジバナ、カブレバナ、ハコボレバナ、ホトケバナなどと呼ばれています。こんなに多くの名前をもつということは、とても身近で多くの人々に親しまれていた花であると言えましょう。
ヒガンバナ
     
体内時計
ヒガンバナという和名の由来となったように、秋の彼岸のころに驚くほど正確に咲き始めます。これは花の咲く時期や芽を出す季節を記憶した体内時計が植物内にあるため、といわれていますが、地球温暖化などの気候変動がその体内時計を狂わせないかと心配されています。秋の彼岸のこの時期に秋の訪れを告げる、真っ赤なヒガンバナが萌える美しい風景をいつまでも残し、伝えていきたいものです。
  ヒガンバナ
     


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秋のおはぎ、春のぼたもち

もう一つのお彼岸の風物詩「おはぎ」。「ぼたもち」とは、どう違うのでしょうか? あんこ?大きさ? じつは同じもの、食べる季節によって呼び名が違っているものです。漢字で書くと「お萩」と「牡丹餅」となります。秋の萩の花と春の牡丹の花に見立てた名前です。

秋のおはぎ、春のぼたもち 秋のおはぎ、春のぼたもち
     


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秋の花いろいろ

【 クズ・葛 】
秋風が吹く頃、ほのかな香りにやすらぎを感じる紫のふさ花。葛根湯など昔から漢方 薬の原料として使われてきた。
クズ・葛
     
【 ワレモコウ・吾亦紅 】
一見花には見えませんが、「吾(われも)紅(あかい)ぞー」と自己主張しているような名前が付いている。
  ワレモコウ・吾亦紅
     
【 コバノカモメズル・小葉鴎蔓 】
花の色は大変地味だが5枚の花びらがお星さまのようにかわいらしく、葉がまるでかもめが飛んでいる姿に見えるところからこ の名が付いた。
  コバノカモメズル・小葉鴎蔓
     
【 マルバハギ・丸葉萩 】
ハギは「萩」、くさかんむりに秋と書き、花が「散る」と言わず「こぼれる」と表現する、まさしく秋を代表する花と言える。
  マルバハギ・丸葉萩
     
【 ヌスビトハギ・盗人萩 】
江戸時代、盗人のたびの足跡と実(み)の形が似ていることから、とよく書かれているが、現代版でいうとどろぼうのサングラスに似ているような気がしませんか。
  ヌスビトハギ・盗人萩
     
【 アレチノヌスビトハギ・荒地盗人萩 】
北アメリカ原産の帰化植物。花は大変可愛いが、この種が服に大量にくっつくと取るのに大苦労する。種の運び屋として私達を 利用する、子孫を残す為の植物の知恵には脱帽。
  アレチノヌスビトハギ・荒地盗人萩
     
【 ノアズキ・野小豆 】
マメ科の植物。花は面白い形をしているが、大変な優れもので、虫がこの花を訪れると背中に花粉がうまく付くしくみになっている。
  ノアズキ・野小豆
     


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編集・写真撮影:トヨタの森スタッフ


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