森からのお手紙
2008年2月21日更新

2008年 2月号 「フクロウの不思議」
フクロウのためのエリアづくり

   皆さんは、フクロウという名前の鳥を知っていますか? 名前は知っていても実際に見たことのある人は少ないのでは・・・。フクロウは一年中、里山に暮らす大型の鳥です。昔から人々にとても親しまれていますが、夜行性なので昼間は森の目立たないところにいることが多く、なかなか出会うことの少ない鳥です。
 トヨタの森にある「フクロウの谷」は、フクロウのために森の整備をしているエリアです。 フクロウの餌の捕り方は待ち伏せ型。小動物が出てくるのを待つための止まり木を残したり、餌となるカエルがやってくる池を掘ったり、ネズミを捕りやすいように草を刈っています。また、翼を広げると1メートルにもなるフクロウが、自由に飛びまわれる空間もつくっています。このようなエリアをつくることにより、トヨタの森周辺では毎年、2~3番(つがい)の繁殖を確認し、巣箱からは可愛いヒナが巣立っています。
 
フクロウの谷   フクロウの谷   フクロウのヒナ
    トヨタの森のフクロウは、1月の寒い季節に繁殖の準備を始めます。この時期、夜の森では、「ホッーホー ゴロスケホッーホー」というフクロウの声を聞くことができます。
 今回はトヨタの森に棲むフクロウの不思議を紹介します。

 


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フクロウの不思議

1.よく見える目
1.よく見える目
鳥の目は普通、頭部の側面についていますが、フクロウは人間と同じように頭部の前面についています。遠近感が分かり、獲物を捕らえるのにとても優れています。視野が狭くなる欠点もあるのですが、フクロウの首は真後ろにも回ることができ、それを補っています。また、瞬膜という、まぶたとは別の半透明な膜があり、眼球のクリーニングや保護の役割をしています。 フクロウの目


2.小さな音でも聞き分ける耳
2.小さな音でも聞き分ける耳
フクロウの耳は、目の横に大きくくびれてついていますが、耳の穴の位置は左右で高さが違っています。では、なぜ高さが違うのでしょうか? それは獲物が動く音や鳴き声が、わずかなズレをもって左右の耳に届くので、音のする方角や距離を正確に計る事ができるからなのです。また、フクロウの目はわずかな光で物を見ることができ、真の闇では、この耳の能力と合わせて的確に獲物を捕らえているのです。 フクロウの耳


3.羽音のしない翼
3.羽音のしない翼
早く力強く飛ぶタカ類の翼は、とても堅くできているのに対して、フクロウの翼はとても柔らかく、一番外側の羽根にはギザギザがあり、消音効果の役目をしています。そのため、フクロウは音もなく飛ぶことができ、獲物に気づかれずに近づくことができます。新幹線の車両のパンタグラフにもこのギザギザを採用して消音を実現しています。
フクロウの翼


4.獲物を捕まえる足
4.獲物を捕まえる足
フクロウの足は鋭い爪を持ち、ネズミなどの小動物を一撃で捕らえますが、攻撃に失敗して、噛まれても怪我をしないように、爪の近くまで羽毛が生えています。また、普通の鳥の指は前に3本後ろに1本に分かれていますが、フクロウの指は親指が後ろで、人差し指と中指は前、小指は後ろで、前に2本後ろに2本になっています。獲物をより捕らえやすいように小指は前にも後ろにも動かすことができるのです。 フクロウの爪


5.ドングリと卵
5.ドングリと卵
ドングリ類が豊作の翌年は、フクロウの卵の数が増えると言われているのはなぜかな?
昨年の秋、トヨタの森はアベマキやコナラ・シイ・カシなどのドングリ類が豊作でした。ネズミなどの小動物は、ドングリが大好物なので大喜びです。落ち葉の下に隠れているドングリを見つけては、巣穴に運び込み厳しい冬の食料にしています。ネズミたちの餌が豊富にあれば、ネズミはねずみ算式に増えてフクロウの餌となります。ネズミを沢山食べると、卵の数が増えるのは納得できますが、ヒナの孵る頃までネズミが増え続けることを予知しているのでしょうか? 卵の数が増えてもヒナに与える餌がなければ、ヒナは死んでしまいます。フクロウには予知能力があるのでしょうか? 不思議です。
ドングリとフクロウの卵


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ワンダーパワー(五感)をつかって

 フクロウが棲むトヨタの森とフクロウの不思議なパワーを紹介しましたが、まだまだ解けない不思議なパワーを持っていそうです。
 いつも子供たちと一緒に「フクロウの耳になって」と森の中で体験プログラムしています。私たち人間もフクロウに負けないよう、ワンダーパワー(五感)を持ってトヨタの森を歩いてみたいものです。
フクロウの耳の真似をする子供たち
豊田市立浄水小学校より提供


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編集・写真撮影:トヨタの森スタッフ


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