マンスリーレポート

2003年 9月4日更新

2003年 9月号 昆虫忍者、ヒメタイコウチ
かくれ身の術

あまり日当たりの良くない、奥の湿地では、シラタマホシクサは全く見られなくなり、枯れ葉(かれは)が積もっています。この枯れ葉を、よく見てみると、なにやらモゾモゾうごめくものが!
これはヒメタイコウチです。まるでまわりの枯れ葉とそっくり。忍者の‘かくれ身の術’のようですね。

枯れ葉にそっくりなヒメタイコウチ(写真は幼虫)
枯れ葉にそっくりなヒメタイコウチ(写真は幼虫)


泳ぐのも飛ぶのも苦手

ヒメタイコウチの仲間のタイコウチやミズカマキリは、おしりに長い呼吸管(こきゅうかん)を持っています。まるで、水の中で竹筒(たけづつ)を使って呼吸をする忍者のように、細長い管を水面から出して息をすることができます。また、はねを使って飛ぶこともできます。
一方、ヒメタイコウチは、おしりの呼吸管が短いので、水にもぐって息をするのは苦手です。だから、主に陸上(りくじょう)に生息していて、水の中で泳ぐことはめったにありません。また、はねを使って飛ぶこともできません。ヒメタイコウチは、湿った枯れ葉(かれは)の中をモゾモゾ歩き回って、食べ物を探します。

ヒメタイコウチ
ヒメタイコウチ


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ヒメタイコウチの生息地

ヒメタイコウチは、国内では愛知県、三重県、岐阜県などの限られた湿地にしか生息していないめずらしい昆虫です。
タイコウチやミズカマキリのように、泳いだり、飛んだりすることができないため、広い範囲(はんい)を移動(いどう)することはできません。もし、湿地の水が枯れてしまったり、開発されてなくなってしまったりしたら、住む場所を移すことができずに、全滅(ぜんめつ)してしまいます。
また、ヒメタイコウチは、湿地の中でも枯れ葉の積もった暗いところが好きです。だから、暗い湿地を残しておくことも必要なのですね。
ヒメタイコウチ
ヒメタイコウチ


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