マンスリーレポート

2003年 12月4日更新

2003年 12月号 カンアオイとギフチョウ
地味で目立たないカンアオイの花

ハート型の葉っぱの根元に、固まってくっついているのがカンアオイの花です。
気をつけて見ないと、見逃してしまいそうなくらい、地味で目立たない色をしています。
ナメクジやカタツムリが受粉(じゅふん)の手助けをすると多くの図鑑(ずかん)には書いてあります。
しかし、「トヨタの森」ではそのような様子は観察(かんさつ)されていません。
種(たね)はアリがついばんで、巣(す)に持ち帰ったりすることで生息地(せいそくち)を広げていると言われていますが、アリはあまり遠くまで行かないので、広がるスピードがとても遅いようです。

カンアオイの花
カンアオイの花


カンアオイを食べるギフチョウの幼虫

ギフチョウというチョウを知っていますか?
とてもきれいで「春の女神」と呼ばれるほど美しいチョウで、本州中部以南に広く生息しています。
ギフチョウはカンアオイの葉の裏(うら)に卵を産み、幼虫はその葉を食べます。
しかし、エサとなるカンアオイが減ってきたため、ギフチョウも少なくなってきてしまっています。

カタクリの花の蜜を吸うギフチョウ
カタクリの花の蜜を吸うギフチョウ

春、カタクリの花の蜜を吸うギフチョウ  撮影地:岐阜県谷汲村


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里山の整備

適度に人手の入った里山という環境を、カンアオイもギフチョウも好みます。
「トヨタの森」では薪や炭として使うアベマキの林の下にカンアオイが生えています。
そこにギフチョウが来てくれることを願って、カンアオイがたくさん育つよう、保全林の整備をしています。
その結果、カンアオイは200株以上に増えてきました。
まだ、ギフチョウは見られていませんが、人間と自然とが共生する豊かな里山を、ゆっくりと大切に育てていきたいと考えています。

アベマキについては、マンスリーレポート2003年8月号で特集しています。


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写真撮影協力:(写真家)岩木呂卓巳、岩木呂陽子、(里山学習館)原田敬子、大原満枝

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