ボデー組付

FBL(Flexible Body Line)

従来のボデー組付け方式では、2〜3種類の混合生産が限界であったものを、原理的には何種類でも可能、実用的には4種類の混合生産を可能とした。1985年(昭和60年)初号機導入から1995年(平成7年)まで展開。

CAROTTⅠ(ロボットオフラインティーチシステムの高機能化)

1980年代、コンピューターシミュレーション技術を活用し、ロボットの動作検討と教示データの作成を行うCAEシステム(CAROTTシステム)を開発・導入を行うことにより、現地教示工数を大幅に低減した。1990年代半ばには、CAROTT2システムを開発し、大規模・詳細なデータが扱えるようになり、デジタルファクトリーを構築。ラインの総合シミュレーションも可能となり、生産準備業務は画期的に効率化された。

YAGレーザー穴あけロボット

ボデーラインにおけるレーザー加工技術の適用は、1989年(平成元年)のフロントピラーのアンテナ取付け穴の切断に始まり、アルミ製フード、トルーフ、ルームパーティション、ドアオープニングの溶接、ラゲージドアのろう付けと、車両性能向上や設備汎用化を目的に展開してきた。最近は、抵抗溶接の約7倍の加工速度を実現するリモートレーザー溶接適用による工程短縮や、レーザー焼入れによる部品の軽量・高強度化技術の開発にも取り組んでいる。

可搬式計測器ベクトロン(精度測定)

1990年代初めまで、ボデー精度の測定には専用のC/Fを使用し、手測定することが主流であった。1990年(平成2年)に自動計測機(CMM)、1990年代後半に移動式3次元計測機が導入されると、小ピッチ測定や小サブアッシー測定などボデー精度の良否を迅速に判断できるようになった。
2000年代初めには、号口車両の重要部位を全数測定するインライン計測機も開発・導入され、現場における品質の傾向管理も可能となっている。

新生産システムの構築(GBL 1号機)

複雑な外側基準設備の画期的な簡素化、NC・ロボットなどの汎用機器・市販品の徹底活用によるラインの汎用化の向上、数値制御を利用したサーボモーター式溶接ガンの導入による基準駒数の画期的な削減により、シンプルでコンパクトなライン(グローバルボデーライン・GBL)を構築した。さらにレーザーを利用した片側溶接を量産技術化し、より市場ニーズに合致したデザインを可能とした。

生産準備のデジタル化 CAE解析技術

生産準備リードタイム短縮/SEプロセス改革の一環として、ボデー生技部では1998年(平成10年)よりCAE解析技術の開発を開始し、建付け品質におけるCAE解析予測技術をも確立した。
静的車両品質・性能の確認および問題対策が図面段階で可能となった。結果、現物での品質確保に費やしていた工数を半減し、生産準備リードタイムを短縮した。

生産準備のデジタル化 デジタルファクトリーによる工程検討

1998年(平成10年)より、SE検討から全業務プロセスに対してIT技術の活用を始めた。従来の実機による検証(2D図面での製品検討・工程計画には限界)から、3Dデータによる製品と治具の干渉検討や、ロボットの適用、サイクルタイム検証が可能となった。これにより図面段階において工程完成度も画期的に向上し、リードタイム短縮をすることができた。