電子

オプティトロンメーター

1989年、グレースモークのフィルターを前面に設けて構成したブラックフェイスパネルに指針と目盛が鮮明に浮かび上がるアナログメーター「オプティトロンメーター」を開発、「セルシオ」に搭載した。より判読しやすいメーターとすることを狙いとし、またハイテク感あふれる意匠性も同時に実現。浮かび上がる指針と目盛用透過照明には冷陰極管を採用し、高い視認性を確保するための高輝度化を図った。

オプティトロンメーター(初代「セルシオ」)

オプティトロンメーター(初代「セルシオ」)

スーパーライブサウンドシステム

1990年、世界で初めて車両と一体開発された「DSP音場創出型カーオーディオ」を完成、「セラ」に搭載した。

CDなどの音楽ソースの広帯域化に対応して、重低音から高域までフラットに原音を忠実に再生するスーパーライブサウンドシステムを開発した。

このシステムは、マルチスピーカー・マルチアンプシステムを基本に、車両の設計段階から車室内の音響特性を徹底的に解析し、スピーカーの形状・大きさ・配置はもとより、ボデーシェルとの一体的な構造などを十分吟味したものである。

また、さらに臨場感を高めるためにDSP(Digital Signal Processor)を採用したシステムも取り入れ、車室内にいながら、あたかもコンサートホールにいるような広がり感のある音響空間づくりも行っている。

  • スーパーライブサウンドシステム

    スーパーライブサウンドシステム

  • スーパーライブサウンドシステム

    スーパーライブサウンドシステム

GPSボイスナビゲーションシステム

1981年に、地磁気センサーにより検出した方位角と車速センサーから算出した走行距離を用い、目的地方位や目的地到達度などを表示する「ナビコン」を世界で初めて実用化し、カーナビゲーションシステムの先駆け的存在になった。1987年には世界初のCD-ROMにデジタル地図データを収録したCD-ROMナビゲーションシステムを開発。1991年には、小型のジャイロセンサーやGPS受信機、マップマッチング技術などを開発し、自車位置の推定精度を飛躍的に向上させたGPSナビゲーションシステムを製品化した。翌年の1992年には、音声で経路案内をするGPSボイスナビゲーションシステムを世界で初めて開発。CD-ROMには地図データに加えて主要交差点名の音声データを収録。主要交差点では、交差点名で音声案内をした。

  • GPSボイスナビゲーションシステム

    GPSボイスナビゲーションシステム

  • GPSボイスナビゲーションシステム

    GPSボイスナビゲーションシステム

VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)

1996年、VICSに対応したナビゲーションシステムを開発し、「クラウン」に搭載した。

VICSはFM多重放送、電波ビーコン、光ビーコンの3種類のメディアにより、渋滞や事故・工事・所要時間・駐車場混雑状況などの、リアルタイムな道路交通情報が取得可能となるシステムである。

VICS(Vehicle Information andCommunication System:道路交通情報通信システム)

VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)

レーザーレーダーセンサー

1997年、レーダーセンサーを使い、前方に走行車両がある場合には自動的に車間時間を一定とするように車速を調整するクルーズコントロールシステムを開発し、「セルシオ」に搭載した。レーダーにはレーザー光を用いたレーダーシステムが採用された。

レーザーレーダーセンサーは上下方向にもビーム走査する2次元スキャン方式(ラスタースキャン方式)を採用した。

レーザーダイオードから発光されたレーザービームは、DCモーターで回転するヘキサゴンミラーによって、前方に照射される。2次元スキャンでの上下方向へのビームスキャンは、ヘキサゴンミラーの各面の傾斜角度をあらかじめ変えておくことにより実現している。

前方の物体からの反射光は、受信レンズで集光されフォトダイオードで電気信号に変換された後に車間距離計算の、信号処理がなされる。

レーザーレーダーセンサー

レーザーレーダーセンサー

IGBTモジュール

IGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor)はMOSFETをゲート部に組み込んだバイポーラトランジスタで、大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子。1997年、世界初の自動車用ハイブリッドモーター制御IGBTモジュールを開発し、「プリウス」に採用した。

発熱を伴うガソリンエンジンと共存させるハイブリッドカー用の大電流パワーモジュールは、適用可能な専業メーカー品が無かったため、トヨタ内でチップレベルからの開発を行った。パワー素子としてIGBTを採用することで電力変換損失の抑制を行い、あわせて各IGBTチップにはオンチップの過電流保護回路や温度センサーを採用することで、自己保護機能に対する要求にも応えている。

IGBT モジュール

IGBT モジュール

IGBT モジュール

IGBT モジュール

NAVI・AI-SHIFT

1998年、カーナビゲーションが持つ情報と走行中のクルマからの情報を基に車両制御を行う、「NAVI・AI-SHIFT」を実用化した。カーナビゲーションからのカーブや交差点などの情報と車両の各種センサーから得られた道路の勾配情報を利用して走行する道路状況を立体的に把握し、適切なAT(Automatic Transmission)の変速比を選択することで次の操作を支援する。

・不必要な変速の防止
・コーナーでのスムーズな加減速をサポート
・経路案内中で交差点のスムーズな加減速をサポート

  • NAVI・AI-SHIFT概念図

    NAVI・AI-SHIFT概念図

  • NAVI・AI-SHIFT関係図

    NAVI・AI-SHIFT関係図

☆トヨタ 「プログレ」(世界初)
'00/10 NAVI・AI-SHIFT : 5速制御
☆トヨタ 「マークⅡ」他(世界初)

アイドリングストップシステム

1981年に、他社に先駆けて「スターレット」で製品化以降、2001年5月「ヤリス」マニュアルトランスミッション車、8月「コンフォートタクシー」オートマチックトランスミッション車で手動操作を伴う半自動式のシステムが製品化された。2003年2月にはハイブリッド以外では世界初の全自動式D(ドライブ)レンジアイドリングストップシステムを「ヴィッツ」CVT車に搭載し発売した。ベース車両に対し、国内モード燃費(10・15モード)で、約9%の燃費向上を達成、停車が多い都市内ではさらに大きな効果を発揮した。

アイドリングストップ中の電力供給と、エンジン始動のたびに使われるスタータ駆動用電力の確保のため、新たにリチウムイオン電池を開発し、鉛電池との2電源方式を採用した。2種類の電池の充電状態を適切に制御するため、量産車両では世界初の昇降圧DC/DCコンバーターを採用した。

2003年に経済産業大臣賞である「省エネ大賞」を受賞した。

アイドリングストップシステム

アイドリングストップシステム

スマートキーシステム

2000年に製品化したスマートキーシステムは、キーに触れることなくドアの開閉錠を可能にしたものである。

ドアハンドルに内蔵された車室外発信機から間欠的に電波を発信し、スマートキーがこの電波を受信できるエリアに入るとスマートキーから車両側へIDコードを返信する。車両側でIDコードが正しいと認識した場合に、ドアハンドルのタッチセンサーに触れるとドアの開錠をする。ドアの施錠は、ドアを閉めた状態で「ドアハンドルにあるトリガスイッチを押す」または、「ロックセンサーに触れる」とスマートキーと車室外発信機および室内発信機が通信を行い、IDを照合して施錠動作に入る。このとき、室内発信機との照合が出来た場合は、車室内にスマートキーが存在すると判断して施錠しない。

また、2003年には、エンジンスイッチのプッシュスタート制御システムを開発して連動させ、さらなる利便性向上を図った。

  • スマートキーシステム(エンジンスイッチ)

    スマートキーシステム
    (エンジンスイッチ)

  • スマートキーシステム(ロックセンサー部)

    スマートキーシステム
    (ロックセンサー部)

  • スマートキーシステム

    スマートキーシステム

スマートキーシステム(概念図)

スマートキーシステム(概念図)

バックガイドモニター

バックガイドモニターは車庫入れなど後退運転時に後方カメラの映像に後方距離、車幅の補助ライン、後退時の予測進路などのガイド線を重ねて画面に表示しドライバーの運転をサポートするシステム。

縦列駐車時には画面表示に加え、音声案内でもサポート。

バックガイドモニター

バックガイドモニター

ナイトビューシステム

2002年に近赤外線方式としては世界初のナイトビューシステムを製品化し、「ランドクルーザー シグナス」に搭載した。近赤外光を車両前方に照射して、専用カメラで撮影した映像をヘッドアップディスプレイに表示。車両前方の歩行者、障害物、道路などが見えにくい夜間の視界視認をサポート。

ナイトビューシステム

ナイトビューシステム

2008年には近赤外線方式としては世界初の歩行者を検知する機能を追加。検知した歩行者の存在と位置をナイトビュー映像に黄色の枠で表示し、ドライバーへ注意を促すことでさらなるサポートを実現。

ナイトビュー(歩行者検知機能付)

ナイトビュー(歩行者検知機能付)

ナイトビュー(歩行者検知機能付)

ナイトビュー(歩行者検知機能付)

ミリ波レーダーを使ったプリクラッシュセーフティシステム

ミリ波は波長1~10mm、周波数30~300GHzの電波で、車載レーダー用としては欧州、北米、日本の電波法の規制により76GHzが使われている。

車載用ミリ波レーダーの検出方式にはさまざまなものがあるが、距離と相対速度の検知は、高周波部が比較的簡易な構成で、相対速度がゼロのときも計測できるFM-CW(Friquency-Modulated Continuous Wave)方式を採用。方位の検知には電子スキャン方式を採用した。

ミリ波レーダーを使ったプリクラッシュセーフティシステム

ミリ波レーダーを使ったプリクラッシュセーフティシステム

ミリ波レーダー(距離・相対速度の検知方式の違い)

ミリ波レーダー(距離・相対速度の検知方式の違い)

ミリ波レーダー(方位検知方式の違い)

ミリ波レーダー(方位検知方式の違い)

Gセンサー一体型ヨーレートセンサー

2003年にトヨタ内製で開発したVSC用Gセンサー一体型ヨーレートセンサーは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術で製造したセンサー素子と信号処理ICの2チップを一体でパッケージ化したものである。万一の故障に備え、センサー サブアッシーを2個実装している。

MEMSヨーレートセンサー

MEMSヨーレートセンサー

インテリジェントパーキングアシストシステム

縦列駐車や車庫入れなど後退時の駐車時にステアリング操作を支援するインテリジェントパーキングシステムを2003年に世界で初めて商品化した。その後、2005年に画像認識による駐車枠認識機能を追加し、さらに2006年、世界初の超音波センサーによる駐車空間認識機能を追加した。2008年には後退開始位置を案内するプレサポート機能を追加し、2010年には、車庫入れ駐車時に、ステアリング操作で目標駐車位置を設定できるイージーセット機能を追加するなど、ドライバーによる駐車位置の設定・調整操作を大幅に簡略化し、使用性を継続的に向上させている。

インテリジェントパーキングアシストシステム

インテリジェントパーキングアシストシステム

ミリ波レーダー&ステレオカメラフュージョン方式プリクラッシュセーフティシステム

ステレオカメラの採用とミリ波レーダーの改良により、従来では検出が難しかった歩行者検知を実現したシステム。衝突の可能性が高いと判断した場合に、ドライバーに警報を発し、ドライバーによる制動操作が無い場合は、プリクラッシュブレーキをかけて衝突速度を低減する。

ミリ波レーダー&ステレオカメラフュージョン方式プリクラッシュセーフティシステム

ミリ波レーダー&ステレオカメラフュージョン方式プリクラッシュセーフティシステム

ミリ波レーダー&ステレオカメラフュージョン方式プリクラッシュセーフティシステム

ミリ波レーダー&ステレオカメラフュージョン方式プリクラッシュセーフティシステム

マップオンデマンド

2007年、カーナビゲーション用地図の自動更新を可能とする「マップオンデマンド」を世界で初めて開発した。更新エリア内の変更道路データのみを配信する地図差分配信技術を新たに開発した。

「マップオンデマンド」は、全国の高速道路・有料道路、カーナビゲーションに登録した自宅および設定した目的地周辺の道路変更部分のみを、携帯電話網などを通じてカーナビゲーションに配信するものである。これにより、地図データは短期間で自動更新され、高速道路・有料道路は新規開通後約7日で、その他の道路も変更情報が収集され次第更新することが可能となった。

マップオンデマンド

マップオンデマンド

ドライバーモニター(眼の開閉状態検知機能付)付プリクラッシュセーフティシステム

ドライバーの眼の開閉状態および顔向きをドライバーモニターコンピューターが検知し、ドライバーが適正な運転状態でないと判断した場合、障害物との衝突警報開始タイミングを早めるシステム。

ドライバーモニター(眼の開閉状態検知機能付)付プリクラッシュセーフティシステム

  • ドライバーモニター(眼の開閉状態検知機能付)付プリクラッシュセーフティシステム

  • ドライバーモニター(眼の開閉状態検知機能付)付プリクラッシュセーフティシステム

ドライバーモニター(眼の開閉状態検知機能付)付プリクラッシュセーフティシステム

ドライバーモニター(眼の開閉状態検知機能付)付プリクラッシュセーフティシステム

ナビ・ブレーキアシスト

2007年6月、カーナビゲーションに前方の一時停止を画面表示と音声で案内する機能を、同年9月には一時停止線に近づいても減速しない場合に音声で注意喚起する機能を導入し、一時停止情報提供機能を進化させてきた。

さらに、2008年に導入した「ナビ・ブレーキアシスト」では、注意喚起後にドライバーが急ブレーキをかけた場合、一時停止向けに減速度を最適に制御する機能を採用した。

こうした一連の機能によって、一時停止交差点における出会い頭事故などの低減を目指した。

ナビ・ブレーキアシスト

ナビ・ブレーキアシスト

ファイングラフィックメーター

2008年、高い応答性とハイコントラストを特長とするTFT(薄膜トランジスタ)液晶パネルを採用したファイングラフィックメーターを開発し、「クラウン ハイブリッド」に搭載した。ハイブリッドシステムインジケーターなどの主要な表示の他に、各種車両情報も表示する。さらに、走行モードによって画面が切り替わるほか、ナイトビューのモニターとしても使用される。

ファイングラフィックメーター

ファイングラフィックメーター

ハーモニアスドライビングナビゲーター

実走行燃費を向上するエコドライブを、ドライバーが楽しみながら継続できるようサポートする新サービス。メーター内に装備されているエコドライブインジケーターの点灯や、ハイブリッドシステムインジケーターのハイブリッドエコエリア内での走行、またエコモードスイッチの選択といった、ドライバーがエコドライブを実践した運転情報をG-Linkを通じG-BOOKセンターに送信。G-BOOKセンターは、受信した情報からエコドライブ度合いに応じたポイントを付与するとともに、エコドライブの習熟度を表すステータスを毎月判定しランク分けをする。この結果をナビゲーションの画面に表示することで、ドライバーはエコドライブの結果が常に確認できる。

ハーモニアスドライビングナビゲーター

  • ハーモニアスドライビングナビゲーター

    ハーモニアスドライビングナビゲーター

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