第1節 多様な車種開発と国内販売の拡充

第2項 新技術とR&D拠点の充実

技術部門の拡充と士別試験場の開設

こうした商品開発の強化に伴い、技術部門の設備と要員も年を追って拡充し、1981(昭和56)年10月には技術10号館を建設した。また、ITツールである最新鋭のCAD1を活用し、デザインからボデー設計までの大幅なスピードアップを実現した。技術部門の要員は1970年代の排ガス対策期にも急増したが、1980年および1981年の新規採用は従来の倍以上の規模となった。

一方、さまざまな気候条件の国々への輸出拡大や高速域での性能試験を実施する必要性から、北海道士別市に士別試験場の建設を進めた。候補地の条件は、零下20℃以下の日が年間15日以上、積雪50cm以上の日が同2カ月以上、そして超高速テストのために直線が3km以上確保できるというものであった。これらの条件を満たした場所として、1982年5月に士別市の協力により、温根別町の約500万m2の用地買収を行った。テストコースの建設は、1984年10月に全長5kmの寒冷地周回路などの第1期工事が完成し、1987年には全長10kmの周回路も竣工、1992(平成4)年までに当初予定の整備を終えた。なお、1992年には拡張用地の買収を行い、士別試験場の総面積は930万m2となった。

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