第3節 国内市場の急伸長とレクサスの開発

第1項 国内販売250万台を達成

「K250計画」の策定

バブル景気で1980年代後半に国内の自動車市場が急拡大するなか、トヨタの販売台数は1988(昭和63)年に212万台となり、長年の課題であった年間販売200万台の目標を達成した。この目標は1978年に将来の市場規模が500万台(登録車)に成長する時代を見据えた長期的な目標として掲げたものであった。その後、1986年からの5カ年計画では1990年に年間販売200万台を実現することを打ち出したが、これに対しては3年目での前倒し達成となった。

国内営業部門では200万台体制の達成を受け、新たに「1993年の250万台体制実現」を目標とする「K250計画」を策定した。この計画ではあらゆる項目で他社を凌ぐお客様満足度(CS)を確保して販売を持続的に拡大させるため、販売力の量的強化と生産面での合理化・効率化による生産性向上の両立を目指した。ところが、バブル経済の進展や消費税導入による自動車関係税の負担減などにより、国内市場は想定を上回るペースで拡大した。その結果、登録車市場が過去最大の598万台に達した1990年には、トヨタ車の販売実績は約250万4,000台となり、K250計画も前倒しで達成された。

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