第4節 新規事業への取り組み

第2項 住宅事業への取り組み

トヨタホーム株式会社の設立

長年にわたる商品力、販売力の強化、収益改善への取り組みが実を結び、2000(平成12)年は、住宅事業部門にとって区切りの年となった。同年度にトヨタ単独ベースでの黒字化を達成するとともに、愛知県の戸建販売戸数で初めて首位の座を獲得したのである。これは翌年以降も継続し、2007年度には岐阜、三重を合わせた東海3県でもトップの座についた。

こうした状況のなか、住宅会社としてお客様のニーズを迅速かつ的確に把握し、タイムリーに商品を企画・販売することを目的に、2003年4月にはトヨタから商品・営業企画、分譲、施工機能を分離し、トヨタホーム株式会社を設立した。営業開始は2004年1月である。

また、同年12月にはトヨタホームと関係会社21社が共同開発を進めていた「トヨタ夢の住宅PAPI(パピ)」1が愛知県愛知郡長久手町(現・長久手市)に完成した。この「夢の住宅PAPI」は、2005年3月開幕の「愛・地球博」に合わせて一般公開された。

2005年にはミサワホームホールディングス(現・ミサワホーム)の第三者割当増資をトヨタなどが引き受ける形で、資本提携が成立した。開発や販売での協力や商品の相互補完などを通じ、ミサワホームとの間でシナジーを追求することになった。その後、2010年にはトヨタホームもミサワホーム株式を取得し、より緊密な関係を構築した。

トヨタホームの発足後、トヨタは2008年に住宅の商品開発機能を移管し、2009年10月には残る事業企画、技術開発、生産の各機能も移管することを決定した。こうして、2010年10月をもってすべての住宅事業を統合したトヨタホームは、トヨタグループの中核企業として住宅業界でさらに存在感を高めるべく、新たなスタートを切った。

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