第2節 環境・安全問題への対応

第2項 温室効果ガスの削減と環境負荷物質対策

燃費性能の向上

CO2排出量の低減については、燃費向上という自動車の製品開発での取り組みにとどまらず、生産・物流部門から販売分野に至るまで省エネルギーによる地球温暖化対策を進めた。一連の活動は1992(平成4)年の「トヨタ地球環境憲章」に基づき、1993年度から中期的に拡大・発展させる方式として開始した「トヨタ環境取組プラン」で目標の策定と評価・検証を繰り返しながら推進していった。

燃費向上に関しては、1993~95年度の第1次および1996~2000年度の第2次「トヨタ環境取組プラン」で、「世界トップレベルの燃費達成」を目標に掲げた。当時、日本では2000年度を目標とする燃費基準が定められ、1990年度に対して全メーカー平均で8.5%の向上が求められていた。トヨタは燃費目標値の立案、技術開発や製品への展開策などを進める体制をつくり、各開発センターや要素技術を開発する各技術部、国内営業の担当部などが参画した。こうした取り組みにより、2000年度燃費基準は遅滞なく達成された。

2001~05年度の第3次プランと、2006~10年度の第4次プランでは「各国・各地域でのトップクラス」を燃費性能の目標に掲げた。日本では1999年に新たな目標として2010年度燃費基準が制定されていたが、トヨタは第3次プランの期間中の2005年に、7つの重量区分すべてで前倒し達成した。このため第4次では「2010年度基準を上回る、さらなる燃費向上を継続的に推進」することを目標に取り組みを進めた。さらに2011~15年度の第5次プランでは、「2015年のグローバル平均燃費を2005年比で25%削減」するという方針を打ち出している。

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