第6節 国内市場での開発・販売強化

第2項 新ジャンル・ブランドへの挑戦

新ジャンルを切り拓いたハリアー

国内販売の不振を背景に、さまざまな角度から商品企画の見直しが行われた。そのなかで、スピード感をもって市場ニーズを汲み取ろうとする取り組みは、1990年代後半の商品展開に成果として現れてきた。

1997(平成9)年12月に発売したハリアーは、RAV4が先鞭をつけた乗用車派生のSUVである。中型乗用車の基本性能をベースとする高い動力性能や静粛性、広い室内空間などの特徴をあわせもつ「高級クロスオーバー」として、新たなジャンルを切り拓いた。

好調な出足の国内に続いて、1998年3月にはレクサス「RX300」として北米市場に投入された。当時40歳代のベビーブーマー世代にターゲットを置いた戦略が当たり、富裕層の女性からも高い人気を獲得した。1999年には目標の3倍に相当する8万台近くを販売し、北米のレクサスブランドのベストセラーに躍進した。その後、世界の自動車メーカー各社が追随モデルを投入し、乗用車派生の高級クロスオーバーは、新たなセグメントとして定着していった。

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