業績回復の兆し

厳しい決断が続くなかで迎えた2010(平成22)年の社内向け年頭あいさつで豊田章男社長は、「感謝、謙虚、信念という3つの言葉を大切にしたい」と表明し、さらに「お客様に選ばれ、愛される『町いちばんの企業』。そこで働くすべての人が、『トヨタの一員になって良かった』と、心から思えるような会社を、全員の力で作り上げたいと思っています」と呼びかけた。

当初、2009年度(2010年3月期)の業績は、営業赤字が8,500億円に膨らむと予想されていたが、総経費の大幅な節減や対象車種を拡大した緊急VA(価値分析)の成果などに加え、政府のエコカー減税や同補助金による国内市場の回復もあって想定以上の改善軌道に乗っていた。豊田社長は、年頭あいさつで赤字からの脱却に向けて最後まであきらめずに粘り強く取り組み、全員が胸を張って働ける会社にするためのスタートラインに立ちたいとの思いを表明した。

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