2012年4月に新規発売したFRの2ドア4名乗りクーペ。富士重工業（株）と共同開発。富士重工業（株）（以下、スバル）が生産し、両社で販売した。スバル側の車名は「BRZ」。コンパクトなFR車ならではの運転を楽しめる車として開発した。トヨタ側の車名「86（ハチロク）」は、5代目「カローラ」「スプリンター」シリーズのクーペ系モデルで、その生産終了後も人気が続いた「レビン」「トレノ」の車両型式「AE86」に由来する。

車体サイズは「AE86」と比較すると、全長＋60mm、全幅＋150mm、全高－35mmと、車幅以外はほとんど変わらない。「86」の最大の特長は、スバルの水平対向4気筒エンジンをフロントミッドシップに搭載した、低重心とバランスのよい前後重量配分を持つFRレイアウト。そして前165／後195mmも広げられたトレッドにより、極めてすぐれた走行安定性を発揮する。エンジンは、スバルが2010年に開発した環境性能指向エンジンをベースに、トヨタの直噴技術も取り入れた高回転型に再開発し、最大出力は147kw（200PS）を誇る。変速機は6速MTまたは6速AT。サスペンションは、前がストラット式、後ろがダブルウイッシュボーン式の全輪独立。レース用に仕立て易いように装備を極力省いたRCグレードから、最上級グレードのGT Limitedまでの、4モデルを用意。アメリカでは「サイオンブランド」で販売する。