トヨタ生産方式の源流

世代を超えて完成した生産方式

トヨタ生産方式のルーツ

ムダの徹底的排除の思想と造り方の合理性を追い求め、生産全般をその思想で貫きシステム化したトヨタ生産方式は、豊田 佐吉の自動織機に源を発し、トヨタ自動車の創業者(2代目社長)である豊田喜一郎が「ジャスト・イン・タイム」による効率化を長い年月にわたり考え、試行 錯誤の末に到達したものです。
その根底に流れているものは「徹底したムダの排除」の思想です。
ムダとは、ある場合は在庫であり、ある場合は作業そのものであり、ある場合は不良であり、それぞれの要素が複雑にからみ合い、ムダがムダを生み、やがては企業経営そのものを圧迫します。

豊田佐吉が発明した自動織機は、それまで人が手作業で行っていたものを自働化したのみならず、その機械に善し悪しを判断させる装置をビルトインしました。
不良品を造らないだけではなく、それに伴うムダな作業も効率化することで、生産効率と作業効率を飛躍的に高めました。

そして、その意思を引き継いだ豊田喜一郎は、「物を造る場合の理想的な状態は、機械、設備、人などが全くムダなく付加価値を高めるだけの働きをしている」 という理想を実現するために、各作業間、ライン間、工程間でのムダを排除する手法や技法を編み出しました。それが「ジャスト・イン・タイム」です。

「日々改善」、「よい品(しな)よい考(かんがえ)」の思想を実践することで、トヨタ生産方式は世界に名の知られる生産方式へと進化しました。そして、現在も全生産部門において、その進化に向けて日夜改善努力が続けられているのです。
今日では、「トヨタのモノづくりの精神」はTOYOTA WAYと称され、日本国内や自動車産業にとどまることなく世界中の生産活動に適用され、グローバルな進化を続けています。

豊田佐吉

豊田佐吉 とよださきち(1867年~1930年)
日本で最初の動力織機「豊田式汽力織機」(1896年開発)
世界最初で最高性能の「無停止杼換式豊田自動織機(G型自動織機)」(1924年開発)

豊田喜一郎

豊田喜一郎 とよだ きいちろう(1894年~1952年)
1927年に完成した月産300台のG型自動織機の組立ラインに、チェーンコンベアを用いた流れ作業を導入した経験を生かし、1938年に完成した挙母工場(現本社工場)組立ラインでも流れ作業を導入。

G型自動織機の組立ライン G型自動織機の組立ライン
トヨダスタンダードセダン 1936年に発表されたトヨダスタンダードセダン(AA型)
豊田英二

豊田英二 とよだ えいじ(1913年~)
自働化とジャスト・イン・タイムを徹底することで、人の付加価値生産性を高め、欧米の生産性に太刀打ちできるトヨタ生産方式を具現化。

大野耐一

大野耐一 おおの たいいち(1912年~1990年)
豊田英二の強いバックアップのもとで、トヨタ生産方式の確立に寄与し、ジャスト・イン・タイムの基本形をつくり上げるなど、「モノづくり」の精神の礎を築く。

トヨタのモノづくりは「TOYOTA WAY」として世界に展開

TOYOTA WAY

取材協力:産業技術記念館