2011年3月11日に発生した東日本大震災によって、トヨタグループの生産拠点も影響を受けましたが、7月には、量的な面でほぼ通常レベルに生産を回復することができました。今後は、復旧・復興とさらなる成長に向けて生産体制の再構築を進めるとともに、グループ各社の強みとリソーセスを最大限に引き出し、グループの総合力を上げ、日本のモノづくりの国際競争力を向上させていきます。
東北・北関東地域には、震災の影響を受けた関連の部品仕入先が数多くあるため、トヨタにおいても、東日本大震災の発生直後から国内車両工場の生産を一時停止するなど、事業活動に影響を受けました。トヨタは、震災直後から被災地域の支援のために、従業員を現地に派遣するなど、グループ・関係会社とともに復旧支援活動を行ってきました。震災の影響としては、2011年度の当初生産計画に対し、6月までに約80万台減少したものの、10月以降約35万台を挽回し、年度としては約45万台のマイナスを見込んでいます。(2011年6月10日時点)
生産正常化に向けて、工場、販売店、仕入先の方々と一体となって取り組み、4月18日からセントラル自動車の宮城工場、関東自動車の岩手工場を含む全工場における車両生産を再開しました。6月には国内・海外全体で通常の7割程度の水準に復旧し、7月には年度計画ベースの生産レベルを回復、2011年後半には全ライン、全モデルで生産を正常化する見通しです。
トヨタでは、国内・海外ともに6月から順次生産を再開しています。今後は下半期で生産台数を挽回し、トヨタ・レクサスの2012年3月期の生産台数は、前年同期(2010年4月~2011年3月)と比較して4.8万台上乗せし、約739万台となる見通しです。(2011年6月10日時点)
北米においては震災以降、生産調整を行っていましたが、北米で生産する12車種のうち8車種は5月に前倒しして正常化を図りました。中国では、各工場で部品の供給、在庫状況が異なるため、合弁パートナーと部品の供給状況を確認・協議しつつ、6月以降、順次、生産を正常化させる取り組みを行っています。アジア・オセアニアの17拠点における生産調整については、供給のめどがついたため、通常稼働または通常稼働に向けて稼働率の向上に取り組んでいます。
グローバルでは、「需要のあるところで生産する」という考えに基づき、新興国・資源国では供給能力を増強し、日本及び先進国では既存の能力の最大活用を基本としています。
現在、日本の製造業を取り巻く環境は大変厳しい状況ですが、トヨタでは、日本国内で年間300万台レベルの生産を維持する方針です。「日本ならでは」の新技術・新工法を開発し、日本の生産現場で量産化する技術を確立して世界に展開することが、トヨタの中長期の成長ならびに日本の産業の高度化、世界経済の発展にも寄与できるものと考えています。
トヨタでは「モノづくりの強化」に向けて、国内の生産体制を再編する新しい計画を策定いたしました。トヨタと子会社であるトヨタ車体、関東自動車工業は、2012年1月を予定に完全子会社化について合意し、また、関東自動車とセントラル自動車、トヨタ自動車東北は、2012年7月を目標に3社統合に向けて協議を開始しています。その結果、各社のモノづくりの専門性をさらに高め、お客さまのご要望にきめ細かく対応することで、より低コストで開発・生産していくことをねらいます。
これまでトヨタグループの車両メーカーは、トヨタ車の開発から生産を支援するという位置づけでしたが、新たな体制では、それぞれの得意領域において主体的な役割を担い、トヨタの経営戦略そのものを実行していく会社となります。マーケティング・商品企画戦略や海外事業を含めて供給戦略等においても、従来以上に連携を強化していきます。
トヨタでは、東北地区における生産体制の再編により、「東北」を、「九州」や「中部」と並ぶ国内生産の「第3の拠点」と位置づける「3極体制」を推進していきます。「東北」はコンパクト車に専門性を持ち、車両の開発から生産まで、一貫して行う自立的な拠点として、エンジンなどユニットや部品の生産・調達も行っていきます。また、トヨタの環境車のなかでも主力の一つとなる新型車「スモールハイブリッド車」を東北で生産することを決定しました。「九州」はミディアム、レクサス系の高級ブランド車のモノづくりを追求し、「中部」は国内生産の中核として、新技術・新工法などのイノベーション技術の開発を担います。各地域の役割を明確にし、「もっといいクルマ」づくりに向け、全世界のサプライヤー、工場と一体となって、世界のお客さまに喜んでいただける、新たな市場を創造していきます。