トヨタ流事業継続マネジメント(BCM)

トヨタ流BCMを取り巻く背景

トヨタは東日本大震災やタイの洪水といった過去の大規模災害時に、直接的に自社被災していないにもかかわらず、お客様に「いいクルマ」「サービス」を届け続ける使命を果たせませんでした。一方で、南海トラフ地震によって自社が被災するリスクが高まる中、被災想定エリアにトヨタグループの主要機能が集中しており、トヨタを含めた各社の自社被災により、生産等に甚大な影響が発生することが予想されます。こうした中で、トヨタが自社被災することを想定し、限られたリソーセスの中での早期復旧を前提とする備えが必要不可欠な状況となってきており、これを踏まえて事業継続計画(BCP)の見直しを行っております。
トヨタのBCPの大前提として、災害時、以下の優先順位で復旧に取り組むこととしております。

  • トヨタの基本指針
    災害被災時の優先順位

  • トヨタの基本指針災害被災時の優先順位

人道支援

東日本大震災の際には、被災直後ただちに60人、その後延べ140人の従業員を被災地の生産拠点に派遣し、設備の復旧や支援物資の配布などの活動を行いました。また、甚大な被害を受けた被災地・被災者に対しまして、トヨタグループ・関係会社の従業員がボランティア活動として復興支援を実施しております。
2011年から2012年までの間で、関係各社15社より延べ360人の従業員が岩手県気仙地区で、がれき撤去などの活動を実施しており、本年も継続実施しております。
こうした人的な支援に加えまして、物的な支援も行いました。トヨタおよび関係各社から11tトラックで87台分の支援物資を、現地の2ヵ所の生産拠点に集約して輸送いたしました。通信インフラの断絶により被災現場の状況が把握できないため各拠点の従業員が沿岸部の被災地に出向き、現地のニーズを聞き取って、それに応じて必要な物資(食品・日用品・水・燃料など)を自らお届けしました。
このような過去の経験を踏まえ、全国共販店の倉庫・物流ネットワークを活かし、被災地へ支援物資を送り届けるスキームを準備しております。全国34の共販店で自社社員用の緊急物資を備蓄するとともに、有事の際には、この備蓄品を支援物資として被災地共販店へ送り届けるスキームを構築いたしました。被災地への距離に応じ中継共販店を経由するなど、ガソリン不足なども考慮した迅速かつ確実な被災地支援の実現を目指しています。

気仙地区でのボランティア活動
気仙地区でのボランティア活動

物資支援
物資支援

被災地の早期復旧

被災地域との連携

2012年12月13日に宮城県、大衡村、トヨタ自動車東日本、トヨタ自動車は、災害時の支援協力に関する協定を締結しました。工場施設の活用などを通じ、災害に強い地域づくりに貢献していきます。

災害時支援協定の概要

災害時支援協定の概要

協定締結式の様子
協定締結式の様子

[VOICE] 宮城県庁の声

東日本大震災からの復興に向け、トヨタ自動車様をはじめグループ会社様には多大なご支援を賜り、心から感謝申し上げます。今回、トヨタ自動車様ならびにトヨタ自動車東日本様と締結させていただきました協定は、災害時の物資の支援や人命救助、さらには工場を活用した一時避難場所のご提供など、全国のモデルケースとなる新たな取り組みであります。今後ともトヨタ自動車様と連携を深め、地域防災力の強化に努めてまいります。

宮城県副知事若生 正博

宮城県副知事
若生 正博

災害に強く活躍するクルマ

東日本大震災の被災経験を通じて、災害時に発生した「エネルギー・情報・交通の寸断」という課題の解決に取り組み、外部給電システムを搭載したハイブリッド車・プラグインハイブリッド車を開発しました。
平時の燃費の良さ、環境性の高さはもちろんのこと、災害時にはガソリンでも電気でも走行できるほか、クルマから電気が取れる電力供給機能を有しています。
プリウスとプリウスPHVには、車内2ヵ所にコンセント(AC100V、1500W使用可)を搭載可能にし、さらにプリウスPHVには、ドアや窓を閉じた状態でも車外へ電源供給可能とするコネクターを設定しました。

PHV導入事例

宮城県警:PHVパトカー
宮城県警:PHVパトカー

  • 2012年度12台導入。仙台市内の交番に配備
  • 災害時には電源車として信号機につないだり、避難場所の灯光用に使用することを想定

自社の業務・生産復旧

自社が被災しても限られたリソーセスで、世界のトヨタのお客様に「いいクルマ・いいサービス」をお届けし続けることができるよう、従来の災害時対応計画を見直しております。その際に、(1)「お客様視点」の復旧、(2)自立的な復旧に向けた「平時の備え」、(3)オールトヨタ・全仕入先様まで広げた「サプライチェーン全体」に展開、という3つの視点で活動範囲を拡げることとしました。
「お客様視点」では、お客様に迷惑をおかけすることを最小化するため、重点車種の生産再開目標を定め、平時から準備するようにしております。「平時の備え」として、生産設備を「壊れにくく強い」だけでなく、「壊れても直しやすくする」ことを目指しています。「サプライチェーン全体」という観点では、自動車製造に必要な部品や資材は非常に多く、これらを調達するための「サプライチェーン」は膨大なネットワークになっており、自社の生産復旧を果たすということは、この「サプライチェーン全体」を復旧する必要があります。そこで、「サプライチェーン全体」で復旧目標を共有し、最短復旧を目指しております。
また、すべてのサプライチェーンを調査し、全体が見えるデータベースを構築することで、ある部品(または資材)工場が被災した場合に、それがサプライチェーン全体で、どれだけ影響が出るかを把握できるよう進めています。

自社の業務・生産復旧
/jpn/sustainability/csr/activities/management/
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