人を大切にする会社であり続けたい
創業時より受け継がれる「モノづくりは人づくり」の思想
トヨタの人づくりは、常に「人を大切にする思想」に立脚しています。世界の従業員、産業育成に対してはもちろんのこと、持続可能な社会を創造できる真に豊かな人づくりへの貢献という視点から、様々な形で学ぶ場を提供しています。

全世界で共有するトヨタの信念・価値観である「トヨタウェイ」、その2本柱は「知恵と改善」「人間性尊重」です。多様であるべき個人を尊重し、その個人の力を結集したチームワークを重んじる企業精神は、創業時からの「モノづくりは人づくり」という企業風土と通底しています。
人づくりを土壌とするトヨタの人材育成は、職場におけるOJTから培われた「教え・教えられる」教育風土から、現在もなお進化する全従業員への教育体系が育まれてきました。“モノづくりを通して社会に貢献する”、そのモノづくりの根幹を人づくりとするトヨタの思想は、単なる従業員教育にとどまりません。一企業の壁を越えて地域や海外へも飛び出し、より広い意味での「人づくり」を支える「教育支援」という形で実現され、事業がグローバル化した今日においても、人づくりの基本は変わりません。
自動車産業・トヨタ特有の知識・技術・技能を修得するためには、自ずとある程度の時間がかかります。そのためトヨタでは、「中長期的視点から、組織全体の底上げを図り、結果として組織全体でのパフォーマンスを高める人材の確保」を人づくりの基本スタンスとしています。
トヨタの発展の歴史とともに歩んできたトヨタ工業学園は「トヨタのモノづくりを支える優秀な技能者を育成する」ことを目的に設立された企業内学校です。これまでに1万7,000人を超える卒業生を送り出し、国内はもとより広く海外でもトヨタのモノづくりの第一人者としてリーダーシップを発揮し活躍しています。10代半ばからトヨタ流を徹底的に訓練された学園出身者は、トヨタのモノづくりにおいて強さの源泉でもあり、伝統を継承し続ける存在とも言えます。

2012年5月、インドネシアにおける車両生産会社であるトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)は、自動車産業におけるノウハウ・スキルの研修を行う人材育成センターを新設し、その記念式典を開催しました。
当センターでは、車両製造技能だけでなく、管理部門での人材育成も対象とし、自動車産業を担う人材を幅広く育成することを目指しています。また、2014年以降は、従業員だけでなく、サプライヤーや近隣の学生や教師にも広く受講の機会を設ける方針で、人材育成を通じて、インドネシアの経済、社会の発展に広く貢献していきたいと考えています。



人材育成センター
カローラ、ハイラックスなどを生産するトヨタ・南アフリカ・モーター(TSAM)は、小中学生の基礎学力を向上するため、教員を対象とした英語・数学・理科教育の指導と学校運営・管理方法を研修する教育プログラム「トヨタ・ティーチ」を1992年に開始しました。1989年にトヨタとTSAMが共同出資して設立された南アフリカトヨタ財団に基金を設立し、継続的に支援を行っています。
南アフリカトヨタ財団の設立目的は、教育の機会を広げて社会水準を向上し、南アフリカ社会の発展と政治・社会的な不均衡の改善を促進することにあります。この目的を果たすため、どのような事業が必要か調査したところ、専門学校や大学へ進学しても、基礎学力が足りず、高等教育の恩恵を十分に受けられていない学生もいることがわかりました。そこで、小中学生の基礎学力を効率的に高めるため、教師向けの研修を行うことにしました。

開始当初は、TSAMの従業員の多くが住む南アフリカ・ウムラジ地区ほか3地域の小学校教員に研修を実施、2005年以降は、学校の運営主体や経営陣、各分野の教員に至るまでを対象とした学校運営全般についての研修を強化しています。
2009年にはこれらの研修を継続的に実施するモデル校10校が選ばれ、全教員を対象に3年間の研修を実施。外部調査員の報告では、「数校での学校運営・機能の改善効果」や「教員が高度なトピックスに自信を持って生徒に説明する効果」等が述べられています。また、南アフリカ全土で実施された学力テストでは英語と数学で成績が改善。支援校のうち7校でも英数の成績がアップし、好成績を残しています。
