人権の尊重

人権に対する基本的な考え方

「トヨタ基本理念」やそれを実践するための基本的心構えをまとめた「トヨタ行動指針」(1998年策定、2006年改定)や、2008年にとりまとめたCSR方針「社会・地球の持続可能な発展への貢献」にも、すべての人々の人権およびその他の権利を尊重する』ことを定めています。また、「トヨタウェイ」の二本柱である「知恵と改善」「人間性尊重」のうち、「人間性尊重」は、あらゆるステークホルダーを尊重するとともに、従業員を個人としてその個性・能力を尊重することであり、また従業員の成長が会社の成果に結びつくことにより自己実現が達成できるようにすることです。したがって「トヨタウェイ」の実現こそが、人権の尊重そのものであると考えています。「トヨタウェイ」を精神的基盤に全世界の事業体で同じ価値観を共有し、そして、従業員が安心して、いきいきと働くことができるように様々な施策を推進しています。また、こうした考え方が子会社やサプライヤーなども含めたグローバルな事業活動全般にしっかりと反映され、実践されるように努めています。

人権の尊重
CSR方針「社会・地球の持続可能な発展への貢献」(抜粋)
  • 私たちは、各国の文化・慣習・歴史および法令を尊重し、「人間性尊重」の経営を実践します。(基本理念2)
  • 私たちは、事業活動に関わる全ての人々の人権を尊重し、いかなる形であれ強制労働・児童労働は行いません。(基本理念5)
  • 私たちは、「事業活動の成功は従業員一人一人の創造力と優れたチームワークによってこそ達成される」との信念のもと、従業員を尊重し、個々人の成長を支援します。(基本理念5)
  • 私たちは、均等な雇用機会を提供するとともに、従業員の多様性・一体感の確保に努力します。また、従業員に対する差別を行いません。(基本理念5)
  • 私たちは、全従業員に対し公正な労働条件を提供し、安全かつ健康的な労働環境を維持・向上するよう努めます。(基本理念5)
  • 私たちは、従業員との誠実な対話と協議を通じ、「相互信頼・相互責任」の価値観を構築し共に分かち合います。そして、従業員と会社がお互いに繁栄するよう共に努力します。
  • 私たちは、従業員が自由に結社する権利または結社しない権利を、事業活動を行う国の法令に基づいて認めます。(基本理念5)
  • 私たちは、経営トップの率先垂範のもと、倫理的な行動を促す企業文化を育て、それを実践していきます。(基本理念1,5)

推進体制

トヨタでは、人権尊重の考え方に沿ってきちんと業務が遂行されているかをチェックするために、社内に対しては「CSR評価指標」を設定し、毎年各機能を点検・フォローしています。国内子会社に対しては毎年、海外子会社については2年に1度、連結コンプライアンス自主点検活動を展開しています。その中で人権・労働分野については、2012年より、その結果に基づく改善策の立案・実施を依頼しています。2012年は、国内子会社119社、海外子会社174社のうち、改善が必要とされる子会社に対し、改善策の立案・実施の依頼をしました。サプライヤーについては、2009年に「仕入先CSRガイドライン」を策定し展開。その中に人権尊重のトヨタの方針とサプライヤーに対する期待を明記しています。また、従来は各会社に、ガイドラインに基づき、自主点検をお願いしていました。2012年末に「仕入先CSRガイドライン」を改定するとともに、さらに人権・労働に関する取り組み強化の一環として新たに設けた「質問表」により状況を確認し、必要に応じ、改善依頼や改善活動の確認を行っています。今後も、ステークホルダーの皆様の意見を吸い上げ、経営に反映できるよう、より一層様々な施策を展開していきます。

人権尊重の推進体制

人権尊重の推進体制

社会的要請変化に応じた取り組み

トヨタでは、人権に関する社会的要請の高まりなど環境の変化に対応し、会社施策の強化・見直しを常に実施しています。たとえば、“DueDiligence”の概念が強化され、その考え方に基づいた国際規範が導入・改定されるのに伴い、2011年に、総合企画、海外渉外、監査、法務、経理、人事などの各機能からなる人権・労働CSR対応ワーキング・グループを組織し、各種国際規範の研究やあるべき施策の検討を行ってきました。それに基づき、人権・労働に関する各種CSR施策の強化・見直しをCSR委員会に提案し、実行に移しています。このワーキング・グループは、2013年の時点でも継続して活動しており、前述の子会社やサプライヤーに対する施策の強化は、この活動の成果の一部です。

人権尊重の実現に向けて ― 紛争鉱物問題への対応 ―

現在、世界の一部地域において武装勢力による一般市民の虐殺や略奪・誘拐・児童兵の徴用などの非人道的行為が行われており、国際社会の批判が高まっています。特に、アフリカ大陸中央部に位置するコンゴ民主共和国では、豊富な鉱物資源の違法採掘・密輸が武装勢力の資金源になっているといわれています。
トヨタは、こうした紛争地域における人権侵害や環境破壊、不正採掘等の問題、さらにはこれらを通じて武装勢力の資金源となる紛争鉱物問題が、サプライチェーンにおける重大な社会問題の一つであるとの認識のもと事業活動に取り組んでいきます。トヨタはグローバル企業の一員として、人権侵害等の不正とかかわる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリーを目指し、社内並びに国内外の連結子会社に「紛争鉱物対応方針」の展開を図るとともに、サプライチェーンへは「仕入先CSRガイドライン」に基づき、「責任ある資源・原材料の調達」活動をお願いしています。
また、コンゴ産紛争鉱物*1問題解決の一助として、責任ある鉱物取引に関する官民アライアンス(PPA*2)に参画しており、紛争に関係のない鉱山の特定をはじめとする活動を支援しています。なお、米国金融規制法に基づき、2013年にコンゴ産紛争鉱物の使用の調査をグローバルに実施し、2014年5月には調査結果を米国証券取引委員会へ報告するとともにWebに掲載する予定です。

*1
コンゴ産紛争鉱物:コンゴ民主共和国およびその周辺国の紛争地域で、紛争の資金源となっている鉱物とその派生物のこと。
(コロンバイト・タンタライト、錫石、金、鉄マンガン重石、およびそれらの派生物としてのタンタル、スズ、タングステン)
*2
PPA(The Public-Private Alliance for Responsible Minerals Trade):紛争にかかわらない鉱山の特定をはじめとする責任ある調達の実現に向けた取り組みをしており、政府機関や業界団体、民間企業、NGO等が加盟。(http://www.resolv.org/site-ppa
紛争鉱物対応方針

私たち(トヨタ自動車株式会社およびその子会社)は、「人権・環境等の社会問題を引き起こす原因となりうる原材料の使用」による地域社会への影響を考慮した調達活動を推進しています。
コンゴ周辺諸国産の紛争鉱物問題は、サプライチェーンにおける重大な社会問題の一つと認識しています。
私たちは、コンゴ周辺諸国産の人権侵害等の不正とかかわる紛争鉱物を原材料として使用しないコンフリクトフリーを目指します。そのために、紛争鉱物の使用状況について、グローバルにサプライチェーンを遡って調査を実施し、社会問題を引き起こす、あるいは、武装勢力の資金源になっている懸念のある場合には、使用回避に向け取り組みを実施します。取引先には、相互信頼に基づく共存共栄の理念のもと、私たちの考えを理解いただくとともに、責任ある資源・原材料の調達活動に取り組んでいただくよう要請していきます。

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