![いい町・いい社会づくりへの貢献 クルマをつくることの責任を自覚し、事故や渋滞のない新たなモビリティ社会づくりに貢献する [解説]低炭素で快適 : 電力を効率的に使える快適なクルマ社会づくりを提案する インフラ協調 : 危険を事前に予測し事故を防止する安全なクルマ社会づくりを提案する ライフスタイル : クルマの概念を超えた新しい移動手段や介護ロボット等により豊かな暮らしをサポートする](/jpn/sustainability/csr/stakeholders/society/images/mobility_top.png)
クルマを移動手段とするモビリティ社会が健全な発展を遂げていくためには、環境への配慮、交通事故、渋滞など負の影響を最小にすることが必要です。トヨタは、「エコカーは普及してこそ環境へ貢献」という考えのもと、低炭素社会の実現に貢献する様々なエコカーを開発・普及に努めています。また、「インフラと協調した安全なクルマ社会」「低炭素で快適なクルマ社会」そして「人・クルマ・ロボット・家がつながる新しい社会」の提供など、「新たなサステイナブルで豊かな社会」の実現に向けて、積極的に取り組んでいます。

トヨタは、クルマが人だけでなく家やインフラなど、社会とつながることで解決していくことも進めています。近年トヨタが力を入れている、スマートグリッドはその代表例といえます。
トヨタの考えるスマートグリッドは、クルマと家、社会をスマートセンターでつなぎ、エネルギーをマネジメントすることによりエネルギー効率を高め、低炭素社会へ貢献してゆくものです。一般のご家庭で使用するエネルギーを考えると、クルマの占める割合は大きく、また、電力を動力源とするPHV、EVを販売していることからも、トヨタがこの分野でできることはたくさんあると考えています。
加えてトヨタは住宅事業トヨタホームを30年以上手がけており、2012年4月にスマートハウス「シンセ・フィーラス」を発売いたしました。さらに、車内のテレマティックスについても、G-Bookなどをはじめ様々な活動を通した蓄積があります。こうした強みを活かして、この分野に取り組むことにより、低炭素社会の実現や、快適で便利な暮らしに役立っていきたいと思います。

少子・高齢化やエネルギーの多様化など、社会状況の変化と技術革新が相まって、クルマは移動の手段にとどまらず、社会・生活の一部としての役割を期待されています。トヨタは、資源やエネルギーを多量消費しない経済成長を可能にさせながら、持続可能な低炭素社会に貢献するため、従来の枠を超えた、新たなクルマの付加価値・魅力を創り出します。そして、あらゆる人の行動と生活にかかわり、真に安心で豊かな生活に貢献し続けたいと考えています。

トヨタは、自動車ユーザーの視点でスマートグリッド*技術を応用し、クルマと家と人をつなぎ、お客様一人ひとりが快適に暮らし、低炭素の省エネライフを過ごせるようにサポートする、次世代のスマートコミュニティづくりに取り組んでいます。
将来、PHV、EVなどの環境車が広く普及した時、一斉に充電を開始した場合に、社会の電力需要のピークが高くなってしまいます。充電の最適なコントロールは、環境車普及に向けて重要な課題の一つです。また、トヨタホームが開発する、太陽光発電や電力消費の効率的な制御機能を備えた「スマートハウス」は、クルマの電力自給や充電管理に最適です。トヨタは、1台のPHVと1棟のスマートハウスをつなぐことから、取り組みを始めました。それを段階的に増やしていき、やがて大きな環境都市へ。これが、トヨタの描くスマートグリッドの姿です。
クルマはもちろん、トヨタにはITや住宅など、もともとスマートグリッドに必要な数々の技術の蓄積があります。スマートグリッド、あるいはスマートコミュニティは、様々な産業や自治体が協調して成り立ちます。また、最先端のIT技術や広大な情報インフラが必要です。今後のクルマづくりはこれらと連携することにより、単なる移動手段ではなく、生活との接点、社会システムの重要な要素になると考えられます。
クルマを通じて、充実したトータルライフ・サービスをお客様に提供していくこと。それは、今後の環境社会に貢献し、社会の要請に応える有用なビジネスであるとトヨタは考えています。

2012年4月に発売された
トヨタホームのスマートハウス「シンセ・フィーラス」
トヨタでは、トヨタの考えるスマートグリッドの実現と、次世代環境車普及のため、世界各地の実証実験に参画し、新たな技術開発やお客様目線でのクルマ・各種周辺機器等の実用性の検証などを行っています。

| 青森県 六ヶ所村 |
|
|---|---|
| 愛知県豊田市 |
|
| 福岡県 北九州市 |
|
| アメリカ・ボルダー |
|
| フランス・ INESプロジェクト |
|
| PHV実証 |
|
実証活動の一つ「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」では、経済産業省と豊田市、トヨタをはじめ民間企業が連携し、低炭素社会と新エネルギーをテーマに取り組んでいます。実証は、67棟の実証住宅を購入した入居者をモニターに、生活動線に沿って家庭(スマートハウス)、移動(PHV・EV、交通システム)、移動先(商業・公共施設など)のシーンごとにエネルギー利用を最適化。それらを統合して生活圏全体でエネルギーの最適利用が達成されている、次世代に向けた地方都市型低炭素社会づくりを目指しています。
世界で最も費用対効果が高く、市民満足度の高い低炭素社会システムを2010~2014年の5ヵ年の実証期間で構築し、世界に発信していく計画です。また、東日本大震災の被災地復興にも、新しいコミュニティづくりへ実証成果を役立てたいと考えています。


豊田市実証では、生活圏全体でエネルギーの最適利用を目指し、独自に開発したEDMS*を導入。各家庭のエネルギー管理システムと連動し、地域全体の電気消費量の収集・分析や太陽光発電量の予測を行いながら、低炭素化誘導や電力需要のピークシフトを図る充電のタイミングなど、最適なライフスタイルへのサービス実験にも取り組んでいます。生活者が楽しみながら低炭素社会を実現できる仕組みを考え、エコライフの満足度を指標としながら、発電量・節電量に応じたポイント付与や表彰制度など、エコ意識を高める企画を実施しています。
「EDMS」は、生活圏単位のエネルギーマネジメントを目的に開発。スマートハウスだけでなく、コンビニや学校なども含めた周辺のコミュニティレベルで、余剰電力の融通など、電力需給バランスを調整します。また、スマートフォンなどの情報通信端末を利用し、クルマと家と人をリアルタイムでつなぎ、エネルギーを最適に管理する実験も行っています。
各世帯電力消費量をEDMSで収集(2012年5月時点11戸がEDMS対応)、低炭素誘導に向けたポイントインセンティブのサービス実験を行っています。地域で融通する電力において、炭素係数が低いほど高ポイントになる仕組みです。サービス未導入の同一規格のスマートハウスに対し、コミュニティ平均で約30%の電力消費(炭素排出量換算34%)を削減しました。
| 実証内容 | 削減率 | |
|---|---|---|
| 見える化期間 | 理想的な充電時刻を啓蒙
|
▲8.1% |
| DRポイント期間 | 充電時刻にインセンティブを付与
|
▲30.7% |
| リコメンド期間 | 分析した結果、より効率よく電気を使用する情報を提供
|
▲25.2% |
低炭素誘導と同様の仕組みにより、電力消費のピークに対してEDMSサービスによるPHV充電時間帯のシフト実験を行いました。理想的な充電時間をアドバイスし、ポイントを付与することで、84%が理想的な深夜充電へと行動変化しました。

EDMSで収集した地域の電力消費データに基づき、住民の方々が無理なく楽しくエコライフを実現するための取り組みを行っています。豊田市実証実験は、低炭素化に向けた自然エネルギーの有効利用をテーマに、太陽光発電でつくった各家庭の電気を蓄電池に貯め、余った分を地域で共用していきます。そのような実験の要になっているのが、EDMSです。スマートハウスに関する地域の方々の関心は高く、2011年9月以来、2012年5月までに40世帯が入居され、実証実験に協力いただいています。エコと生活者の満足度が両立する、環境にやさしく快適な次世代の、町づくりを目指して活動を進めたいと思います。

技術統括部
川本 雅之

次世代環境車PHV、EV、FCVなどの交通手段そのものによる低炭素化、ITS車載車による交通流の改善とエコドライブの促進とともに、状況に応じた最適な移動手段を誘導、円滑な交通システムの構築を目指して開発した「TDMS*」の実証実験を、2012年度から開始します。TDMSは、交通需給のバランスを図り、地域エネルギーマネジメントシステムと連携して交通システムとしてのエネルギー利用効率を向上させ、スマートコミュニティの一環を形成することを目的に開発しました。具体的には、ITプラットフォーム「トヨタスマートセンター」と連動しながら、地域内の運行・走行データを収集。その時々の最適な移動手段(公共交通と連携したカーシェアリングやパーク&ライドなど)の情報提供・案内を通して、低炭素と円滑移動を実現する都市交通システムの構築に取り組んでいきます。

交通手段そのものによる低炭素社会への取り組みとして、FCバスの実使用環境での走行実証も行っています。FCバスはFuel Cell、つまり、水素と空気中の酸素を電気化学反応させて電気をつくる燃料電池を動力源に走ります。水以外にはCO2や排ガスの副産物を出さない、クリーンで高効率な近未来の公共交通を担うバスです。また、発電装置としても利用でき、FCバス1台で一般的な家庭の1ヵ月程度の電力を補えることから、非常用電源としても社会に貢献ができます。

FCバス
クルマと公共交通を共存させるモーダルシフトを推進するため、2012年度から「ワンマイルモビリティ」の実証を開始します。
ワンマイルモビリティのねらいは、超小型EVを活用した次世代型末端交通システムの構築。鉄道やバスなどの基幹交通システムと家庭、あるいは目的地の間の生活動線となる「ラストワンマイル」です。その近距離間の移動により、公共交通の利用を促進していくことで、低炭素社会の実現に寄与することを目的としています。