環境負荷物質の低減

環境負荷物質とは、地球環境や人の健康に負荷を与える物質の総称です。現在、全世界で約10万種類の化学物質が製造・販売されており、その中には、環境や健康に対する影響が不明確なものも少なくありません。こうした現状に対し、世界の趨勢はREACHに代表されるように企業の自主的な取り組みが強く求められています。

トヨタはサプライヤーをはじめとする関係各社と協力し、化学物質の環境影響を可能な限り明らかにしつつ、管理体制を強化し、環境負荷のより少ない物質への転換を推進します。


欧州新化学物質規制「REACH」への対応

化学物質による人や環境への影響の最小化、化学物質管理の企業責任明確化をねらいとする化学物質規制「REACH*1」が、2007年6月に欧州で発効しました。これまでの行政による化学物質の指定・使用制限に加え、企業自らが使用・含有する化学物質の把握とリスク評価を実施し、行政へ登録・届出をするとともにお客様への情報開示を行うとするものです。これにより、欧州域内で製造あるいは輸入される物質と調剤中の物質は「登録」が必要となり、製品・部品は「高懸念物質の届出と情報開示」が義務づけられます。日米欧韓の自動車業界は、REACHに関するタスクフォースを欧州で結成しました。タスクフォースは、業界各社の対応を一本化し、サプライヤーへの依頼の重複と混乱を回避するため、REACHに関し統一した自動車業界ガイドライン(AIG*2)を作成し、サプライヤーに対して広く啓発活動を実施しています。トヨタもこのガイドラインに基づき、着実にREACH対応を図っています。

2007年12月には、予備登録への確実な対応に向けて、「欧州REACH規制に関する説明会」を開催し、社外専門家による規制概要の解説も含め、規制の影響と対応、予備登録の進め方について説明をしました。2008年12月には、欧州工場に持ち込む資材・副資材のすべてについて予備登録を完了しました。また、欧州に進出している日系部品メーカー57社についても予備登録をフォローし、確実な対応を実施しました。2009年3月には、製品・部品に含まれる高懸念物質*315物質(うち7物質は認可リスト候補物質)について仕入先説明会を開催し、トヨタの高懸念物質への対応について説明をしました。今後もサプライヤーとともにREACHへの着実な対応を進めます。

REACHに関する主なスケジュール
*1
REACH(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)
*2
AIG(Automotive Industry Guideline)
*3
高懸念物質(SVHC:Substance of Very High Concern)
欧州化学品庁が発ガン性等の有害性を有するものとして指定した物質(2009年3月時点15物質順次公表)

環境負荷物質の情報を収集するIMDS

自動車で使われる部品の材料や含有物質の情報を収集するために作られたシステムがIMDS*4です。このシステムは、新型車の環境負荷物質や使用済自動車のリサイクル率に関する規制を含んだELV指令*5に対応するため、自動車業界全体で開発しました。トヨタではシステムが稼働を始めた2003年4月頃より利用を開始。現在では、日系8社を含む自動車メーカー20社、部品メーカーを含む7万5,780社、ユーザー19万人以上(2009年1月現在)が登録され、全世界の自動車業界における標準システムとなっています。そのためIMDSを今後REACHへの対応にも活用していくことを議論しています。

*4
IMDS(International Material Data System)
*5
ELV指令(End of Life Vehicles指令):EUが2000年10月に施行した自動車のリサイクル指令
/jpn/sustainability/environment/development/