自動車に使われた資源を再び自動車の資源に戻すために、トヨタは使用済み自動車のリサイクル技術の開発に取り組んでいます。1998年には、使用済み自動車のASR(シュレッダーダスト)のリサイクルプラントを実用化。また、2001年には自動車リサイクル研究所を設立、新しい解体技術の開発と研究に取り組んでいます。
1993年からシュレッダーダストのリサイクル技術を豊田メタル(株)と共同で開発し、1998年8月から量産レベル (約1万5,000台/月)で再資源化する世界初のリサイクルプラントを建設、稼働しています。

ASRリサイクルプラント外観(豊田メタル(株)式会社)
ASRリサイクルプラントでは、RSPPの原材料や銅、ガラスの回収・再資源化を行っています。また分別回収した樹脂・ゴム類を灯油の代替燃料として活用しています。
シュレッダーダスト中の最大容積を占める発泡ウレタンや繊維類を再生素材として分別し、適度な空気層を持つ防音材(RSPP:Recycled Sound-Proofing Products)として自動車の各部位へ再利用。従来品に比べ、吸音性と遮音性のバランスがとれた高性能のまったく新しい防音材で、2010年度までの累計で約2,000万台に搭載しました。

独自に開発した高精度分別機でワイヤーハーネスを分別し、被履樹脂やコネクターを除去して、高純度(97%以上)の銅資源に再生しています。分別した銅は現在、鋳造工場でアルミ鋳物強化材等に利用しています。
高純度な自動車ガラスの特性を活かし、高強度で緻密なタイルや景観舗装に再利用しています。
シュレッダーダストの中で最大重量を占める分別樹脂類の活用を、サンエイ(株)と共同研究。代替燃料として実用化に成功し、1999年4月より活用しています。
1996年からシュレッダーダストの埋立が管理型に移行されました。トヨタでは、ダストを混練・加熱して体積を1/5に減容する溶融固化技術を確立。鉛の溶出量を従来の1/4~1/5に減らし、埋立処理場の環境負荷を軽減しています。
これまで埋め立て処理されていた分別樹脂類(固化物、助燃材の一部)のリサイクルに取り組み、愛知製鋼(株)との共同開発により製鋼用電気炉の原燃料として活用する技術を開発。2005年1月から使用を開始しました。
製鋼用電気炉では通常、鉄スクラップを溶解して自動車部品などの鋼材へ再生する際に熱源や加炭材としてコークス粉などの炭素材料を使用します。今回、ASRから回収した分別樹脂類を適切に投入することで、熱源としての着熱効率を有効に確保でき、加炭材への代替が可能になりました。この技術により、これまでリサイクルが難しかった混合樹脂など軽量で発熱量が小さいものも原燃料として有効活用できるようになりました。自動車リサイクル法では、ASRリサイクル率を2015年までに70%に引き上げることが要求されていますが、2007年にこの目標を達成。今後もリサイクルの高度化など新たなリサイクル技術の開発に取組んでまいります。

分別樹脂類(固化物、助燃材)の電気炉原燃料利用