トヨタのあるべき姿・目指すべき道を明らかにした「トヨタグローバルビジョン」、その実現に向けて、関係するそれぞれのステークホルダーにとって、トヨタはどういう会社でありたいかを改めて明文化したものが“ステークホルダーの笑顔のために”です。リーマンショック・品質問題、さらには本年3月の東日本大震災と重なる苦境のなか、トヨタを支えていただいたのはステークホルダーの皆様です。
その皆様に感謝し報いるため、そしてトヨタが皆様と共に成長し続けるため、常に自らを改革しながら、高い目標を実現していきます。

「グローバルビジョン」に掲げた“笑顔のために、期待を超えて”“トヨタを支えてくださる皆様の声に真摯に耳を傾け、常に自らを改革しながら、高い目標を実現していく”すなわち、“支えてくださる皆様”=「お客様」「従業員」「取引先」「株主」および「地域社会・グローバル社会」というあらゆるステークホルダーの“声”に真摯に耳を傾け、その「期待」に応えていきたい。
その「グローバルビジョン」の想いを、ステークホルダーとの関係において整理し、解説したものが“ステークホルダーの笑顔のために”です。その先にある「お客様」をはじめとした皆様の“笑顔と幸せ”のために“高い目標”に向けて一歩ずつ前進していくこと、それが皆様に対するトヨタの決意です。
「CSR方針」の前文で“持続可能な発展のために、すべてのステークホルダーを重視した経営を行う“こと、そして”オープンで公正なコミュニケーションを通じて、ステークホルダーとの健全な関係の維持・発展に努める”ことを宣言しています。
持続可能な発展のためには、すべてのステークホルダーの笑顔を目指し、決して何かのために誰かを犠牲にしないこと、誰かのために何かを犠牲にしないことが大切だと考えています。その考え方こそ、豊田綱領より受け継がれる報恩感謝の精神であり、ステークホルダー重視の経営の原点だと考えています。
“ステークホルダーの笑顔のために”は、それぞれのステークホルダーにとってのトヨタの目指すべき姿であると同時に、誰かや何かを犠牲にしないために、負の影響を自覚し、常に自らを改革していくことの決意でもあります。

一連の品質問題で学んだことは、お客様の視点に立つという原点に立ち返ることの大切さと、お客様や社会の期待は絶えず変化しているということ、そして、お客様の「安全」や「安心」を決して犠牲にしないことを誠意を持って説明することが、お客様との信頼関係を築く第一歩だということです。
このことは、他のステークホルダーに対しても同じです。ステークホルダーの皆様の声に真摯に耳を傾け、期待の変化やより高い期待に応えるよう努力して参ります。
そして、この8つの“ステークホルダーの笑顔のために”の実現に向けて、何をどのように取り組むのか、どのような努力をしているのかを「サステイナビリティレポート」等でステークホルダーの皆様に今後も継続して説明して参ります。
それが、皆様に信頼いただくことの第一歩であり、皆様の“笑顔と幸せにつながるトヨタ”への第一歩だと考えています。
トヨタ自動車では、トヨタらしいCSR取り組みができているかどうかを点検するため、2007年よりトヨタ独自の「CSR指標」に基づく点検活動を実施しています。「CSR指標」は、100近い項目があり、毎年、年度初めに各主管部署が「活動目標」を定め、期央・期末の自主点検により、改善活動につなげていくものです。2010年度の期末点検では、14項目で目標未達との自己評価であり、2011年度での取り組み強化を、各部の活動方針に織り込んでいます。「CSR指標」の項目は、社会からの期待の変化を反映し、必要に応じ見直しを実施していますが、本年は、「グローバルビジョン」で示した「新たなモビリティ社会づくりへの貢献」等の項目を追加し、活動強化を図ります。

今後は、“ステークホルダーの笑顔のために”の実現に向け、「長期目線」での目標を見据えた活動や、目標達成のためのプロセスKPIを設定するとともに、社会からの期待や要請を踏まえて、一段と高い目標を設定し、一歩ずつ着実に目標に近づいていきたいと考えています。
“ステークホルダーの笑顔のために”の策定にあたって、様々な社会課題やそれに対するトヨタへの期待など、外部の方のご意見をお伺いするために、2011年1月「ステークホルダー・ダイアログ」を開催しました。
検討中であった「グローバルビジョン」を前提に、「2020年に向けたCSR目標」という形でご提示し、多様な観点からご意見をいただくことができました。
2020年の姿を目標として検討していたのですが、ある課題については、遠い先のことで見通しにくい、ある課題については、外部の方が考えるより近い未来であり、期待との間にギャップがあること等がわかりました。「目標数値が妥当かどうか判断できない」「数値にこだわる必要はない」とのご意見もいただきました。また、ご意見を伺う中で、これまでトヨタの説明が不十分であったことにも気づかされました。こうしたご意見も踏まえ、数値の議論ではなく、長期目線で目指すべき姿を提示し、トヨタの考え方とその取り組みを理解していただくよう、しっかりと説明していくことが重要と考えています。

トヨタステークホルダー・ダイアログ