トヨタの燃料電池自動車(FCV)に用いられている、さまざまな技術をご紹介します。


FCスタック(燃料電池)

水素と空気中の酸素の化学反応を利用して電気をつくる発電装置です。水素を燃料電池の水素極に供給、また空気(酸素)を空気極に供給することにより、電気を発生させます。

燃料電池は、固体高分子電解質膜に触媒を塗ったMEA(Membrane Electrode Assembly:膜/電極複合体)をセパレーターではさんだ、「セル」と呼ばれるもので構成されています。ひとつのセルの電圧は1V以下と小さいため、数百ものセルを直列で接続し、電圧を高めています。セルを重ねてひとつにまとめたものを「FCスタック」、または「燃料電池スタック」と呼び、一般的に「燃料電池」と言う場合は、この燃料電池スタックのことを指します。

水素を使用した燃料電池の大きな特長は、エネルギー効率の良さです。水素を燃やすことなく直接的に電気を取り出せるため、理論的には水素の持つエネルギーの83%を電気エネルギーに変えることができ、ガソリンエンジンと比較すると、現時点では、およそ2倍以上の効率を誇ります。

燃料電池で水素と酸素から電気をつくるしくみ

  1. 水素を水素極に供給
  2. 水素は水素極の触媒で活性化され電子を放出
  3. 水素から離れた電子が水素極から空気極に流れることで電気が発生
  4. 電子を放出した水素は水素イオンとなり、水素側から固体高分子電解質膜を通り空気側へ移動
  5. 空気極の触媒で空気中の酸素と水素イオンと電子が結合し、水が生成

なお、「MIRAI」には下記主要諸元のFCスタックを搭載しています。

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FC昇圧コンバーター

「MIRAI」では大容量のFC昇圧コンバーター開発により、モーターの高電圧化とFCスタックのセル数を低減させ、システムの小型・軽量化を図り、さらには昇圧制御・ケース構造の工夫により優れた静粛性を実現しています。 また、現行ハイブリッドユニットの流用を可能とし、信頼性の向上と大幅なコストダウンを図っています。

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駆動用バッテリー

駆動用バッテリーは充放電可能な電池で、減速時にモーターによって回収されたエネルギーを貯蔵します。
「MIRAI」は、ニッケル水素バッテリーを搭載しています。減速時に回収したエネルギーを貯蔵し、加速時には燃料電池の出力をアシストします。

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モーター

「MIRAI」のモーターには自社開発の交流同期電動機を使用しています。減速時は発電機として機能し、エネルギーを回収しています。

最高出力:113kW(154PS)
最大トルク:335N・m(34.2kg・m)

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パワーコントロールユニット

「MIRAI」のパワーコントロールユニットは、発生した電気の直流をモーター駆動用の交流に変換するインバーターと、駆動用バッテリーとの電気を出し入れするDC/DCコンバーター等で構成されています。あらゆる運転状況下において、燃料電池の出力と駆動用バッテリーの充放電を緻密に制御しています。

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高圧水素タンク

「MIRAI」には、自社開発した70MPaの高圧水素タンクが搭載されています。最新のタンクは、水素を封じ込めるプラスチックライナーに、耐圧強度を確保する炭素繊維強化プラスチック層、表面を保護するガラス繊維強化プラスチック層の三層構造を採用しています。さらに、炭素繊維強化プラスチック層構成の革新により軽量化。世界トップレベル*のタンク貯蔵性能5.7wt%を実現しました。