ファミリー

パートナーロボットは、『パートナー』という言葉が示すとおり、「やさしさ」と「かしこさ」を兼ね備え、人のパートナーとして人をサポートするロボットです。

トヨタは、創始者の理念である「モノづくりを通じての豊かな社会づくり」に貢献すべく、工場で培った産業ロボット技術を発展させ、自動車技術やIT技術やその他の最先端技術を組み合わせ、パートナーロボットの開発に取り組んでいます。ここでは、実用化に向けて開発が続けられているパートナーロボットの機能やスペックをご紹介します。

パーソナルアシストロボット

リハビリテーション用パートナーロボット

歩行練習アシスト

下肢麻痺で歩行が不自由な方が自然な歩行を習得できるよう、リハビリテーション初期段階から支援。

特徴

  • 脚部装着部分を吊り上げる機構を備え、練習者にかかるロボットの重量負荷を低減。
  • 練習者の回復の度合いに合わせて、ロボットからのアシスト量の変更が可能。
  • 関節の角度などの歩行データをモニタリングし、
    歩行の状態を音や画像で練習者にリアルタイムで知らせることが可能。
  • 短時間で装着可能な構造に変更。

バランス練習アシスト

バランス確保が不自由な方が、ゲーム感覚で飽きずに楽しくリハビリテーションを継続できるよう支援。
立ち乗り型パーソナル移動支援ロボット「Winglet」の倒立二輪技術を活用しており、練習者の前後・左右の体重移動がゲームの中のキャラクターと連動。

特徴

  • 重心移動練習(前後、左右)と重心保持練習ができる3種類のゲーム(テニス、スキー、ロデオ)を実装。
  • 練習者のバランス機能の回復の度合いに合わせて練習難易度を自動的に設定。

生活支援ロボット(Human Support Robot)

コンセプト

生活支援ロボットは 将来、家庭の中で人と共存し、より豊かな生活を支援するホームロボットとして、様々な人の家庭での生活支援と生活の質の維持・向上を目的に開発されています。

特徴

生活支援ロボットは人とロボットの暮らしを実現するために3つの特徴を備えています。

1. 小型軽量
様々な家庭の中で人と共存するパートナーロボットとして、家や人と親和するサイズと扱いやすさを目指しました。 人への安全性、人との親和性、スムースな移動性を考慮し、小型・軽量で小回りが効く円筒型のデザインを採用し、コンパクトなボディーと、上下伸縮機構、格納式アームにより、小さくても広い作業域を実現しています。
2. 安全・安心
人よりも小さく軽いだけでなく、家庭の生活シーンの中で、ロボットと人が触れることを前提にした安全配慮設計を行っています。また、人だけでなく、移動の際に物を検出し、停止、回避することができます。
3. かんたん操作
誰でも簡単に、直感的にロボットを扱えることができるようにIT機器と連携し、タブレット等をタッチするだけでロボットを操作することができます。

機能

現在、 生活支援ロボットには「拾う」「取ってくる」「操縦する」という 3つの基本機能があります。

「物を拾う」

床に落ちた物をユーザがタブレットのカメラ画面上で指示することで、ロボットに拾わせる事ができます。ロボットのハンドは把持と吸着の機能を持ち、ロボットが物の形状を認識し、リモコンやペンなどは指先で挟んで拾い、カードや紙などの薄い物は吸着して拾うことができます。

「物を取ってくる」

ユーザがタブレットで、何をどこから取ってくるかを指示すると、ロボットは指示された物が入った整理箱を判別し、取ってきます。

「操縦する」

ロボットが自動では難しい作業も、ロボットを人が操作して行うことができます。またネットワークに接続し、家の外から家族がロボットを通じてコミュニケーションや見守り、ロボットのアームを使ったサポートを行うこともできます。

技術

1. 格納式アーム
アームが、格納されたコンパクトな状態から、アームを展開し、上下伸縮機構も利用することで低い所から高い所まで「床の上の物を掴んで拾う」「棚、机の上、高い所から物を取ってくる」などの生活のサポートを可能にします。
2. 柔軟なハンド
適度な柔軟性を持つ独自構造の二指ハンドにより、形状に馴染みながら物を把持し、また人や環境にやわらかく接触します。指先には吸着パッドがあり、紙やカードなどの薄いものを吸いつけて拾い上げることもできます。
3. 物体認識・把持計画機能
物の三次元形状を認識し、そのつかみ方、アームの動かし方をロボットが自分で考え、物をつかむことができます。
4. 環境認識自律移動機能
家の中の環境を認識し指示された目的地まで障害物を避けながら、最適なルートで移動します。
5. リモート機能
・リモートコントロール機能
ネットワークにつながったタブレットで利用者本人が家の中でロボットを操作することも、将来は、家の外からリモートで家族や医療介護福祉機関がロボットを操作し、お世話をすることも可能になります。
・リモートモニタリング機能
将来、ネットワーク経由でロボットとタブレットやスマートフォン等のIT機器を繋ぎ、ロボットを通じて外出先から家の中の様子を見たり、外から家の中の子供、高齢者、障がい者の家族の様子の見守りをすることも可能になります。
・リモートコミュニケーション機能
将来はネットワーク経由で、ロボットがコミュニケーションメディアとなり、家の中の人と家の外の人とのコミュニケーションを可能にする機能の開発にも取り組んでいきます。

これらの3つのリモート機能により、離れた所からでも、いつでもどこでも
家族が繋がる
社会と繋がる
未来の生活の実現を目指しています。

社会との共創と社会への貢献

トヨタでは生活支援ロボットの開発にあたり、生活支援のニーズが高い、手足に障がいを持つ方の支援からロボットの開発をスタートしました。人と一緒に暮らし、人のサポートを行う 「介助犬」に着目し、日本介助犬協会の協力のもと、手足の不自由な方々をヒアリングし、

  • 物を取ってくるなど簡単なことを気兼ねなく頼みたい
  • ヘルパーのいないときに利用したい
  • 緊急時の連絡、見守り
  • 家族やヘルパーへの連絡

などの困りごとや要望があることを受け

  • 「落ちた物を拾う」
  • 「物を取ってくる」
  • 「家族や介護者とのコミュニケーション」

を実現するロボットの基本機能の開発に取り組んできました。また開発と並行して横浜市総合リハビリテーションセンターの協力のもと、実際の障がい者の自宅で生活支援ロボットを使った実証実験を実施し、利用者の視点をフィードバックしながら開発を進めています。トヨタでは生活支援ロボットを通じて、手足の不自由な方々の家庭内での自立支援と家の外の家族やヘルパーをロボットで繋げる遠隔支援により、幅広い生活支援の実現を目指しています。

また、将来は、少子高齢化の社会の変化に応じて、障がい者から、さらに高齢者、一般の方までの幅広い生活をサポートするパートナーロボットの研究開発に取り組んでいきます。

仕様

主な仕様

本体直径 430mm
本体高さ 1,005~1,350mm
重量 約37kg
腕長さ 約600mm
肩高さ 340〜1,030mm
把持物 1.2kg以下, 幅130mm以下
最大速度 0.8km/h
走破性能 段差5mm, 登坂5°

パンフレットはこちら

紹介ビデオ

プレスリリース

歩行支援ロボット

歩行支援ロボットは、脳卒中やポリオなどによる下肢麻痺で片足が麻痺し、歩行が不自由になった方が、より自然で安全な歩行をアシストする足に装着するウェアラブルタイプのロボットです。

歩行支援ロボットは、片足に装着し、リハビリでの機能回復をサポートします。リハビリ後は、「平地での歩行」「階段の上り下り」「椅子に座る動作や椅子から立ち上がる動作」「スロープや坂の上り降り」「トイレの利用」「車椅子の利用」「車の助手席や後部差席への乗り降り」等、日常生活の様々なシーンで の歩行と生活の動作をアシストし、利用者が自立して、より豊かでアクティブな生活をおくれるようにサポートします。

マルチセンサー・インテリジェント制御(協調制御)

大腿部姿勢制御センサーと足裏荷重センサーにより、装着する人の大腿部姿勢と足裏の荷重を検知。歩く人の歩幅や速度に合わせて膝のアクチュエーターの制御により、最適な歩行アシストを実現しています。
歩く人の歩行速度を推定することで、ユーザーは自分の好きなペースや自分に合ったペースで自然に安心して歩行することができます。

タイミングロック機構

膝関節の特殊リンク機構により、足の振り出しから、地面に足を着地して体重を支えるタイミングまで、確実に膝をロックすることで、膝折れすることなく、安心して歩行することができます。

軽量素材

ボディーの素材にはCFRPを採用し、軽量化により利用者の負担の軽減を図っています。トヨタの歩行アシストロボットは、独自のアーキテクチャーと アルゴリズムで、より自由・安全・自立した歩行と生活をサポートしていくことを目指し、開発と実証を進めていきます。

プレスリリース

発表 2011年
大きさ 幅280×長さ290×高さ620~770mm
重量 3.5kg

移乗支援ロボット

現在、多くの医療や介護の現場では患者や要介護者のベッドからの移乗に、2人の介助者や介護者が必要です。
一般的に行われている要介護者を抱きかかえての移乗の補助は、腰への負担が大きく、介助者の7割近くが腰痛を持っているというデータもあります。
移乗支援ロボットは、ベッドからの移乗機能だけでなく、トイレなど室内や屋内の目的地への移動機能も兼ね備え、アシスト機能により介助者や介護者が1人の場合でもより楽で快適な移乗と移動を支援するロボットです。
一人で介助や介護できることは、介助者や介護者の身体的な負担と介護される人の心理的な負担を軽減し、快適に気軽に移乗と移動ができるようになり、相互のQuality of Lifeの向上につながります。

人に優しい操作系

移乗支援ロボットは、介護する人にとっても、介護される人にとっても安全で簡単に操作できるユニバーサル操作設計になっています。介護者が操作するホールドするアーム機構や、介護する人を運ぶためのモビリティー機構は、介護される人と介助者・介護者の双方の姿勢や位置の負担を配慮した設計になっています。

らくらく・あんしん調整機構

要介護者をホールドして支えるアーム部分は、介助者や介護者が片手で簡単に調整できるユニバーサルな操作インターフェースとアシスト機能を実現。挟み込み防止機能で介護される人と介助者・介護者への安全性に配慮しています。

やさしく包み込む保持具

介護者をホールドする保持具は、やさしく包み込むことにより介護される人の負担と不安を軽減します。

らくらくパワーアシスト台車

移動時は、重さを感じさせないパワーアシスト機能により、介助者や介護者の負担を軽減します。

プレスリリース

発表 2011年
大きさ 幅700×長さ995×高さ900mm
重量 140kg

ヒューマノイド

ヒューマノイドは、人が親しみやすく、生活環境への適応性をもった二足歩行型のパートナーロボットです。
柔軟な身体能力と高度な全身協調制御技術により、人の手や腕の繊細な動きを実現。人のように歩いたり、道具を使うこともできます。ヒューマノイドは、人に近い動きができる能力を活かし、家庭の中で、家事の手伝いをしたり、人をサポートするパートナーロボットを目指して開発をしています。

トランペットの演奏

やさしく繊細な人の唇の動きを実現する「人工唇」と、ピストン制御により動く指で、まるで人のようにトランペットの演奏ができます。将来、繊細で高度な指や手のマニピュレーション技術と道具を使う能力は、医療や介護の現場や、家庭で人の仕事や暮らしをサポートする際に有効な機能です。

発表 2005年
サイズ(高さ×幅×奥行) 1480mm × 609mm × 395mm
重量 40kg

バイオリンの演奏

緻密で繊細な指と手の動きで、弓を引き、ビブラートをかけ、人のようにバイオリンを演奏することができます。
道具を使う高度なマニピュレーション技術と、演奏に合わせて、全身でバランスをとる運動能力と協調制御技術は、将来、家庭で人の暮らしをサポートする際に有効な機能です。

発表 2007年
サイズ(高さ×幅×奥行) 1522mm × 761mm × 497mm
重量 56kg