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「たしかに、加齢による身体的な変化も運転に影響するんですよ。 でも、考えてみてください。 ハンドルを回すのに、どれほどの腕力を使うでしょうか。 ブレーキを踏むのに、どれほどの脚力が必要でしょうか。
加齢による影響は、運転の操作に関わる部分よりも、 むしろ、認知や判断の部分が大きいと思います。」
たしかに、視力や聴力は落ちてきますね。
「そう。運転免許の更新時に目の検査をしますが、 単に視力だけではなくて、動体視力も明暗反応も変わってきます。」
明暗反応って、明るさに対する目の反応ですよね。
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運転に必要な筋力は意外に小さい
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「はい。たとえば、昼間、クルマで走っていて、間違えてサングラスをしたままトンネルに入ったことはありませんか。
サングラスの濃さにもよりますが、暗くて不安になると思います。 加齢によって明暗反応が衰えてくると同じように感じるでしょうね。 運転が年をとっていたら、もしかしたら、ブレーキを踏むかも知れませんね。」
あぶないですね。高速道路にもトンネルありますし。
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「そう。でも、暗いところに入ると見えづらくなってきたなとか 『自分自身の変化』に気づいていれば、トンネルに入る前に、 ちょっとスピードを落とすとか、クルマと車線の位置関係を確かめるとか、 何かしら安全な方向に向けて対処できることがあると思うんです。」
あ、運転が年をとってくると「このまえも通ったから大丈夫」と、 そのままトンネルに入っていっちゃうわけですね。
「その通り。思い込みの部分ですね。 大体、思い込みは、自分の都合の良いほうに考えるものですから。」
それと、まわりを走っているクルマも気をつけなくちゃいけないですね。もしかしたら、トンネルに入って急にブレーキを踏むクルマが 自分の前を走っているかも知れないわけですから。
「あ、いいことを言いましたね。 ふだん、クルマで走っているとクルマだけを見ているので、 まわりを自分と同じように考えがちですが、実は、そうでもないんですね。
道を歩いていると、お年寄り、おじさん、おばさん、若い人、子どもを連れた人、 いろんな人に会います。クルマで走っている道路も同じですね、 本当は、いろんな人がいっしょに走っているんです。」
なるほど。ところで、神野さん、運転の高齢化を防ぐためには、 どんなことをしたらいいんですか?
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自分に都合の良い「思い込み」は 運転の大敵

いろんな人がいっしょに道路を使っている
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