モビ・レポ!モビリタを体験したゲストが語る安全の話 クルマ雑誌「ahead」プロデューサー 近藤正純・ロバートさん 前編 近藤正純・ロバートさん
近藤正純・ロバート プロフィール
職業:出版社社長
生年月日:1965年3月19日 血液型:A型
好きな言葉:それを夢見ることができるならば、あなたはそれを実現できる
       (ウォルト・ディズニー)
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「ahead」ホームページ: http://www.ahead-magazine.com/index.html
ツイッター: http://twitter.com/RobertKondo
近藤正純・ロバートさん
1.安全は自分から発信するもの 2.「モビリタ」には思想や哲学がある
「僕はクルマ好きとかカーマニアとかじゃ全然ないですよ」
そう語るのは、今回のゲストとしてお招きした近藤正純ロバートさんだ。10年間勤めた銀行を辞め、12年前に「レゾナンス」という会社を立ち上げ、2003年から「ahead(アヘッド)」というクルマ雑誌のプロデュースに携わる。自動車メディア業界で異色の経歴の持ち主だ。
現在45歳の近藤さんは、スーパーカーブームにどっぷり浸かった世代で、大学卒業直後には中嶋悟さんがF1初の日本人ドライバーになり、銀行時代はその中嶋さんのスポンサー会社の担当だったこともあるという。しかし出版社を立ち上げた理由は、こうした経験とは違うところにあった。
photoゴー・アヘッド
「僕が銀行にいた時代の後半は、バブルが弾けた直後ということもあって、不良債権処理の仕事ばかりで。上司と昼飯を食べていても、そういう話ばかりで、すごい暗かったんです(笑)。ところがそんな上司も、『今度クルマ買うんだ』という話になると、急に少年のように目を輝かせる。だったらクルマやバイクの話題を、職場にガンガン送りつける雑誌があっていいんじゃないかと。昼休みに読んで、「オレもちょっとやってみるか」みたいな気持ちにさせる雑誌を作れば、少しは世の中の役に立つんじゃないかと思ったんです」 雑誌名の起源は「ゴー・アヘッド!」、和訳すれば「前に出ろ!」という言葉となる。
「日本ほど平和で豊かな国は他にあまりないのに、みんな暗い話題ばかり口にして、自殺者が年間2万人を超えている状況ってなんなんだろう?と銀行時代不思議に思っていたんです。それなら日本に1社ぐらい、一歩前に出ようよ、一度しかない人生なんだからチャレンジしようよ!と言い続けるバカな出版社があってもいいだろうと(笑)。その気持ちをどう伝えようかと考えたとき、銀行時代の昼飯のとき盛り上がったシーンを思い出したんです」
photoクルマは人々をワクワクさせるもの
ところがaheadをスタートしたことで、もっともクルマにのめりこんだのは、近藤さん自身だった。「前に出ろ!」といっておいて何もしていないのはまずいと思い、創刊のわずか半年後、ほとんどペーパードライバーでありながらトヨタ・ヴィッツのワンメイクレースを始めたのだ。
「最初は怖くて、泣きながら走ってました。自分がレースをやるなんてまったく想定してなかったんで。しかも最初にツインリンクもてぎで練習したら、今のベストタイムと比較すると1分位遅いタイムだったんです。すごい迷惑で(笑)。ガンガン後ろから抜かれ、当てられてグラベル(非舗装路面)に出され、戻ってきたら「遅くて危ない」と怒られたり。でも上達するにつれて、だんだん興味が湧くようになりました。クルマってメンタル面でもこんなにインパクトがあるんだと」
レースへの挑戦は、多くの人に勇気を与えた。なんと読者だけで約100人もA級ライセンスを取る人が出てきたのだ。『すごい勇気づけられました』『レースに出たら元気になりました』という内容のメールがたくさんきたという。
「雑誌を見ていただければわかるんですが、aheadには専門誌みたいにスペックがどうこうという記述はほとんどないんです。でも読んでいくと、なんとなく元気になったりする。僕はクルマが人々をワクワクさせるものだっていうことにすごく興味があるんです。『もうなんにもできない』なんて思っていた人が、クルマひとつで気持ちが昂ぶって、仕事も前向きになったりする。極論をすると、人生すら変えてしまえる。そんな部分にとても興味があって、雑誌を作っているんです」
photo自分からも発信しようよ
自動車雑誌の仕事は、さまざまなクルマに乗っていろいろな場所を走り、その体験を記事にしていくという作業が中心になる。一般のドライバーより、はるかに濃密な経験をしてきている。ところがそんな仕事に携わる近藤さんであっても、モビリタは想定外の場所だったようだ。
「テクニックを教えていただける場所だと思い込んでいたんです。低ミュー路ではこのように走りますとか、ブレーキはこう掛けると安全に止まれますとか。でも実際は、どういう心構えや考え方を持って乗るかが基本の柱にあって、そのうえでテクニックがあると感じました。神野チーフインストラクター(以下神野CI)は『あいさつ』という言葉を使っていましたが、僕の勝手な理解では、クルマの運転とはコミュニケーションをとることなんだと。そうした安全運転に対する『思想の柱』を感じられたことがいちばんの発見でした」
近藤さんはさらに「発信」という言葉を使って、モビリタでの新しい発見を別の角度から説明してくれた。 「いままでの安全教育は、きょうの講習でもオリエンテーションで出た『認知、判断、操作』が主体でしたが、この範囲内にある安全の話っていうのは、受身なんです。でも神野CIのおっしゃっている『あいさつ』や、僕のいうコミュニケーションは、『自分からも発信しようよ』ということじゃないかと。まわりの人やクルマと会話をしましょうということです。こういう対応をしていれば事故にならないっていう受身的な対応は理解していたんですけど、他に発信するということは思ってなかったんで、すごい発見でした。そういう意識を軸として持つことこそ、いちばん重要じゃないかと教えられました」
テクニックを数時間で教わっても、家に帰って一ヶ月も経つと、忘れてしまったり、たとえ覚えていてもそれを試せる場所がほとんどなかったりという結果になってしまう。それに比べると、モビリタの講習は長く残るというのが近藤さんの感想だった。
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