 
モビリタの講習で、楢崎選手がまず印象に残ったのは、神野チーフインストラクター(以下CI)がオリエンテーションで口にした「予測」という言葉だった。
「基本的にせっかちで、前に遅いクルマがいるとどうしても抜きたくなっちゃうタイプなんです(笑)。でも今日聞いた話の中で、『コイツは前に割り込んでくるんじゃないか』という予測は普段からけっこうできていると思っていました。でもさすがに神野CIが話されたように、割り込まれても怒ったりせず、逆に『俺で良かったね』と進んで入れてあげる心の余裕はなかなか持てませんが(笑)」
さらに楢崎選手は、「後ろを見ないドライバーが多い」という言葉に共感した。彼自身が後ろを見ていなかったわけではない。むしろ楢崎選手は、運転中に周囲をチェックすることは大事だと思い、しっかり実践していた。だからこそ、まわりのドライバーの中に、後方確認をしていない人が多いことに気づいていた。そのことを神野CIが取り上げたので、我が意を得たりという気持ちになったそうだ。
「僕は職業柄、そういうのに慣れているかもしれません。前を見ているだけではゴールキーパーはできないんで、その点は得したかなと(笑)」
モビリタの内部では、「運転はサッカー型」という言葉を使っている。自分のポジションから、レーダーのようにまわりを見て、それをコンマ何秒かで感じて処理し、次に行くというサッカーのプレースタイルは、クルマの運転と一緒だからだ。その言葉を、図らずも楢崎選手は日頃のドライブで実践していたことになる。 |