レース結果

2007 エッソ・フォーミュラトヨタシリーズ 第3戦・もてぎ
2007 ESSO FORMULA TOYOTA SERIES ROUND 3 MOTEGI


ツインリンクもてぎ/13周
予選:7月1日(日)曇り/ドライ
決勝レース:7月1日(日)/晴れ/ドライ/観客数:未発表


井口卓人の初優勝は、ポール・トゥ・ウィンで!国本京佑とケイ・コッツォリーノの猛攻も最後まで防ぐ


国本の強さは、果たしてもてぎでも保たれるのか?
 今年のエッソ・フォーミュラトヨタシリーズは全7戦で争われるだけに、早いものでもう中盤戦に突入することになる。鈴鹿、富士に続く第3戦の舞台はツインリンクもてぎ。ストップ&ゴーが繰り返されるコースレイアウトは、ブレーキやミッションを酷使することで知られている。ここまでの2戦は、いずれも国本京佑が優勝。開幕戦では松井孝允と、そして第2戦ではケイ・コッツォリーノと激しくトップを争いあって逆転、そのまま逃げ切りを果たしている。
 興味深いのは、その国本がまだフォーミュラトヨタでは一度もポールポジションを奪っていないことだ。それを国本は「単純に条件が整わなかったから」とし、なおかつ「逆転する自信はありました」と、全く深刻に受け止めていない。というより、恐ろしいまでの自信をみなぎらせてもいるのだ。完全に強さを身につけた国本を止める者は現れるのか? いずれにせよ、今回もポイントリーダー国本が、レース展開の軸になるのは間違いない。

井口が今季2回目のポールを奪う。国本は3番手に
 今回は久々にワンデイレースとして開催されたが、土曜日には30分間の専有走行が4セッション設けられ、これがエントラントには大好評。最終セッションこそ小雨がぱらついたが、それまではセッションを重ねるごと各ドライバーはタイムを縮め続け、十分肩慣らしを済ます格好となった。ちなみに、トップタイムはコッツォリーノがマークした1分56秒077。これに僅差で国本、井口、増田定臣が続き、8人が56秒台を記録した。
 開けて日曜日は雲こそ上空に広がるものの、梅雨時だというのに雨の心配は一切無用。むしろ空気のひんやりとした、穏やかなコンディションとなっていた。フォーミュラトヨタの予選計測は20分間だが、いつものようにすぐコースインする車両はない。4分、5分と経ったところで、ようやくエンジンに火が入れられ、ゆっくりとそれぞれコースに臨んでいく。TDPの井口、松井にいたっては、しんがりどころか間もなく半分に迫ろうというタイミングでコースイン。だが、こと井口に関してはそれで十分だった。なんとファーストアタックから1分55秒台に入れて、いきなりトップに浮上。同じタイミングでは、ライバルより1周少ないにも関わらず。その後、松下昌揮の逆転を許すも、ほんの束の間、井口は55秒687にまで短縮果たして、そのまま逃げ切りを果たすこととなった。
 「悪くない感じですね。昨日は出せなかったタイムなんですけど、湿度が変わってエンジンがよく回っていましたし、僕自身も昨日ロガーを見て、いろいろ走りを見直した効果が現れたんだと思います。後は焦らずレースできれば! だんだん自信がついてきたので、何でもプラス思考で行きますよ」と井口。ポール獲得は開幕戦以来となる。
 2番手は松下で、3番手は国本。「(トップから)コンマ3秒差ですし、何とかなると思います。スタートも昨日かなり練習したから大丈夫です」と、国本はやはり余裕の表情を見せた。一方、練習でトップだったコッツォリーノは金井亮忠に続く5番手に。若干ながら変化したコンディションに対処しきれず、その表情には無念の色が浮かんでいた。


スタート決めた井口。しかし、トップ争いは三つ巴に
 わずか3時間半ほどのインターバルを挟んで、決勝レースが行われた。予選の後に青空も広がるようになって、気温もわずかながら上昇。コンディションとて変化しているはずだ。昨今のフォーミュラトヨタは上位が極めて僅差。予選ではトップ8が1秒の間に並んでもいたから、こういう変化にドライバーもどう対処できるかも、勝敗の鍵を十分握るだろう。
 注目されたスタートでは、ポール井口がほぼ完璧に決めて、トップで1コーナーをクリア。これに松下が続くも、国本が130Rでオーバーテイクに成功、コッツォリーノもまた90度コーナーで金井を抜いて4番手に浮上と、早くも上位はオープニングラップのうちに動きを見せた。特にコッツォリーノが勢い十分。予選をしくじった悔しさを叩きつけるかのように、2周目の90度コーナーで切れ味鋭いブレーキングを見せて松下をかわす。そして、その勢いのままトップを争う井口、国本にも迫っていった。
 そのトップ争いもまた、非常に熾烈を極めた。ラップタイムでは国本の方が上回り、何度も抜きに出るのだが、そのつど井口もガードを固めて逆転を許さず。そこで国本も変に牽制するよりも、じっくり着いていった方がプレッシャーがかかると戦法を切り替えることに。過去2戦、こうして勝利をつかんできただけに……。


最後の踏んばりが効いた井口、嬉しいトップチェッカーを受ける
 レースが終盤に差し掛かった7周目、3番手を走るコッツォリーノのペースがわずかながら鈍り始めた。どうやら序盤のタイヤの酷使が効いてきたようだ。それでも後続に追いつかれないだけのマージン、そしてペースではあったが。その後続による4番手争いも激しく、松下が増田、金井を従えて周回を重ねていた。
 また、応戦一方だった井口にも変化が見られるようになる。11周目にファステストラップ、1分57秒895をマークして残る力のすべてを絞り出すと、それまでずっとコンマ数秒でしかなかった間隔が1秒に広がることに。これが決め手となって、井口は逃げ切りに成功。ポール・トゥ・ウィンでついに初優勝を飾ることとなった。一方、ついに連勝を止めて2位に留まった国本ながら、「まぁ、予選よりひとつ順位を上げられたので、今回はこれで良しとします。もちろん連勝が途切れた悔しさはありますけど、高得点を絶えず稼ぐことも重要ですからね」と語るとおり、問題なくランキングのトップは死守。今の国本としては、最低限の目標をクリアすることとなった。そしてコッツォリーノも3位につけて、2戦連続で表彰台に立つこととなった。
 また、もうひとつ注目された4番手争いだが、最終ラップに増田が松下を逆転。抜かれた松下は、しかもレース後の再車検で使用部品の違反が発覚し、失格となってしまう。これにより、金井以下の順位がひとつ繰り上がり、松井が6位という結果を得ることとなった。

ウィナーズコメント
「我ながら自信というのは、本当に大きいですね!」(井口)

「前半きつかったんですけど、そこをなんとか抑え抜いたのが一番の勝因のように思いますね。たぶん、内圧の問題だったんでしょうが、かえって後半の方が楽でしたから。それにしても(国本の)プレッシャーはきつかったぁ! きっと少し前の自分なら確実にやられていたと思います。我ながら自信というのは、本当に大きいですね。これからも僕は何でもプラス思考でいきますよ。それとフォーミュラトヨタでも勝てて、本当に嬉しいです!」

ウィナーズプロフィール
自信とプラス思考。持ち前の速さにこれが加わり、強さの秘訣に

井口卓人(Takuto Iguchi) 生年月日:1988年2月13日 出身地:福岡県

 正直なところ、本人もこれほどまでに産みの苦しみを感じるとは思わなかったに違いない。開幕前のテストではドライ、ウェット問わず好タイムをマークし続け、絶好調をアピールしていたのだから。「このオフにできることはすべてやりました。肉体的にも精神的にも。それこそ自分を追い込むまでに」と語り、チャンピオン候補と目されていた井口卓人。実際、開幕戦ではポールポジションを獲得している。
 だが、このレースではスタートの失敗が響いて2位に留まり、第2戦では痛恨のコースアウトが響いてポイント獲得さえも許されなかった。どうしてなんだろう……、きっとそんな思いであったに違いない。が、第3戦までのインターバルでメンタル面の鍛錬を行い、今の状況もポジティブに考えられるように。同時に、併せて参戦するFCJでこの間、第7戦で初優勝。それが大いに自信へと結びついたことは自身も認めている。そして、第3戦、フォーミュラトヨタでもついに優勝を飾ることとなった。
 その井口がカートと最初に出会ったのは2000年、12歳の時だった。その翌年から本格的に活動を開始、地元九州のシリーズを戦うことに。04年には全日本選手権にも進出を果たす。そして、05年には九州出身のドライバーとして初めてのチャンピオンを、FAクラスで獲得。また、この年にはアジア-パシフィック選手権のICAクラスで3位に入って、その名を全国に轟かすこととなる。併せて受講したFTRSで実力を認められたことから、井口の道は大きく広がるように。
 06年はTDPからフォーミュラトヨタ、そしてFCJに参戦。シリーズ前半は経験の少なさもあって苦戦を強いられるも、成績はやがて右上がり。ともに終盤には最上位となる3位を得て、フォーミュラトヨタでは6位、FCJでは10位のランキングを獲得する。そして、勝負の年となる今年は、今まさに本領が発揮されたところ。ここからの成長ぶりに期待がかかる。


決勝結果はこちら   予選結果はこちら

© 2007 TOYOTA MOTOR CORPORATION, All Rights Reserved.