'00 ESSO FORMULA TOYOTA
SERIES ROUND 7
●セントラルパークMINEサーキット/15周
●予選/9月16日(土)晴れ/ドライ/観客数:12,400人
●決勝レース/9月17日(日)晴れ/ドライ/観客数:31,400人

初めて挑んだコースでポール・トゥ・ウィン
4勝目を挙げた後藤聡が、栄光へのマジック点灯!

◆QUALIFY◆

 バトルあり、独走ありと決して一筋縄ではいかぬ展開が続いている、エッソ・フォーミュラトヨタ。そのシリーズ第7戦はメインシリーズとしては初めて、セントラルパークMINEサーキットで争われることとなった。昨年までウエストシリーズが行われていたサーキットではあるものの、エントラントの棲み分けが完全にできていたこともあり、意外に実戦経験者は少ない。そのことがどう勝負に影響をもたらすか注目された。
 また、注目といえばもうひとつ。ここまで3勝を挙げ、なおかつまだ一度も表彰台を外さないポイントリーダーの後藤聡に、条件つきではあるものの、早くもタイトルの王手がかかっていた。

 離れていったとはいえ台風の影響で、予選はドライコンディションを保ちながらも、ストレートに強い追い風が吹く中で行われた。話は前後してしまうが、終了後に多くのドライバーが語っていたのは、練習走行時とは路面コンディションが著しく変わっていた、ということ。そのため、どれだけ冷静に、かつ起用に対処できるかが、タイムアップの鍵となったようだ。ポジションが計測終了間際までめまぐるしく入れ替わる状況の中、8周目にマークした1分28秒227をベストタイムとし、今季3回目のポールポジションを獲得した。

「渾身の力を込めた走りができました。とはいえ、ここまでの状況は大変だったんです。今までとは全く違った方向のセッティングを試していたので、それを煮詰めるのに苦労して。予選までにうまく合わせられて良かったです」と後藤。初めてのコースで獲得したポールは、きっと精神的にもマージンになることだろう。

 しかし、今回ばかりは簡単に後藤は逃げ切りを許されそうもない。というのも、わずか1秒の間に20人ものドライバーが並んでいるからだ。2番手は小早川受黎で、3番手は伊藤健二。そして、その背後には昨年、ここMINEのFJ、フォーミュラトヨタでそれぞれタイトルを奪った、大串大介と井上智が並ぶこととなった。


◆RACE◆

 台風一過とは、まさにこのような状態を指すのだろう。上空には雲が残るものの、青がまぶしい爽やかな空の下で行われた決勝レース。スタートが勝敗の鍵を握ることが多いコースだけに、それぞれの良否が注目された。ここで好スタートを切ったのが、誰あろうポールの後藤。小早川のダッシュも悪くなく、イン側から1コーナーを攻めるが逆転は許されず。これに伊藤健二が続いたのだが、その背後ではアクシデントが起こっていた。井上と大串が接触。大串はなんとか姿勢を持ち直したが、井上はスピンしてしまった上に、後続のマシンに行く手をふさがれ、大きく遅れてしまう。

 このアクシデントを巧みにかわしていたのが、予選8番手のジェフ・ライト。なんと一気に4番手に浮上し、後藤、小早川、伊藤健二とともにトップグループを形成することとなる。少し離れて大串が5番手につけるも、井上との接触の際に左リヤのタイヤを痛めており、思うようにペースが上げられなくなっていた。5周目には代わって伊藤基司が5番手に躍り出て、その後は単独でポジションをキープすることとなった。

 4台でのトップ争いは非常に緊張感に満ちていた。それぞれの間隔は終始コンマ差、たった一度のミスが命取りとなることは確実だった。オープニングラップだけでコンマ8秒のリードを得ていた後藤ながら、序盤のペースは小早川の方が速く、徐々に差も詰められていたからなおのこと。しかし、11周目に差し掛かったあたりから、後藤のペースが明らかに後続を上回るようになり、再び差を広げることになった。逃げ切った後藤はこれで今季4勝目。しかし、小早川に続いて伊藤健二が3位につけたため、王座決定は次回以降に持ち越された。


◆WINNER'S COMENT◆

 厳しいレースでした。これは逃げ切れないな、と早い段階に気づいたので作戦を抜かれない走りに切り替えたんです。具体的に言うと、後続のクルマより僕の方が速かったのがシケインから最終コーナーまでの区間。コースの前半は少し抑えて、タイヤやブレーキに負担をかけないように走って、逆にシケインから先でプッシュ。最終コーナーを速く抜けられれば、ストレートや1コーナーで抜かれることはないですからね。それでも2コーナーだけが心配だったんですが、幸いここは砂がすごく出ていて、本当にラインが一本しかないような状況だったんです。ということは相手も無理はできませんよね。それにしても、緊張の続く週末でした。今年一番苦労したレースだったように思います。それだけに勝てて良かった。今回で(タイトルを)決めることはできませんでしたが、次で絶対! 是非応援してください


◆WINNER'S PROFILE◆

● 後藤 聡(ごとう さとる)
出身地:愛知県
生年月日:1969.9.11

 ついに今季4勝目を挙げ、同時に開幕からまだ一度も表彰台を外していない後藤聡。速さと強さ、そして安定感の三拍子が揃った走りは、まさにポイントリーダーの資格十分。早ければ、今回にもチャンピオンが決まる可能性もあったのだが、伊藤健二が必死の抵抗を見せたこともあり、次回以降に決定は持ち越されることとなった。しかしながら、次のレースで伊藤健二が優勝しても、後藤は5位にさえ入れば、悲願が達成する。冒頭でも触れた安定感を持ってすれば、もはやマジックが点灯したも同然と言えるだろう。

 その後藤は、最近では珍しい2輪レースからモータースポーツの世界に身を染めたドライバー。大学在籍中に2年間挑み、その後しばし活動を休止。改めて挑戦したのは96年からで、新たなるチャレンジの場として4輪レースを選んでいる。ザウルスジュニア東北シリーズでチャンピオンを獲得し、翌97年にはFJ1600に転向。各地のシリーズに積極的に参戦し、ホームシリーズとした東北シリーズでは2位に輝いている。その実績を携えて、98年にフォーミュラトヨタへステップアップ。開幕戦ではデビューウィンの偉業を果たし、シリーズランキングでは4位となる。が、その後の優勝にはなかなか恵まれず、2勝目の獲得は昨年の第2戦。しかも、ランキングでは7位に留まっていた。が、今年は流れを自らの手で変えつつある。昨年まで嫌と言うほど続いていた不運な展開が、まるでうそのように。

 ちなみに所属するル・ボーセ・モータースポーツはご存知のとおり、元F1ドライバーの片山右京が監督を務めるチームだ。またしても見守る中での優勝だけに、よほど嬉しかったのだろう、真っ先に表彰台の下に駆けつけていた。「実力は申し分ないんだから、チェッカーを受けた後は(F1の)ハッキネンみたいに派手に手を振ったりして、観客にウケを狙わなくっちゃ!」とユニークなアドバイスを飛ばしていた。



選手権 ポイント表
順位 ドライバー名 ポイント
1 後藤 聡 122
2 伊藤健二 64
3 伊藤隆広 41
4 ジェフ・ライト 39
5 小暮卓史 36


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