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'00 ESSO FORMULA TOYOTA SERIES ROUND 8 |
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●セントラルパークMINEサーキット/15周 ●予選/9月30日(土)雨/ウェット/観客数:9,600人 ●決勝レース/10月1日(日)晴れ/ドライ/観客数:32,900人 |
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後藤聡、無念のリタイアもタイトルは決定! ポール・トゥ・ウィンで田崎紀彦が初優勝 |
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◆QUALIFY◆ エッソ・フォーミュラトヨタのシリーズ第8戦の舞台は、前回に引き続きセントラルパークMINEサーキット。わずか2週間のインターバルで行われるだけに、イメージを残したままの走りが可能になるはずだったが、そこには思いがけぬ障壁が待ちかまえていた。それは天候だ。練習開始から絶えずコースは濡らされ、しかも雨足は変化し続ける有様。したがってタイムは参考程度にしかならず、またメカニックはどのコンディションにターゲットを絞るか、頭を抱える羽目となっていた。 さて、今回のレースの焦点といえば、何と言っても後藤聡がタイトルに2度目の王手をかけていたことだ。ランキング2位の伊藤健二でさえ、すでに58ポイントも差がつけられており、今回2位以下に留まってしまえば、後藤の王座決定を許してしまう。しかし、やはり雨に見舞われた予選で、その後藤は予想外の苦戦を強いられる。出だしこそ悪くなかったものの、その後の伸びに欠け、9番手に留まってしまったのだ。「クルマのバランスは悪くなかったんですが」という後藤の言葉には、「新品タイヤで行かせれば良かったね。我々のミスです」という坪松唯夫代表のフォローがつけ加えられた。 その間に目覚ましい勢いを見せたのが田崎紀彦だった。誰もが1分49秒台に留まっているような状況においても48秒台を連発したばかりか、7周目には1分47秒390をマーク。もちろん、その後誰にも逆転を許すことなく、初めてのポールポジションを獲得した。「自分が一番って意識は全然なくって、ピットからは常に『?(マイナス)』のサインが出されていたんです。だから、せいぜい3?4番手だろうと、帰ってくるまで思いこんでいました。実際にはそれが良かったのかもしれませんが、走りには全然納得していません」と田崎。 なお、2番手は前回のレースで2位だった小早川受黎で、3番手は伊藤。これに小暮貴史が続いていた。 ◆RACE◆ 前日までの悪天候が嘘のように、まさに秋晴れというべき好天に恵まれた決勝レース。そのため、どのチームも大幅なセッティング変更に、直前まで大わらわの様子だった。しかし、スタートの時は訪れた。グリーンシグナルの点灯に誰よりも素早く反応したのは伊藤。1コーナーに飛び込もうとする田崎と小早川の間に割って入ることとなった。しかし、伊藤がかわせたのは小早川のみ。田崎に続いて2番手でクリアする。 一方、その後方では予想だにしなかったアクシデントが発生していた。あろうことか、後藤が他車とからむ形でコースアウト。1周することさえ許されず、無念のリタイアを喫していたのだ。これで伊藤にもチャンス到来。前にいる田崎をパスできれば、希望を次戦以降につなげるからだ。しかし、状況は『前門の虎、後門の龍』。後方にも小早川がピタリとつけていたからだ。それどころか、7周目にジェフ・ライトをかわして4番手に浮上した小暮も一気に差を詰め、トップグループは4台で形成されることに。前回同様、緊張感に満ちたトップ争いが演じられていた。 この中で唯一勝負に出たのが小早川。「僕は3コーナーが誰よりも速かったし、タイミングとしてもあの周しかなかった」という小早川が11周目の第1ヘアピン、第2ヘアピンと相次いで伊藤のインに飛び込んだが、伊藤もこれに冷静に対処、しっかりと扉を閉めて逆転を許さず。しかし、その激しい攻防の間にトップの田崎は差を広げることになり、その貯金が奏功して逃げ切り成功。嬉しい初優勝を飾ることになった。と同時に伊藤が2位に甘んじたため、コース脇でレースを見守っていた後藤のチャンピオンも決定した。 ◆WINNER'S COMMENT◆ 楽なレースじゃなかったですね。それでもスタートで抜かれずに済んで、序盤のうちにわずかながらもマージンを作れたのが良かったんだと思います。後半はますます辛くなってきたんですが、後ろがやり合ってくれたんで逃げ切れました。これが初優勝。案外やった?!って気分じゃ今はなくて、むしろホッとしたって感じですね。レース中は思った以上に冷静に走れたからなんでしょうか ◆WINNER'S PROFILE◆
● 田崎紀彦(たさき のりひこ) しばらくの間、新たなウィナーが生まれずにいたエッソ・フォーミュラトヨタの沈黙がついに破られた。今季5人目のウィナーに輝いたのは田崎紀彦。今年がフォーミュラトヨタのみならず、4輪レース自体がデビューシーズンという20歳のドライバーだ。「小さい頃からの夢だった」というレーシングドライバーになるため、鈴鹿のレーシングスクールSRS-Fに入校したのが96年のこと。まだ18歳になる前だったため、ここでもう1年学び、併せてミッションカートレースにスポットで参戦したことがあるという。が、スカラシップを受けられなかったため、いったんはレース活動を断念するも、夢断ち切れず1年のブランクを経て、今年からフォーミュラトヨタに参戦。第4戦富士では予選5番手から2番手に浮上し、そのまま逃げ切って表彰台に上がっている。 ちなみにSRS-F時代の同期生には、現在ヨーロッパのF3で活躍する佐藤琢磨や金石年弘、Fニッポンで優勝も飾っている松田次生がおり、彼らが「いい刺激になるし、最大の目標であり、ライバル」と田崎。一歩遅れはしたが、これだけの強力な同期生たちにどこまで追いつくことができるか注目したい。 ◆CHAMPION'S COMMENT◆ レースの結果はすごく残念です。スタートはまずまず良かったのですが、第1ヘアピンを立ち上がったところで追突されて、僕が飛ばされたところに別なクルマを巻き込むような形になってしまいました。特に開幕戦からずっと続けてきた表彰台ゲットの記録が途絶えたのが悔しい。とりあえず、チャンピオンが決まって一安心って感じもあるんですけど、正直言ってまだ実感も何も、って感じです。でも、まだレースはふたつも残ってます。それは全部勝つぐらいの気持ちでいます。ここまでこれたのはチームの皆さん、そして、家族のおかげ。なので、勝って決められなかったという申し訳なさの方が、今はいっぱいなんです。それにもっと勝ち星を積み重ねて内容を濃くすることが、より明るい来シーズンに結びつくはずですから ◆CHAMPION'S PROFILE◆
● 後藤 聡(ごとう さとる) リタイアで決定という、これまでの展開とは全く裏腹なシーンになってしまったが、最終戦を待たずして悲願のタイトルを後藤聡がついに決めた。しかし、ここまで4勝を挙げ、その上並はずれた安定感を見せていたのだから、その王座決定にも文句をつける者は誰もいまい。 大学在籍中に2輪レースを2年行い、一時ブランクはあるが、96年から4輪レースに挑み、ザウルスジュニアとFJ1600を経て、98年にフォーミュラトヨタへステップアップ。開幕戦ではデビューウィンの偉業を果たし、シリーズランキングでは4位となる。が、その後の優勝にはなかなか恵まれず、2勝目の獲得は昨年の第2戦。しかも、ランキングでは7位に留まっていた。が、今年は流れを自らの手で変えた。その結果がタイトルなのだ。 所属するル・ボーセ・モータースポーツ坪松唯夫代表はこう語る。「昨年までは不運な展開が続いて、お互いに辛い思いをしてきたけど、その辛さや苦労を今年はすべて武器としたのは間違いない。もともと実力があるドライバーだし、それと始めたのが遅かったから年齢的なハンディもあるんだけど、それを補うために毎日10kmのマラソンとかトレーニングを欠かさない、努力家でもあるんです。今回のリタイアは残念だけど、チャンピオンというのは積み重ねてきたもので決まるものだから。僕らは素直におめでとうと言いたい」と。より一層誰もが認めるチャンピオンになるには、やはり残る2戦の優勝が欲しいところ。きっと後藤はやってくれる! |
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選手権 ポイント表
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