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'00 ESSO FORMULA TOYOTA SERIES ROUND 9 |
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●富士スピードウェイ/15周 ●予選/10月14日(土)曇り/ドライ/観客数:5,300人 ●決勝レース/10月15日(日)曇り/ドライ/観客数:33,700人 |
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初秋の富士に、また新たなウィナーが誕生! 横溝直輝が独走で、ライバルの誰をも寄せつけず |
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◆QUALIFY◆ 6月のシリーズ第4戦から4カ月ぶりに富士スピードウェイを舞台とする、エッソ・フォーミュラトヨタ。最終戦どころか、この第9戦をも待たずして前回のレースで、チャンピオンは後藤聡に決定したが、このレースが消化試合に終わることはまずない。自らの評価をさらに上げるべく、より勝ち星を重ねようと後藤が盤石の構えで挑んでいるし、同じようにチャンピオンを打ち破ることによって、評価が高まることをライバルの誰もが熟知しているからだ。いずれにせよ、バトルシーンがどのサーキットよりも多い富士だけに、激戦は必至。 しかし、予選では後藤がスローパンクチャーに見舞われるハプニングがあった。それも、このコースで最も重要とされる左のリヤタイヤに。そのため、本領を発揮することはできず、7番手に留まってしまう。この好機にポールポジションを奪ったのは、このところ伸び調子の横溝直輝だ。 「スリップストリームはうまく使えたんですが、1コーナーで少し姿勢を乱しちゃったんですよ。それでもベストタイムが出たんで、あそこをうまくまとめていれば、もっとタイムも縮まったでしょう。このコースはポール取ったからって、逃げられるようなことはない。タイム差も少ないだけに激しいトップ争いになるでしょうが、気を抜かず頑張ります」と、横溝は初ポールに満足そうな表情を見せて、そう語っていた。 「スリップストリームを使わず単独で出したタイム」ながら、ランキング2位の伊藤健二が2番手につけ、3番手は工藤和明。皮肉にもその工藤にスリップストリームを使われてしまった、信清友邦が4番手につけ、チームメイトの池田邦光と田崎紀彦を従えた。 ◆RACE◆ グランドスタンドの向こうにそびえる富士山は雲ですっかり覆われ、雪を被せたばかりの頂を隠していた。その上、天気予報では高い確率での降水を告げていたが、なんとか決勝レースはドライコンディションを保ったまま行われた。1コーナーへのホールショットを決めたのは、ポールシッターの横溝。ここで前に出たい伊藤だったが、ホィールスピンが大きく、逆に工藤にかわされてしまう。またで遅れてしまったといえば、もうひとり。後藤もまたひとつ順位を落とし、8番手に後退していた。 オープニングラップだけで2番手の工藤に対してコンマ7秒の差を広げた横溝は、その後もリードを広げ続け、4周目にはそれが1秒8に。逆に工藤は次の周に伊藤にかわされた後、徐々に順位を落としてしまう。2番手に浮上し、視界の開けた伊藤は横溝にも迫る勢いを見せた。しかし、それ以上のペースを見せたのは3番手に上がったばかりの田崎。7周目には予選をも上回るファステストラップをマークする。 また、その後方では予選9番手からジャンプアップを果たした吉本大樹を筆頭とした、激しい4番手争いが演じられていた。背後につけるのは池田と後藤、そして工藤。吉本が逃げ切るかと思われたが、11周目に池田が前に出て、そのまま逃げ切りに成功。逆に吉本は14周目にいったんは後藤の先行を許すが、最終ラップに再逆転。「ダウンフォースをつけすぎたっていうのもあるんですが、今回はいっぱいいっぱいでした」と、後藤は新チャンピオンとして最初の凱旋レースを飾るどころか、6位に留まり、さすがに悔しそうな表情を隠さなかった。 「何回か(横溝が)こっちを意識した走りをしているのが分かったんで、ミスを待ったんですが駄目でした。今までで一番悔しい2位」とまで伊藤に言わしめた横溝がポール・トゥ・ウィンを達成。もちろん、これが嬉しい初優勝だ。3位は連勝ならず田崎、4位は池田が獲得している。 ◆WINNER'S COMMENT◆ 伊藤(健二)さんが中盤からずっと背後につけていたんで、最後まで気の抜けないレースでした。大きく差を広げられなかったのは残念ですが、初めての優勝は嬉しいです。スタートはまずまずでしたが、ここでトップを奪われず、最初の数周でリードを広げられたのが、一番の勝因だと思います。去年からずっとトリイレーシングのクルマは富士が速くて、予選ではポールとかフロントローにつけているのに、なかなか勝てなかったんです。僕が、っていうより、このクルマが鳥居(忠)社長にようやく優勝をプレゼントできて本当に良かったです ◆WINNER'S PROFILE◆
● 横溝直輝(よこみぞ なおき) 普段ならスリップストリームを利した、激しいトップ争いが演じられることの多い富士なのだが、今回はポールシッターが最初から最後まで後続を寄せつけず、逃げ切ってしまった。オープニングラップのうちにマージンを稼ぎ、スリップストリームを相手に使わせないことが必勝パターンであることを改めて教えてくれたのが、今回初優勝を飾った横溝直輝だ。 12歳の時にカートレースを始め、ホームコースの大井松田カートランドのSストッククラスで、いきなりチャンピオンを獲得。その後、地方選手権、全日本選手権と順調にステップを重ね、97年から2年に渡り、最高峰のFSAクラスに出場していた。97年にはワールドカップに参戦し、決勝こそエンジントラブルでリタイアするも、並みいる世界の強豪を従え、ポールを獲得した経験もあるという。 そして、昨年よりエッソ・フォーミュラトヨタに参戦。スポット参戦ながら時折光った走りを見せ、今年はフル参戦を決意。途中チームを移籍こそしたが、最も自分にマッチした体制を得て、ついに本領を発揮した。「今までも練習では何度トップタイムを出していたんですが、スリップストリームの使い方が下手で、予選で沈むことが多く、それで目立った成績を残せずにいました。今回は予選でまずうまくスリップストリームが使えました。それがポールを奪えた一番の理由で、ひとつ課題をクリアできました」と、予選を終えた後に語っていた横溝。その言葉が示すように、未だ発展途上であるドライバーが今後どこまで伸びていくか。これからが楽しみなドライバーがまたひとり、新たに誕生した。 |
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選手権 ポイント表
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