エコモニタリングの成果から

吉田池ー貧栄養湿地の10年



○吉田池でのエコモニタリング
吉田池とは
吉田池の周辺には、湧水による貧栄養湿地が分布しています。以前は、観察のための木製のデッキが設置されていましたが、貧栄養湿地を保全するために、1998年に一部分を撤去しました。

写真:デッキ撤去前
[デッキ撤去前(1998年)]
→ 写真:デッキ撤去後
[(2004年)]

吉田池周辺の貧栄養湿地の変化
写真:吉田池右の写真は、2003年の吉田池の写真です。以前にデッキがあった場所は、撤去直後は裸地だったのですが、今は貧栄養湿地が広がっています。
デッキ撤去後の植生の変化を追ってみましょう。

1999年植生
貧栄養湿地1999年
デッキがあった場所の上部に貧栄養湿地が広がりました。またデッキの周囲には、遷移の初期段階にあらわれる一年草の低茎の種が多くみられました。
↓ 植生凡例
2001年植生
貧栄養湿地2001年
貧栄養湿地は保たれていますが、ミズゴケや草丈が中〜高茎の草類の生育地が下方に移動し、より丈の高い草類の分布域が広がっています。
↓
2003年植生
貧栄養湿地2003
2年たって、さらに低茎の植物群落が縮小し、その場所に代わって中茎や高茎の植物群落が拡大してきています。
貧栄養湿地も徐々に下方へ分布面積を拡げていますが、草地全体としては、丈の高い草が目立つようになり、確実に遷移は進んでいるようです。
矢印下2
2005年植生
貧栄養湿地2005年
さらに低茎の植物群落が縮小し、デッキの下流に一部のこるだけになりました。貧栄養湿地も周辺からミズゴケや高茎の植物群落の圧迫を受けて徐々に分布面積が小さくなってきました。
矢印下2
2007年植生
貧栄養湿地2007
ミズゴケの生育地が拡大し、貧栄養湿地が圧迫されており、かなり面積が小さくなっています。
2年前より若干水位が変動したため、低茎の植物群落は水位の変動域に生育地を拡げました。


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