2005年(平成17年)に開催された愛・地球博では、トヨタグループ館において「21世紀の"モビリティーの夢、楽しさ、感動"」をテーマに、地球環境への影響を減らしつつ人間社会が豊かになるための方向性を提案した。ウェルカムショーでは、8台のロボットバンド「コンチェロ」のバンド演奏、メインショーでは、未来ビークルとして、人が乗れる歩行ロボット「i-foot」が「i-unit」やダンサーと一体になった演技を披露した。
人と同じ空間でパートナーとして共生できる組立作業支援ロボット「ウィンドウ搭載アシスト」を開発し、高岡工場革新ラインに導入した。これは、人の持つ技能を生かしながらそれをアシストすることで、人と協調して働くことができる。人の操作意図推定と技能アシスト制御技術、低出力モーター(80W)で推力300Nとサイクルタイム50秒を両立させるメカ機構により実現した。
「パートナーロボット」の役立つ主なフィールドとして、「家庭内での家事支援」「介護・医療支援」「製造・モノづくり支援」「近距離のパーソナル移動支援」という4つの領域を考えており、工場での重い部品の搭載を容易にするアシスト装置のような「人と協調する技術」や、自律して動ける「移動技術」、走ったり跳んだりといった「全身運動能力」「道具を使う能力」を念頭に開発を進めている。
立乗り型のパーソナル移動支援ロボット「Winglet」は、コンパクトで持ち運び可能なボデーとし、センサーで常に姿勢を検出しながら制御することで、安定した状態のまま電動で2輪走行することを可能としている。さらに、独自の平行リンク機構を採用することで、乗員は体重移動のみにより前後進および旋回操作を行うことができ、狭い場所や混雑した空間においても、安心かつ快適に使用することができる。
2010年(平成22年)に開催された上海万博では、日本館でバイオリン演奏ロボットを紹介した。日本館は、「こころの和・わざの和」の出展テーマと、「つながろう!調和のとれた未来のために」というメッセージのもと、最先端技術と、自然と共生する日本の文化を展示。ロボットは人が親しみやすい二足歩行の形態で、両手・両腕を協調させ、バイオリンの弦を押さえて弓を弾き、ビブラートもかかった繊細な演奏を披露した。
2011年(平成23年)11月に、「介護・医療支援向け」のロボットを発表した。介護・医療の現場においては、病気・ケガなどで体の不自由な人や高齢者の自立生活、自立するためのトレーニングの支援、介護する側の体力的負担軽減のニーズが高いため、藤田保健衛生大学と共同で開発を進めている。実証実験などを通じて、現場のご意見やアドバイスをいただきながら、2013年以降の実用化を目指している。発表したロボットは以下のとおりである。