組立

TVAL開発

誰でも働けるラインを造るためには、作業負担の高い作業の改善を進めていく必要がある。そのために、作業負担の中でも、筋作業負担を客観的に定量評価できる方法(TOYOTA Verification of Assembly Line:TVAL)を開発。生体負担度の考え方を導入し、一連の作業ごとに、負担値を算出でき、改善の優先順位を付けて、作業姿勢の改善・自働化・組付けやすい車両構造への変更など、作業負担の改善が効率的に実施できる。

新組立ライン(トヨタ自動車九州(株):完結工程、人と共存する自働化)

組立ラインで働く人が、きつい作業から解放され、自らの仕事に働きがいを感じ、しかも自働化によってスペース的にも精神的にも主役の場から追いやられることなく、自らが主役となって自働機を作業の中に取り込んで使いこなすことをコンセプトにした組立ライン。新しく建設したトヨタ自動車九州(株)宮田工場で具現化し、作業者や管理監督者が意欲的に作業に取り組めるよう、管理運営に自律性を持たせた自律分散型機能完結ラインである。

エンジンコンパートメントオープン化(ラジエーターサポート脱着化)

エンジンコンパートメント(以下エンコパ)内の作業性向上のため、ラジエーターサポート(以下ラジサポ)を組立で脱着可能な構造に変更し、エンコパ内に入り、作業できるようにしたもの。エンジンルームメインW/Hの配策やブレーキブースターの組付け作業などは、エンコパ奥の作業となり作業性が非常に悪い。その対策としてラジサポアッパーをボルト構造に変更し、作業者がラジサポを脱着してエンコパ内に入り、作業を実施する。1997年(平成9年)「レクサス GS(アリスト)」より採用している。

スキルアシスト装置の開発

重たいインストルメントパネル(以下インパネ)Assy部品を楽に車両搭載するために、力センサーで計測した操作力に基づき、人が重い物をあたかも軽く操作する操作感と同じ仮想インピーダンス特性(質量・粘性など)を持たせ、小さい力で大きいアシスト力を発生させるスキルアシスト制御を開発した。それをインパネ搭載装置に採用し、全世界のトヨタの組立工場に導入済である。

SPS全面展開(堤工場)

SPSは、従来の組立ラインで行っていた部品の選択と組付けを分離し、ライン外で車両1台分の部品を選択・セットしてラインへ供給し、ラインではそのセットされた部品を組み付ける方式である。この方式により、ラインでは部品組付けだけに集中することができるため、リズミカルに作業ができ、標準作業が守りやすく、品質の安定と可動率の向上が図れる。また、作業訓練も正規工程と同じ条件で行うことが可能になり、作業習熟スピードの向上が図れる。

電動オイルパルスレンチの開発

サステイナブルプラント化推進(CO2排出量低減)の一環として、エア工具の電動化を目的に、小型・軽量の電動オイルパルスレンチを開発。この工具は、小型・軽量リチウムイオン電池を採用し、さらに、締付け時に手に伝わる振動を低減させるため、低振動減速機を採用している。結果、エア工具と同等の作業性を確保した上で、CO2排出量を90%削減している。