お客様向けの画像情報ネットワークシステム、Gazoo端末の画面には、中古車物流改善で生まれた「UVIS(Used car Visual Information System:ユービス)」、BP物流改善の「VBS(Virtual Body Shop:ブイビーエス)」を統合し、さらに新車情報の「NVIS(New car Visual Information System:エヌビス)」、車検や点検の見積もりや入庫予約ができる「MVIS(Maintenance Visual Information System:エムビス)」、下取り価格情報「SAGS(Self Appraisal Guide System:サグス)」、保険情報の「IVIS(Insurance Visual Information System:アイビス)」を追加し、お客様が店頭の端末からさまざまな情報を検索し、概算見積や納期、また商談予約や入庫予約ができるようにした。
さらに、お客様の来店誘致、ネットワークの利用促進の目的で、娯楽コンテンツを提供する「MULTI BOX(マルチボックス)」もあり、後に「がずぺっと」「オートキャンプ情報」「星占い」など人気コンテンツが追加された。
Gazoo端末画面
このマルチメディアキオスク端末「E-TOWER」は、SDカードメモリ、USB、メモリスティックなどさまざまな記憶媒体に対応したスロットをもち、音楽のダウンロードやナビの地図データの更新機能、デジカメの画像のプリント機能などを搭載し、さらにはATM(自動現金支払機)にもなる多機能端末であった。また、衛星配信される動画情報などを表示する「CMビジョン」の取り付けもできた。
GAZOO事業部(現 e-TOYOTA部)ではこのE-TOWERのコンビ二やスーパー、デパート、イベント施設など街中への展開を進め、GAZOOのネットワークとお客様との接点の拡大に努めた。
「限りなきカスタマー・インへの挑戦」を象徴的に具現化するこの専用端末の出現が、当時の新聞紙面(写真)を飾った。
E-TOWER発表新聞記事
テレマティクスサービスとは、車に情報通信端末を搭載し、無線ネットワークとデータセンターを通じて、ドライバーにインタラクティブな情報を提供するサービス。テレマティクスはTelecommunication(通信)とInformatics(情報科学)を組み合わせた造語。トヨタは国内で初めて専用通信機(DCM:データコミュニケーションモジュール)を搭載するテレマティクスサービスを確立、2002年(平成14年)にG-BOOKとしてサービスを開始した。
2007年に発表した第3世代G-BOOKmXは、安心と安全サービスに加え、最新地図を配信する「マップオンデマンド」やリアルタイムプローブによる交通情報「Gルート探索」などに対応した業界最先端の総合テレマティクスサービスである。
また、日本で培った技術を生かしグローバル展開を進め、2009年3月より中国、8月より米国でのサービスを開始している。
2010年12月には、急増するスマートフォンユーザー向けのテレマティクスサービス「Smart G-BOOK」を開始した。
「WiLL CYPHA」
G-BOOK(02モデル)
1994年(平成6年)に始まった販売店の業務改善活動の成果を集約し、「お客様との長期的な信頼関係の構築」を追求し、時代や環境に合わせて柔軟に進化を続けるCRM (Customer Relationship Management)システムの確立を図る取り組みがe-CRB(evolutionally Customer Relationship Building)である。お客様との信頼関係は「マネジメントする」のではなく、「構築する」ものだという考えから「e-CRM」ではなく「e-CRB」とした。
e-CRBでは車を購入してからのお客様の体験を「購入体験」「納車体験」「オーナー体験」「ディーラー接触体験」「サービス入庫体験」の5つのシーンに分類し、それぞれのシーンにおいてエクスクルーシブで洗練されたオペレーション体験を提供することを目指した。
e-CRB基本コンセプト
i-CROPはe-CRBの中核となるシステムである。定期点検やサービス入庫の誘致など、販売店からお客様へのさまざまなアプローチ計画を自動的に作成し、統合的に管理。さらに、コールセンターやTCV、SMBなどと連携し、もれなくタイムリーにフォローすることにより、「洗練されたディーラー接触体験」を実する。
i-CROP
コールセンターとサービスストール、サービスフロントをオンラインで結び情報を共有するための端末。サービスフロントに設置し、入庫予約状況から作業状況、ストールの空き状況など、サービスフロントにおける予約管理に必要な情報が液晶パネルに表示される。
SMB
お客様のお好みの色、グレードやオプションパーツなどを選択し、3D画像でご希望の車のイメージを紹介したり、見積もりを含めた商談メモを作成し、発行するシステム。
TCV
Gazoo muraプロジェクトは2006年12月にスタートしたプロジェクトである。「インターネットとクルマがマチとムラを結ぶ」をコンセプトに、都会と地域の人の交流を促進し、地域活性を支援するとともに、出会いと感動のある体験型ドライブを提案している。また、地域の人たちといっしょに、ドライブの目的地として「Gazoo mura」の開発を行なっている。2008年11月時点で全国33カ所の「Gazoo mura」を開発した。2008年9月までは国内営業本部の展開する「GNTF(がんばろう日本のトヨタ―ファンフューチャー)」と連携して活動してきた。
その後Gazoo muraの知名度が高まるにつれて参加する村数も徐々に拡大し、2011年12月末時点では、その数は58カ所に達している。
Gazoo muraとは
全国の「Gazoo mura」で生活する人たちがブログを通じて情報を発信し、全国の会員と交流する場として、専用のコーナーをGAZOO.comに開設した。
現在2011年末時点で参加ブロガー数は438に達し、貴重なムラからの情報を新鮮なコンテンツとして提供、全国からその情報を求めて人が足を運び、ムラの活性化につながっている。
販売店からお客様へのドライブ提案として、「Gazoo mura」を目的地としたドライブ体験ツアーを企画し、九州地区の販売店16社 * で試験的に実施した。
体験メニューはそれぞれの地域、民宿により様々で、2011年末時点での体験メニューは253件、宿泊施設は208に達している。
* 2011年12月末時点
ガズームラマガジン ガズームラ体験ツアー企画
ムラの持つ"人"の魅力に着目し、新しいドライブのかたちを提案する広報誌として「ガズームラマガジン」を創刊、全国に広がるガズームラの魅力を発信している。
ガズームラマガジン創刊2号
日本のモーターファンの増加と、自動車レースを切り口に、クルマ本来の魅力を伝え、自動車ファンを増やす目的でスタートしたプロジェクトである。
GAZOO.comにおいて2台のレーシングカーを作成し、2007年5月、世界最大の草レース「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に参戦し、完走を果たした。その経緯をGAZOO編集部が取材し、レポートするとともに、掲示板を通じて、モーターファンとの交流を行った。
2007年
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アルテッツァRS200
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109号車/110号車
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109号車:SP3クラス
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総合110位(クラス16位)
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110号車:SP3クラス
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総合104位(クラス14位)
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2008年
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LEXUS IS250(4時間耐久のみ)
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109号車:SP5クラス
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総合121位(クラス7位)
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2009年
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LEXUS LF-A 14号車/15号車
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14号車:SP8クラス
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総合81位(クラス3位)
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15号車:SP8クラス
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総合87位(クラス4位)
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2010年
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LEXUS LF-A 50号車/51号車
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50号車:SP8クラス
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総合18位(クラス1位)
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51号車:SP8クラス
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規定周回数に到達せず
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2011年
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LEXUS LF-A 87号車/88号車
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87号車:SP8クラス
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総合134位(クラス8位)
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88号車:SP8クラス
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総合41位(クラス3位)
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「アルテッツァRS200」
「LEXUS LF-A」
国内外のサーキットで開催されるレースの情報とトヨタ関連チームの活動をGAZOO編集部が取材し、レポートするとともに、掲示板を通じて、モーターファンとの交流を行なった。
インターネットの掲示板機能(BBS)を使い、人気のモータースポーツ、スーパーGTやニュルブルクリンク24時間耐久レースをサーキットからライブ中継し、遠方でサーキットに行けないファンでもライブBBSを利用して応援に参加できる。
2011年12月末時点のサーキットライブBBSでは、年間5万人規模の利用があり、約3万2,000件の応援コメントが寄せられる人気のコンテンツとなっている。
GAZOO Racingでは、2007年から”人を鍛える””クルマを鍛える”をテーマに世界一過酷なサーキットと言われるニュルブルクリンクでのレース参戦を続けている。
この取り組みを通じて、誕生した商品としては、「GRMN」「G's」そして、レクサスLFAなどがある。
「iQ GRMN」
「ノアG's」
中国では当時販売店網を構築中であった中国レクサスと広汽トヨタにおいては全拠点でe-CRBが展開された。販売店の立ち上げ時からe-CRBの導入を進めたため、画期的な成果を上げることができた。2008年(平成20年)4月に、生産から販売、回収までの全行程の不良在庫を削減するSLIMプロジェクトをスタートし、第1ステップとして、新車物流における「引当て」から納車までの全工程を見える化し、滞留車の削減を図り、次に、第2ステップでは販売店の店頭在庫の管理レベル向上に取り組んだ。そして、第3ステップではオーダー&アロケーションの適正化、第4ステップでは、量変動に対する生産・物流の追従性向上を図る。つまり、販売計画、生産計画といった川上まで遡り、全工程の改善に取り組んでいる。
これは販売店単位で、販売計画や生産計画を立案する取組みであり、e-CRBによって改善が進み販売店の現場の見える化が進んだからこそ可能になっているものである。さらに、お客様との接点としてG-BOOKが貢献し、G-BOOKを通じて報告される不良情報の分析が生産に生かされる。
SLIMはe-TOYOTA部の現時点での集大成のプロジェクトとしてスタートし、広汽トヨタにおける評価結果を踏まえ、新興地域への展開が図られることになった。
SLIMは、2009年6月より、中国・広汽トヨタで本格的な運用を開始した。生産、物流、販売、納車およびアフターサービスまでの各プロセスに存在する全車両が、現在どのプロセスにあるかを、広汽トヨタに設置された専用大型モニター上で、一台一台、正確に把握することができる。
広汽トヨタでは、この大型モニター前において、定期役員会が開催され、メーカー在庫や店頭在庫の情報を高頻度に生産計画や販売店への配車計画に反映し、リーンで効率的な流通を維持できるようになった。
SLIMモニター
販売店の店頭在庫を、車名、グレード、ボディカラー別に見える化し、鮮度と数量を管理するシステム。各販売店は、きめ細かな在庫管理が可能となった。
ディストリビューターと販売店間のオーダーと配車を最適化するためのシステム。各販売店の在庫台数と、お客様の注文状況に基づいて最適なオーダー案を算出し、生産計画に反映する。変化する市場にフレキシブルに追従するための中核といえるものである。
「トヨタフレンド」は人とクルマ、販売店、メーカーをつなぐクルマ向けソーシャルネットワークサービスでカーライフに必要な様々な商品・サービス情報などをお客様に提供する。
たとえば、EVおよびPHVの電池残量が少ない場合、充電を促す情報をあたかもクルマの「つぶやき」としてお客様に発信する。
さらにはお客様が指定するプライベートなソーシャルネットワークでありながら、TwitterやFacebookなどの外部のソーシャルネットワークサービスとも連携して、家族や友人とのコミュニケーションツールとしても利用でき、これらの情報はスマートフォンやタブレットPCなど、最新の携帯端末を通して提供可能となる。
2011年5月、米国セールスフォース・ドットコムと、同社の企業向けソーシャルネットワークサービスである「Chatter(チャター)」をベースに、この「トヨタフレンド」の構築に向け提携することで基本合意した。
「G-Station」はEV/PHV向けの200V充電スタンドであり、非接触型ICカードでの認証機能に加え、通信機能に対応しており、グローバルクラウドプラットフォームを活用した「トヨタスマートセンター」に接続できるのが特長。
利用者は、充電完了の通知をメールで受け取ることができる他、G-Stationの位置や空き状況をスマートフォンや携帯電話を通じて確認できる。
また、設置者は、利用者ごとの使用履歴の確認や、必要により使用回数や時間に応じた課金や、ポイント供与などをできる他、G-Stationの稼動状態を遠隔からモニターすることも可能。
さらに、設置者はG-Stationの位置情報に付帯して情報発信を行うことができる。
この「G-Station」をトヨタメディアサービスと共同開発し、2011年7月上旬よりトヨタメディアサービスから販売した。