CSRナビ

環境への取り組み

Challenge4水環境インパクト最小化チャレンジ

基本的な考え方

2050年、世界の総人口は91億人、水の需要は現在より55%増加、その影響で水不足に悩まされる人は全人口の40%にも達する、と言われています。
人口増加や気候変動にともなう水ストレスの増加、河川などの水質悪化に伴う規制強化など、水問題は企業活動におけるリスクの観点においてとても重要な課題となっています。クルマの製造では、塗装工程などで水を使用します。そのため、水環境へのインパクトを少しでも減らさなくてはなりません。
水環境の特性は、地域によって大きな違いがありますが、対策としては、「使用量を徹底的に削減」と「徹底的に水をきれいにして還す」の二つがあります。これまでトヨタでは、雨水回収による工業用水利用量の削減、工程での水使用量の削減、排水リサイクルによる取水量の削減と、高い水質で地域に還すことを推進してきました。
今後も、地域の要望や水問題に配慮し、地域の水環境にプラスの影響を与えられるように活動を推進していきます。

  • トヨタ調べ

トヨタの水チャレンジと水リスクとの関わり

地球は、表面の3分の2を水で覆われる「水の惑星」と呼ばれ、一見水は潤沢そうに思われます。しかし、今や水資源は希少資源と呼ばれるまでになり、「水の危機」は世界経済フォーラム(ダボス会議)において2012年以降常にグローバルリスクと認知されています。

企業が直面する水リスクには、水不足、水質汚濁、洪水などによる物理的リスク、課税や排水規制などの規制リスクやブランドイメージなどの評判リスクがあります。水の問題は、空間的、時間的偏在性が大きいために各地域に合わせたリスクマネジメントが必要になります。

トヨタでは各地域の水リスクを特定するために各地域のデータベースやWWF、WRI やWBCSD*1などが提供している情報、評価ツール*2を活用し、操業データなど工場の情報を元に水環境へのインパクトを評価しています。

候変動による変化に柔軟に対応していくためにも継続的に水に関わる情報を収集し、地域における課題に対して水使用量削減や水質改善に取り組んでいきます。加えて、水の問題が関係するステークホルダー(顧客、従業員、投資家、地域社会、NGO など)に対して適切に対応していきます。例えば、従業員に対しては、「清潔な水」や「衛生施設」へのアクセスを基本的人権として認識し、全従業員に対して提供しています。

また、トヨタは、ステークホルダーとの連携と情報開示に積極的に取り組んでいきます。地域社会との協議会や工場見学会などの双方向コミュニケーションの充実やCDPウォーター等を通じて情報開示に努めていきます。

  • *1世界自然保護基金(World Wide Fund for Nature)、世界資源研究所(World Resources Institute)、持続可能な開発のための世界経済人会議(World Business Council For Sustainable Development)
  • *2WWF Water Risk Filter、WRI Aqueduct、WBCSD Global Water Tool

グローバルの水環境

トヨタ水環境方針に基づく活動の推進

地域によって取り組むべき課題や対策が異なるなか、トヨタが水環境チャレンジをグローバルで達成するため、「トヨタ水環境方針」を定めて活動を推進しています。 「トヨタ水環境方針」では、使用量を徹底的に削減する「IN」と、使った水を徹底的にきれいにして還す「OUT」の2つの側面から水環境インパクトを評価し、インパクト最小化に向けた活動を推進しています。
また、「技術の追求」「地域に根ざした操業」「社会との連携」の3つの方向性からも活動を推進し、社会全体の豊かさにつながる“地域一番の工場” を目指していきます。

トヨタ水環境方針

生産活動における水使用量の低減

生産活動における水使用量の低減に向けて、新ライン改装計画と連動し、革新技術の導入や、日々の低減活動に取り組んでいます。2017年度、トヨタ自動車の水使用量(総量)は10.3百万m³(前年度比3.2%減)、生産台数当たりの水使用量は4.0m³/台(前年度比7.6%減)となりました。グローバルでも、各国・各地域の水環境事情に応じた着実な節水活動に取り組んでいます。2017年度、グローバル水使用量(総量)は32.9百万m³(前年度比0.4%増)、生産台数当たりの水使用量は3.1m³/台(前年度比1.2%増)となりました。

<2017年度の主な取り組み>

  • 「水使用量の徹底的な削減」の取り組みとして、国内で、からくりを使った初期雨水分離装置を開発
  • 「水使用量の徹底的な削減」の取り組みとして、トルコの事業体TMMで、水温の低い市水を利用した「水循環冷却システム」を構築し、冷却塔を廃止
  • 「徹底的に水をきれいにして還す」取り組みとして、「ニッケル・リンフリー化成処理剤」などの技術開発や、「高度処理技術である膜分離活性汚泥法」などを導入
  • からくり:電気などのエネルギーを使わない仕組み

グローバル水使用量(車両組立工場)と生産台数当たりの水使用量の推移