CSRナビ

生物多様性への取り組み

活動の輪を“地域・世界・未来”へ広げる3つの「つなぐ」プロジェクト

2008年3月、トヨタはCOP10に先駆けて、トヨタ『生物多様性ガイドライン』(自主方針)を取りまとめました。ガイドラインは、生物多様性に関する取り組みの基本的な考え方と、3つの取り組み項目(①技術による貢献、②社会との連携・協力、③情報開示)で構成されており、このガイドラインに沿ってさまざまな活動を展開してきました。

  • COP10:第10回国連生物多様性条約締約国会議
  • Toyota Green Wave Project 「地域をつなぐ」
  • Toyota Today for Tomorrow Project 「世界とつなぐ」
  • Toyota ESD Project 「未来へつなぐ」

新研究開発施設の自然・地域との共生に向けた取り組み

新研究開発施設の自然・地域との共生に向けた取り組み

持続可能な次世代モビリティの開発のため、豊田市と岡崎市にまたがる地域に新しい研究開発施設の建設を進めています。この事業においては「自然と共存し地域と調和するテクニカルセンター」をコンセプトに、事業予定地の約 6 割の面積を保全エリアとして残し、地域の皆様とともに森林と谷津田(谷地にある田んぼ)の再生やその管理を行っています。また、それら取り組みの状況やここで得られた新しい知見など、積極的に情報公開をしています。

「新研究開発施設の事業概要と環境保全の取り組み」についてはこちら(PDF:4.05MB / 全23ページ)

新研究開発施設の全体図

谷津田の再生に重要な生きものであるトノサマガエル

■事業地内でのどんぐり植樹祭

2017年6月、豊田市の花山・巴ケ丘・大沼小学校、岡崎市の下山小学校の5・6年生と教員をはじめ、県・市などの行政および地域関係者計90人が参加し、事業地内で植樹祭を行いました。苗木は、事業地内で拾ったコナラやアラカシなどのどんぐりを、牛乳パックに植えて小学校で育てたものです。当日は計600本を植樹。拾ったどんぐりで苗を育てて山に返すことで、どんぐりの山を守る取り組みを進めています。この取り組みは、「しもやま里山協議会」の構成団体である「香恋の森づくり推進協議会」 が中心になって進められ、トヨタの従業員も毎年ボランティアとして参加しています。こうした地元の主体的な活動を支援していくことで里山の保全につなげ、新研究開発施設が自然と共生し地域と調和したサステナブルなテクニカルセンターとなるよう、今後も活動を推進していきます。

どんぐりの苗木を植える子どもたち

植樹祭に集まった学校関係者、行政、地域の皆さん

■田んぼの生き物調査隊

2017年7月、水田に生息する生きものの調査を実施しました。環境条件が異なる「水田(農薬あり)」「ビオトープ(農薬なし)」「水路」の3つの水辺環境で、たも網やペットボトルトラップを使って生きものを捕獲。それぞれの環境での生きものの種類と数を調べて違いを比較しました。また、専門家の解説により、水田とその周辺にある森林の生きものがつながっていることを学び、環境の変化で生きものが減ると食物連鎖が崩れ、最終的には人間の食にも影響が及ぶことを知りました。

捕獲した生きものの観察

専門家による説明

■竹炭焼きと春の生きもの探し

2018年3月には「竹炭作り」と春の里山での「生きもの探し」を実施。自然の資源を循環利用していた昔の里山の生活を知り、現在の里山の課題について知ってもらうことを狙いとしました。「しもやま里山協議会」の「ぬかた炭焼きの会」の方から、ペール缶を使った竹炭の作り方や現代生活の中でも役立つ炭の使い方を教えていただきました。昼食では地元のお母さんが作る猪汁を食べながら、獣害についても知りました。また、「生きもの探し」では、森林や草地の生きものの痕跡を探したり、水田でヤマアカガエルの卵塊を観察したりすることにより、里山にはさまざまな環境があり、多くの生きものがいることを学びました。

ペール缶を使った竹炭作り

ヤマアカガエルの卵塊の観察

新研究開発施設ビジョン

新研究開発施設では「①温暖化・エネルギー問題への対応、②生態系・生物多様性の保全、③地域社会との交流・共生への寄与」を柱に、様々な環境配慮の取り組みを行い、「自然と共存し地域と調和したテクニカルセンター」の実現を目指します。

新研究開発施設ビジョン

森林・谷津田(里山)保全の取り組み

事業地を含む周辺の森林・谷津田(里山)においては、過疎化や高齢化によって、水土保全、水田耕作、生物多様性などの点で多くの課題がありました。そこで、事業計画の策定にあたっては、地元の環境団体のご意見や、専門家からの指導・助言を参考に、約6割の森林・谷津田を残置し保全することとし、「里山リノベーション」として生物多様性の高い健全な里山環境の創出と維持管理に取り組んでいます。

環境監視委員会

森林・谷津田(里山)の環境保全措置が適切に実施されるよう、専門的見地から指導・助言いただくことを目的として、造成工事を実施する愛知県企業庁とともに「トヨタ自動車新研究開発施設に係る環境監視委員会」を2012年3月に設置しました。本委員会は各環境分野の専門家や地元環境保護団体のメンバーから構成され、施設供用1年後まで年2回の開催を予定しています。

環境監視委員会についてはこちら

新研究開発施設 取り組み紹介

新研究開発施設の事業概要と環境保全の取り組み

新研究開発施設の事業概要と環境保全の取り組み(2014年9月第2版発行)

(PDF:4.05MB / 全23ページ)

里山環境との共生に向けて

里山環境との共生に向けて(2010年9月発行)

(PDF:2.36MB / 全16ページ)

生きものに関する冊子・論文の紹介

新研究開発施設の周辺には、多くの里山を代表する生きものが生息しています。
トヨタ自動車は、ミゾゴイ、サシバ、ハチクマ、ホトケドジョウ、キキョウなどをこの地域の里山環境を象徴する重要な生きものについて冊子にまとめ、イベントでの配布やトヨタウェブサイトで公開しています。2015年度には、カエル類に関する冊子を新たに発行しました。事業予定地やその周辺で見られるカエルたちについて、すでに知られている特徴に加え、鳴き声などの調査を通して新たに分かった彼らの一年間の様子などを、写真や図表、平易な文章で、楽しく紹介しています。同時に、既刊の下記4種の冊子についても、内容の更新を行いました。このうちミゾゴイ冊子は、2016年6月に環境省より公表された「ミゾゴイ保護の進め方」で、参考文献の一つに取り上げられています。

希少種保全学習教材の紹介

ひっそりくらす里山の忍者 ミゾゴイ

春を告げる里山の武者 サシバ

大空を舞う謎のハンター ハチクマ

わき水の守り番 ホトケドジョウ

谷津田のカエルたち 〜里山のカエル天国〜

ひっそりくらす里山の忍者 ミゾゴイ

全ページダウンロード(PDF:50.5MB / 全28ページ)

春を告げる里山の武者 サシバ

全ページダウンロード(PDF:16.9MB / 全24ページ)

大空を舞う謎のハンター ハチクマ

全ページダウンロード(PDF:13.1MB / 全24ページ)

わき水の守り番 ホトケドジョウ

全ページダウンロード(PDF:13.7MB / 全24ページ)

谷津田のカエルたち 〜里山のカエル天国〜

全ページダウンロード(PDF:19.3MB / 全28ページ)

論文の紹介

対象となる生きもの 論文名 掲載誌
サシバ 愛知県西三河地域においてサシバが巣に搬入した餌動物 Strix Vol.29, pp.105-112,2013
(日本野鳥の会)
ハチクマ 愛知県西三河地域におけるハチクマの巣への搬入動物 環動昆 第23巻 第3号:157-161
(2012)(日本環境動物昆虫学会)
ハチクマ 愛知県西三河地域で繁殖したハチクマが巣に搬入した餌動物
〜CCDカメラによる季節変化の記録〜
日本鳥学会誌 63(2) : 323-328
(2014)
ミゾゴイ 愛知県西三河地域におけるミゾゴイ
Gorsachius goisagiの営巣樹種と立地環境
日本鳥学会誌 61(2) : 289-295
(2012)
ミゾゴイ 愛知県西三河地域におけるミゾゴイ
Gorsachius goisagiの生息環境モデル
日本鳥学会誌 63(1) : 33–41
(2014)