スーパー耐久シリーズとは、小規模の改造を施した市販車による耐久レースのことを指す。レースカーは量産ツーリングカー(N1)という規定に基づいて造られる市販車の状態を、1991年のスタート当初の名称は、N1耐久ラウンドシリーズ。しかし、エアロパーツ装着の自由化や、デフ、ミッションなどにオイルクーラーの追加を認めたことによって、N1本来の改造範囲を超えてしまったため、現在のシリーズ名称に改められた。ただし、エンジンは限りなくノーマルで、足まわりなどはパーツの交換が許されている程度であるのは、シリーズスタート当初のままである
耐久という名のとおり、1台のクルマは数名のドライバーが交代で乗り継いで速さを競うレースで、レース距離も長く、現在日本で唯一の24時間レースが行われているのがシリーズの大きな特徴である。2006年からレース中2回以上のピットストップが義務づけられ、全車のガソリンタンク容量が95Lに統一。小排気量車であれば、わずか5L減ではあるものの、2Lのターボ車両など、25Lもの減少となる。これがレースの戦い方を大きく変化させ、小排気量車による下克上も大いに考えられよう。なお、これまでカタログ設定されないと交換できなかった、ブレーキのキャリパーやローターが、マスターシリンダーの無交換を条件に、自由に認められることとなった。タイヤは引き続き、溝のないスリックタイヤの装着が認められる。
現在は5クラスが設けられ、排気量や駆動方式、さらに改造範囲の違いによって区分される。それぞれの名称はクラス1、クラス2……とされていたが、2005年からはST1クラス、ST2クラス……というふうに変更されている。まずST1クラスは3,501cc以上の車両が対象。2,001cc以上3,500cc以下の車は、4輪駆動車がST2クラス、2輪駆動車がST3クラスでの出走に。そして、2,000cc以下の車両はST4クラスで争われる。
そしてグループNプラス改め、ST5クラスも2,000cc以下の車両によって争われるが、5クラス中唯一エンジンやサスペンションに、より広い改造が許されている。また、タイヤやブレーキのサイズを標準のものより大きくすることも可能。このクラスで最強の地位を誇るのがアルテッツァ。クラス発足2年目の2000年から、タイトルを独占し続けていた。
しかし、2005年限りでST5クラスは廃止され、2006年からはSTSクラスとして生まれ変わった。2,000ccまでの車両によって争われる点は同じながら、2シーター車両を対象とすることとなった。
今後スーパー耐久では柔軟な発想で車両規定を設定する意向を見せており、より多くの車両に参加を可能とするため、何らかの形で性能調整を行っていくという。
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