事例紹介 chocolat
2023.05.18
様
こちらの事例は、日東分析センター様よりご提供いただいたデータに基き作成しております。
技術分野によらず、皆様に広くご理解いただける内容と思います。ぜひご一読ください。
A:若手研究者(材料開発2年目)
B:ベテラン研究者 (材料開発歴20年、データサイエンス知識も豊富)
C:マネージャー
A:最近DXとか、MIとかよく聞くけど、結局何が出来るのか、よくわからないなぁ。
そういえば、Bさん、「WAVEなんちゃら」とか使ってましたよね?あれって、何が分かるんですか?
B:「WAVEBASE」ね。材料分析データを入れると、人が気が付かない特徴量も抽出してくれたり、
材料組成や配合データ、プロセスデータと性能との相関を解析したり、色々つかえるよ。
A:材料分析データって、例えばどんなのですか?
B:XRDやIR、SEM/ TEMの顕微鏡画像とかかな。
試しに、そこのチョコレート、IRで測定して、WAVEBASEに入れてみたら?
何かみえてくるかもしれないよ?
A :Cさんのお土産ですけど。。。いただきます!
どれで試してみようかなー。
カカオの割合違いで4種類あるんですねー。(´~`)モグモグ
B:n=3で夫々3サンプルずつ 4種類、計12のサンプルでやってみたら?
種類間の違いやサンプル間の違いが見えたら面白いね。
A:同じ種類なら同じ結果が出るんじゃないんですか?
B:どうだろうね~?
A:n=3/種類で、4種類、計12個のサンプルのFT-IR測定しました。
csvファイルのまま WAVEBASEに入れられるんですか?
B:入れられるよ。ファイルごといれてもOKだよ。
A:はいりました。
データ入れると自動で分析開始されるんですね。
A:次は入れたデータを使って解析ですか?
B:そうそう。さっき入れたデータを選択して、解析してごらん。
B:どんな結果が得られた?
A:主成分分析の結果で、こんな結果が出てきました。カカオの割合で色を塗り分けてみました♪
試しに PC1とPC2の軸を見てみると、同じ種類のサンプルは比較的近くにプロットされてるような・・・
PC2の軸(縦軸)で、4種類がきれいに分かれている気がします。
B:そうだね。PC2の軸(縦軸)は、カカオの割合と相関がありそうだね。
PC2は何を表してるの?
A:え?
B:PC2の影響を解釈ツールで見てみた?
A:解釈ツール?それは何ですか?
B:PCA解釈ツールは、WAVEBASEが抽出した各特徴量(PC1-PC10)を正負方向に変化させたときに、
スペクトルがどう変化するかを視覚的に確認することができるツールなんだよ。メカニズムの理解に役立つよ。
A:へぇ~。そんなのがあるんですか。やってみます!
・・・・
A:Bさん。
PC2が一番小さいサンプルを選んでPCA解釈ツール で見てみました。
A:PC2のスライドバーを変化させてみると、800~1150cm-1において元のスペクトルが
変化することが分かりました。PC2を正の方へ変化させると800~1150cm-1のピークが大きくなって、
PC2を負の方へ変化させると800~1150cm-1のピークが小さくなります。
B:うん。そうだね。で?
A:・・・800~1150cm-1って何由来のピークでしたっけ?
B:聞く前にまずは自分で調べなさいよ。
・・・スクロース(ショ糖)だね。
A:すみません & ありがとうございます。スクロースですか!!
なるほど。だからカカオ割合と相関があったんですね!
「スクロース濃度が高ければ甘味が強く、カカオ割合は低い。
スクロース濃度が低ければ甘味は弱く、カカオ割合は高い。」
ということがデータから見えるんですね。
B:そうだね。チョコレートの重要な成分を、IRデータから特徴量抽出して、解釈できるということだね。
そういえば、最初のプロットを見ると、同じ種類のサンプルでも少しバラツキがあったね。
カカオ割合が同じチョコレートでも、我々人には分からない違いが何かがあるのかな?
興味深いね。時間あったらちょっと調べといてくれる?
A:は・・・はい!
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