エコモニタリングの成果から

いろいろな湿地


○
湿地の種類と植物の生育環境
湿地は、陸地と水辺のはざまという特殊な環境にあり、ここでしか見られない植物や動物がたくさん生きています。陸地と水辺の間には環境の連続的な変化があり、比較的狭い場所に多様な環境が存在する、多くの生き物を育む場として大切なところだといえます。

一言で湿地といっても、水深の違いやでき方の違いなどによって、様々なタイプの湿地があります。タイプの違いによって、そこで見られる植物の種類も違ってきます。また、時間がたつにつれて遷移(自然の植生の移り変わり)が進み、生育する植物は移り変わっていきます。

フォレスタヒルズ周辺の湿地には、大きく分けて次のようなタイプがあります。

水深が深い湿地
図:湿地深
  • 水深が深く、ため池のように水がたまっている場所です。
  • 沈水植物(根が水底の土中にあって茎や葉が水面下に沈んでいる)や浮葉植物(根が水底の土中にあって葉が水面に浮かんでいる)が主に生育します。

水深が浅い湿地
図:湿地浅
※クリックすると地図が大きくなります
  • 抽水植物(根が水底の土中にあって茎や葉が水面から上に伸びている植物)が主に生育します。
  • 時間がたつにつれ、低茎(草丈の低い)の種から次第に高茎(草丈の高い)の種におきかわった後、ハンノキなどの樹林へと遷移します。

貧栄養湿地
図:貧栄養湿地
※クリックすると地図が大きくなります
  • 東海地方に特有な、養分の少ない湧水による湿地です。水はたまらず、常に流れています。
  • 周伊勢湾要素植物などの、貧栄養湿地に特有の植物がみられます。
  • 時間がたつにつれ、低茎(草丈の低い)の種から次第に高茎(草丈の高い)の種におきかわった後、樹林へと遷移します。

● フォレスタヒルズモデル林の湿地
地図:フォレスタヒルズモデル林
※クリックすると地図が大きくなります
フォレスタヒルズモデル林では、湿生生物観察園や、吉田池の水辺に湿地があります。
いろいろなタイプの環境がみられる多様性の高い湿地を維持するために、遷移が進んでしまわないよう刈り取りなどの手入れをしています。そして、植生の変化などを調べるエコモニタリングを行っています。

■湿生生物観察園の生物多様性ー棚田の跡地を湿地に


■

吉田池ー貧栄養湿地の10年


「湿生生物観察園でのエコモニタリング」へ シデコブシトップへ
次のページへ (C) TOYOTA MOTOR CORPORATION. All Rights Reserved. 「夏 湿地のにぎわい」トップへ